※ネタバレを含むクチコミです。
男子333名・女子45名、機械科・自動車科・電気科・設備科の4つの学科がある只野工業高校を舞台に繰り広げられるコメディ。 スタイリッシュな絵で描かれるヤンキー気質の強い男子生徒たちの等身大の日常はそれだけで可愛げがあり面白いのですが、そこに工業高校要素が濃厚に絡まり独特の妙味を醸し出しています。 バカっぽく見えても国家資格を複数持っており(取得理由は「かっけーから」)専門分野の知識や技能では頼りになってカッコ良く見える部分もありつつ、その上でなお日常の残念さが際立つなど、それぞれのキャラの様々な面が見られて皆魅力的に感じられます。 男子高校生のわちゃわちゃ感が好きな方、工業高校に興味のある方には無条件でお薦めしたい楽しく読める作品です。 表紙の通り、一応後半から少し女の子も出てきます。男女比が極端な工業高校の中で今後繰り広げられるであろう少し特殊な恋愛にも期待が募ります。
週刊ヤングジャンプ連載版です。 これまでにコミカライズされたものとは一味違います。正伝・外伝とりまぜて時系列順にお話が展開します。
自堕落に毎日過ごす大学生の日常なんて、なんのドラマもないはずなのに、なぜかずっと読んでいられる本作。 謎の中毒性がある作品。 たまり場となる部屋で男女2:2が、毎日たわいもないことで時間を潰す、というのが基本の流れ。 男女2:2…。 一見すると、陰キャとしては血涙して憤死しそうになりますが、変な恋愛要素、いわゆるリア充的な要素は限りなく少なくて、安心して読めます。 何が安心なのか不明なんですが、ざわつかず淡々と読めるのです。 また、ちょいエロ要素もあるんですが、そこがメインじゃなく(いやむしろ、読みすすめるとそんな喜びもなくなってきます)、舞台が美大なので、一風変わった人たちの変わった日常や趣向を楽しむ感じです。 美大特有(?)の不思議な価値観や探究心は、好奇心をくすぐられ読んでいて純粋に面白いです。 ダラダラと過ごす大学生の日常をさして、タイトル「惰性67%」 言い得て妙だと感じました。
待ってた!やっぱりシュトヘルの時みたいにオオカミのような人間のようなバトルかっこよすぎて惚れ惚れします。人間か別の生き物か、国とか仲間とかそんなテーマで展開していくのでしょうか。楽しみです
「東京自転車少女」や「℃りけい」のイメージが強いせいか、わだぺん。先生の新作と聞いてとても意外でした。ただ流行りに乗っかって異世界転移書いてみたとには質が高すぎるので二重にびっくりです……。一話目から最高潮の面白さ。 魔王側の主人公が勇者をやっつける系の作品って、並大抵の筆力では書けないからかどれもめちゃくちゃ面白いんですよね しかもま〜〜相変わらず絵がいい…女の子も可愛い…これほどに上手い作家さんはやはりこういうど派手な漫画描いてほしいです…!!
奇才、道満晴明の本領発揮作。他の作者には描けないだろう独特の雰囲気を持つ26の短編が連なり、一つの円環を作り上げる。道満晴明の絶妙な肩透かし感、ナンセンスさ、そして大きな物語のカタルシスまでを味わうことができる。おすすめ。
世界の奇妙な人たちの逸話を荒木飛呂彦と鬼窪浩久がマンガで紹介する風変わりな偉人(?)マンガ短編集。 事実は小説より奇なりと言いますが、実在の人物を荒木飛呂彦が取り上げて面白くならないはずがありません。 ニコラ・テスラに向かって「このスカタン野郎がアーッ」と怒鳴り散らす発明王エジソンの姿が有名だと思いますが、読んだ当時もかなりキレてるなと舌を巻いた思い出があります。 今となっては外道エジソンの人物像も割と普及してる気がしますが、1989年の時点で荒木先生がここまで完成させてたわけですね。 個人的に一番好きなのは『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』。 銃火器メーカー・ウィンチェスター社の社長夫人サラは、人命への罪の意識に苦しみ、生涯に渡り「悪霊から逃れるため」自身の邸宅を増築し続けたことで知られています。 夫の手掛けた銃が世界中に広まることは歴史の必然のようなものであり、彼女にはどうにも防ぎようのない出来事でした。 手の届かぬ因縁に人はどう立ち向かうのか、という『ジョジョ』のテーマでもある問いかけが本作にも通底しているのです。 いずれの短編も、とんでもない人物たちへの驚嘆、畏敬の念を綴った荒木イズム満点の紛れもない「人間讃歌」の物語です。 可能であれば初回刊行時の函入り単行本で読むと味わいが増すような…気がします! 実に奇妙なデザインなので。
サイボーグ技術などを駆使した近未来の大戦により荒んだ世界で、タバコと銃が似合う(というか頭が銃そのもの)オジサンが活躍するハードボイルドSF。大塚明夫とかの声が似あいそうです!「オレの名は乾十三」ってモノローグがいちいち入るのもイイですねw はじめの章からいきなりディストピア感満載でいい雰囲気です。見慣れてくると銃頭も愛嬌たっぷりで可愛い。化け物じみた見た目なのに誰よりも人間臭い主人公です。
「地獄楽」でもタイトルに書いたような内容を書いてしまったけど、この「もののがたり」もまたクオリティが高い。 古くからある大きな和風の屋敷、和風アクション、現代日本、黒服、などから「妖狐×僕SS」や「血界戦線」やハンターハンターの幻影旅団なんかを連想させられるとこもあって、素直にワクワクしながら読める。 主人公の性格(設定?)が意外と単純じゃなさそうで、ギャグっぽいコマなんかでは特にイヌボクに似たほんわかした空気があり、1巻読むだけでもきっと主要キャラは掴めると思う。
※ネタバレを含むクチコミです。