この作品と出会ったのは、六本木でやっていた「障害・感覚・共生を考える」をテーマにした展覧会「ここから2」という場所だった。 いくつかの漫画が展示されており、なんとなく手にとってぱらぱらと捲って、いままでに見たことのない漫画表現とあり方に驚いた。 内容は聴覚障害者の話で、耳の不自由な方々から聞き取ったことを描いたもの。革新的だと思ったのは、聴覚障害者の聞こえないではなく、「聞こえ方」を取り扱っていること。そしてそれをマンガ表現で書き表しているところにある。誰にでも分かりやすく、その痛苦を理解できる表現力には感服した。 話題となった佐村河内さんの話もあり、正しいことはなにかをしっかり自分で考えなければならない、とも思わされた。社会的な意義を持ち、漫画独自表現をもっている一作だと思う。
よかった点 ・俺の好きな作家ばかり取り上げてくれて毎回すごい楽しみだった。 ・特に谷口ジロー/小山ゆう/土山しげる/高橋留美子回が好き 総評 ・もっと続けて欲しかった..
藤子・F・不二雄の「定年退食」を現代版にした感じの短編だった。 好みはあるかもしれないが俺は好き
前にスペリオールに載っていた読切『進め!!ドンギャンベン』もじわじわフツフツと込み上げるパッションと静寂があって良かったが、今回掲載されたこの『Who am i?』はより洗練されたように感じた。 何も感じず何も考えず生きてきた人が唐突に気づき、突きつけられた「人生」。 焦りまくるに決まってる。 馬鹿や秀才や不良、誰しもがそれなりに自分の将来を考えてそいつらなりに何かしらの行動を取っている。 そこで思い悩んだ末に主人公が取った行動とは・・。 いい。 実にいい。 読切サイズのコンパクトさでここまでスピード感と溜めたフラストレーションの爆発、ぶっ飛んだ覚悟、パッションを見せつけられるなんて素晴らしい! 新井英樹を彷彿させる何かがある。 早く連載を読みたい! 惚れる!
押見修造の最新作。 男子中学生の主人公に対して過保護すぎる母親(美魔女)が、彼に強く関わってくる周囲の人物(いとこや同級生女子)を「私だけいればいい」とばかりに排除し、「自分だけを頼り必要とするかわいい私の息子」を病的に保とうとする。たとえ結果的にその行動が常軌を逸していても・・。 雑誌スペリオールで連載を追ってるんですが、ほぼ毎回毎話「ひぃぃぃいいっ・・!!」って言いながら読んでます。 これが、超楽しい。はー、好き。 もうほんとヤバおもろいんですが、人間による静かな恐怖の感情をこれでもかと煽ってくる迫力ある演出は押見先生、ここにきて明らかに次の次元に突き抜けてます。 ページめくるごとに不穏さが増していってゾックゾクします。 ジャンル的にはサイコホラーにでもなるんでしょうか。 いや、でもただの毒親っちゃ毒親なだけだし・・。 『血の轍』を読んだ印象だけで言うなら顔、そして影、からの顔、さらに影、極めつけの大ゴマ顔ドアップ、唇、くちびる!です。 そして読んでいるとなぜか母親の声が実際に聴こえてくるようなんです。 吐息がかかるくらい近く耳元でささやくような、呼吸音さえも聴こえるような少し低音も混じるくらいの、いいヘッドホンで映画観たときのような立体感ある声が。 なんなんでしょう、この生々しい不思議体験。 そして母親ですが、そこに居るのは母親でありながら一人の女なんですよ。 「女」をなぜか感じさせてしまうエロティシズムみたいなものがねっとり漂っているんです。 母親なのに!悔しい!! 『クレヨンしんちゃん』のみさえに母は感じてもエロさは感じたことないのに! 息子をどうしたいんだよちくしょう! まあでもよく聞きますよね、母にとって息子も一人の男だからそれを奪う何かに嫉妬してしまうみたいな話。 この話はきっとそれが振り切ってるだけなんです。 この漫画がいいのは、母親がただの化物に成り下がっていないところ。 なにか、そうしていなければ自分自身を保てないほどの何かがおそらく過去にあったんだろう、ということが随所に垣間見える悲しきモンスターなのです。 もしかしたら止めてくれる誰かを待っているかもしれませんし、それこそが救いになるのかもしれません。 まだ3巻。 今後どうなっていくのか、ひーひー言いながら生暖かい視線で見守っていきたいところです。
ウワァ…って心に来ちゃう描写がいつ来るんだ…とハラハラしてしまう。 物語はどう動いて行くのか、二巻以降が楽しみ。
ハリルホジッチ監督解任の衝撃、W杯まで一刻の猶予もなく混迷が続く日本サッカー界。おそらくW杯出場国の中で最低クラスのサッカー後進国である日本が、サッカー先進国か らやってきたザッケローニやハリルホジッチから学ぶべきことがどれだけ多かったか、どれだけ学ぶ機会を自分たちの手で放り投げてここまで来てしまったか。世に溢れる多くのサッカー漫画や、スポーツ新聞やワイドショーや週刊誌などのメディアで語られることのない、そういったサッカーのディープで本質的な部分を知る一助になるかもしれない漫画です。 私はまだ読み途中なので勉強中ですが、筋肉や視力、歩き方などの日常生活レベルのことから審判の制度などの実践的でマニアックな知識まで、サッカー好きは必読じゃないですかね。5レーンやハーフスペースみたいな戦術のトレンドみたいな話もあるのか気になります
派手なプレーや、少年誌のような暑さではなく、体幹などの視点から描いたサッカーマンガ。 これを見てからW杯を見ると、選手の体格などのちがいに気づけて面白いかも。
オレ、もも裏を使えてる?と気になりはじめる作品。 サッカーをやっていると深く入り込みやすいと思います! みんな、サッカーしてさ!もも裏、使ってこうな!
【掲載誌】 ビッグコミックスペリオール 2018年4号(2018年1月26日発売)より連載開始 【代表作】 『HUMANITAS ヒューマニタス』 【公式ページなど】 山本亜季 Twitter https://twitter.com/_aki_0623 賢者の学び舎 Twitter https://twitter.com/KENJYA_superior
この作品と出会ったのは、六本木でやっていた「障害・感覚・共生を考える」をテーマにした展覧会「ここから2」という場所だった。 いくつかの漫画が展示されており、なんとなく手にとってぱらぱらと捲って、いままでに見たことのない漫画表現とあり方に驚いた。 内容は聴覚障害者の話で、耳の不自由な方々から聞き取ったことを描いたもの。革新的だと思ったのは、聴覚障害者の聞こえないではなく、「聞こえ方」を取り扱っていること。そしてそれをマンガ表現で書き表しているところにある。誰にでも分かりやすく、その痛苦を理解できる表現力には感服した。 話題となった佐村河内さんの話もあり、正しいことはなにかをしっかり自分で考えなければならない、とも思わされた。社会的な意義を持ち、漫画独自表現をもっている一作だと思う。