警視庁城西署刑事課に転属してきた立花刑事。風采のあがらないオヤジだが、実は本庁に籍を置いたこともあるエリートで、食についての知識は群を抜く。通称「めしばな」と呼ばれる変わりダネだ。捜査や取調べに得意の知識と情報を生かして事件の真相に迫る。最新第29巻は「即席みそ汁を待ちながら」。寒い夜中に被疑者の張り込みを続ける立花たち。そこへ同僚から差し入れに即席みそ汁を持ってきてくれるという、うれしい連絡が。あのみそ汁か、それとも例の豪華版か、男たちのみそ汁妄想が、寒空に飛び交う表題作や、弁当のおかずの下で”いい仕事”ぶりを発揮する白いスパゲティの話、復活牛丼から男の行動をプロファイルするなど、食欲をシゲキする12編を収録。乞うご期待。
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最下層遊郭に売られた少女が見る、この世の地獄!! 明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。母はなく、幼いころから父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。ある時、父が死に、姉妹は人買いの競りにかけられる。サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。生きていればいつか姉に会えると希望を持つチヌだったが、初めて客を取らされた夜、絶望し、自殺しようとしたところを大地主の青年・公三郎に助けられる。公三郎は過去に身分違いの恋の末、駆け落ちし、その結果恋人を死なせた過去を持っていた。そのトラウマから、何事にも執着しない生き方をする彼だったが、チヌの天真爛漫な性格に惹かれていく。その後、チヌの見世はつぶれ、大店「東陽楼」で働くことになる。東陽楼の女たちは、チヌが公三郎に気に入られていることに嫉妬し、彼女を追い出そうと目論むが、仲間を思うチヌの心意気や仕事への気概を認め、受け入れるのだった。チヌは東陽楼の二番手娼妓となるが……。