ウサギ目社畜科

カワイイの向こう側に透けるブラックさとキモさ(いい意味)

ウサギ目社畜科 藤沢カミヤ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まず、めっちゃカワイイ。 それは何を置いても第一に来る。 月での異常な労働環境で働いてきたがリストラになり地球に来たふわみ。 この表紙のピンクの髪のうさみみのカワイイ生き物がふわみである。 部屋に転がり込んできて居候するという伝統的なドラえもんスタイルから始まるが、ブラックすぎる環境にいたせいか、不憫すぎるほどに従順で一生懸命で身も心も過剰に社畜だ。 なぜなら働かないと、溶ける。物理的に、身体が。 普通に不憫だとただかわいそうに・・となるが、ここまでくると超カワイイ。 不憫カワイイ。 社畜力53万と言われてもおかしくないくらいに価値観の違う社畜で完全に異文化交流だ。 世紀の発見である月の住人に部屋の掃除をさせご飯を作らせる。 しかも本人はそれを至上の喜びと捉え感謝している。 こんなの狂ってる! でもカワイイのだ。 だからオールオッケー。 社畜とは何か、その行き過ぎた行為の現代社会の闇の一端に触れたような触れてないような、そんな気になった。 もしかしたら働きすぎな現代人への警鐘をカワイさに包んで鳴らしてくれているのかもしれない。 個人的には、体の一部が大きくあるキモさとデフォルメされたへたったウサギっぽいところが好きです。