その他の感想・レビュー3297件<<12345>>文句なし★5!千明初美作品集「ちひろのお城」 千明初美タキシードは明日に舞う誰にでもあった幼少期や思春期の心の機微を描く短編集。素直になれず意地を張ってしまう子供たちがふとしたことで大切なものに気づく様が描かれていて大変愛おしい。雪や雨の情景描写も妙。気づいたら俺にも子供が出来たら…みたいなキモい目線で読んでしまっていた。「お二階は診察室」が特に好き。あたらしいひふあたらしいひふ 高野雀starstarstarstar_borderstar_border寸々同人誌の再録なのに見事にフィーヤン感。 「被服は鎧」という一貫したテーマ。登場するイケメンイケメンイケメン。悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~@COMIC 轟斗ソラ 雨川透子starstarstarstarstar_borderゆゆゆあぁ、そうだった。乙女ゲーム(ソシャゲ)の世界への転生だった。 しかし悪役とはいえ、レオナルドはイケメン。そして強い。 実は攻略対象ではと、作中の前世で言われていてもおかしくない。 普通を望む主人公の肝が座っていて、彼女もまた心根はイケメン。見た目はイケジョ。 だって乙女ゲームの世界のヒロインだから。 でもヒロインが持たなかった裏社会で生きる術を持っていて、もとのストーリーから離脱しつつも結末は同じにしようとしているので、なんだかいろいろ前世で知っている展開と異なることが起きている模様。 守られるだけじゃない、強い女の子は好きですか? ゲームの世界へ転生も大丈夫でしたら、ばっちりお好みの作品だと思います。どこまで進化していくのか?俺だけレベルアップな件 DUBU(REDICE STUDIO) Chugong干し芋4巻まで読了。 主人公の水篠旬は、入院している母と妹と暮らしている。 人類最弱兵器と呼ばれながらも、ハンターをやめないのは、少しでもお金になるから。 そんな、水篠は、ある日、生死を彷徨う戦い後、入院中に特別な能力を手に入れる。 それから、体を鍛え初めどんどん自分の能力をあげて、強い敵と戦い始め、考えられない金額を手にしていく。厳選!読んでほしいこのマンガ東京ヒゴロ著者:松本大洋完結全3巻作品情報はこちら餓鬼餓鬼 ちばてつやstarstarstarstarstar瀧事故で両親を亡くし大金を手に入れた幼い主人公が金目当ての大人たちに殺されかけたことをきっかけに極悪非道な犯罪者に育っていく話 あまりにも救いがない話だけど読んで損はしない 成長した主人公が矢吹丈にそっくりなのも考えさせられる純愛ラブコメ殺し屋1(イチ) 山本英夫starstarstarstarstar瀧待っていた…オマエみたいな変態を… 100点満点の台詞少女萌え漫画かと思ったら苦悩するおっさんたちに萌える漫画GUNSLINGER GIRL 相田裕starstarstarstarstar瀧おっさん連中の人間臭さと少女達の純粋さに泣けるそれは死人の考えや…銀と金 福本伸行starstarstarstarstar瀧俺が積もう、肘の高さまで…福本伸行最期の傑作最強伝説 黒沢 福本伸行starstarstarstarstar瀧福本は黒沢と一緒に燃え尽きたのだ 続編はもう知らん信じる?信じない?私が見た未来 完全版 竜樹諒2025年7月5日みんな生きてたらここで会おうぞ本の内容通りなら2025年7月5日にとんでもない自然災害が起きるらしい… 周りでも信じてる人が多くて怖いです😱 あなたは信じる?信じない?摩訶不思議な世界へ。足摺り水族館 panpanya干し芋不思議な世界観満載。 夢の世界なのか? 現実世界のその先なのか? 過去にタイムスリップしたのか? はたまた、仮想空間なのか? 作者の気になるものを突き詰めるとこういう作品になるのだろうと理解することにする。 魚と巨大なものが好きな方は、読んでみてください。[リリー]の[スレッド]で、リリースレッドリリースレッド 誰でもないstarstarstarstarstar_borderさいろくSNSの時代でもう廃れてきてしまっているけど、某掲示板のようにスレッド形式で匿名でくだらないことを話し合うという体験。 そんな匿名で責任もなんにもないからこそ、犯罪予告やら陰口やら、虚栄も嘘も妄想も、何もかも言いたい放題のそんな場所で生まれる物語って結構ある。 怪談話もオカルト板で有名なものがいくつも生まれていったけど、そんな話をリリーが紹介していくような感じで進行する短編集。 ちょっとずつ繋がってたり、なんだかんだで実はちょっと悪くない話になってるものもあったりして読後感がいずれも悪くないのが好印象。これもまたいい短編集だ…OLと人魚 司馬舞starstarstarstarstar_borderさいろく人魚・吸血鬼・ハーピー・鬼…解説に書いてあるとおり現代日本で伝記に出てくるような「化け物」が登場。 それぞれ現代日本の女性との物語。本人がソレのケースもある。 なんというか、不思議でふわっとしているけど、どれもシンプルに"尊い"とか"怖い"とか"哀れ"とかっていう直球気味な後味を残す、いい短編集だった。 読んでいる途中、残酷な話もある中で、この話は頼むからイイ話にしてくれ…と思いながら読み進んでいく体験。 安堵できればいいけど、そうじゃなかったらどうしよう、そんな風に思える作品ってやっぱイイ。 あと絵も雰囲気あって好きです。これまたシンプルにわかりやすくて良い。筋肉は裏切らない俺だけレベルアップな件 DUBU(REDICE STUDIO) Chugongstarstarstarstarstar_borderゆゆゆどうにもウェブトゥーンのページ全体の把握を他者に握られている感じが苦手なのですが、苦手さを横において読むと、フルカラーで、絵柄もキレイで、読み進めやすいです。 タイトルの通り、よくある俺TUEEE展開なので、やられそうな展開でも、「まあ、すぐに強くなってぶちのめしてくれるんですよね」と先行き不安はあまりなく、心の平穏を保って読み続けられる、疲れた心にも優しいストーリーです。 ステータスを上げて筋力をパワーアップするにつれて、筋肉ムキムキどころか身長まで伸びてしまうのがおもしろいです。 筋トレのノルマをこなしたり、戦ってレベルが上がるにつれて自信なさそうな感じが減っていくあたり、「筋肉は裏切らない」という言葉が脳裏をよぎります。 まだ読んでいる途中なのですが、筋肉だけでは解決できない問題は、どのように解決していくのかみものだなと思いました。ラーメン発見・外伝「うんちく」シリーズ 室井まさねまみこ※ネタバレを含むクチコミです。みんなアルコール楽しんでる?! #推しを3行で推すパリッコの都酒伝説ファイル ルノアール兄弟 パリッコstarstarstarstarstarかしこ・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ルノアール兄弟なのに下ネタがない!!抱腹絶倒のギャグに注目しがちだけど、しっかり美味くて安くて楽しい酒の飲み方を提唱してくれてる。シラフで読んでるはずなのに酔っぱらってきたぞ。 ・特に好きなところは? 天国酒場。春になったらそういうところに飲みに行きたい。あとパリッコさんのオカルトキャラっぽい髪型も好き。あのビジュアルのパリッコさんが登場するだけでなんか楽しい。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 閉店間際のスーパーで「今夜は何を飲もうか…」と缶チューハイを物色してる疲れた紳士淑女に差し入れしたくなるような一冊です。もちろんホテイの焼きとり塩味を添えて…!世の中にはいろいろな仕事があって。メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか? 鶴屋なこみんstarstarstarstarstar_borderゆゆゆいろいろな仕事があるのに、「それはやってません」とか「別料金です」となっているのに、「やってよ。いいじゃん。✕✕はやってくれるのに」とか「✕✕は無料でやってくれないけど、あなたならいいでしょう?」とか言ってくる人はどこでもいるんだなあと思いました。 聞くだけはタダってことなんですかね。 パワーとメリットぽいものを見せつけたら、言うこと聞かせられる可能性が広がるって、どうなんでしょうね。 いろいろなお仕事で聞く下請け辛い的な話が、メンズエステ嬢の世界でも繰り広げられているのは不思議です。 さて、主人公が高時給から選んだメンズエステ嬢の仕事も、それはそれで精神的に大変そうな出来事の数々が描かれていて。 焼き鳥の仕事を長時間してもワープア止まりだったんでしょうか。 それから、一番病んでいるのは消えていく嬢でなく、店長なだったんじゃないかなとも思ったり。 冒頭に書いた、どこも無茶言うやつはいるもんだなあという感想に続いて、普通の枠にはまれない場合、働かなきゃ生きていけない仕組みというのはとても辛いもんだなあ、と読んでいて思いました。「いぬ」という神秘的な愛の顕現 #1巻応援うちのむっくはいつも楽しそう じゅん兎来栄寿ポメラニアン飼いとしては、読まずにいられませんでした。 『こんにちは、いぬです』のじゅんさんが描く、実際にじゅんさんと一緒に暮らしている若いポメラニアンのむっくくんとの生活の様子を描いたフルカラーエッセイ4コマです。 ゾウボールに夢中だったり、「〜する人」という言葉に敏感に反応したり、ドッグランでみなに挨拶して全速力で駆け出したり、前からくる人の買い物袋やキャリーケースをいぬだと思ったり、さまざまなむっくくんの仕草がとてもかわいく和みます。幕間で、時折実写のむっくくんの写真も掲載されておりただただかわいいです。 我が家のポメはポメにあるまじき大人しさでおもちゃ類にもまったく興味を示さないし、食に対してもそこまで執着がないので同じ犬種であっても全然違うなと思うところも多いです。 けど、それでもやはり同じポメラニアン。 ・人間の間に挟まろうとしてくる ・まるいふわふわベッドを与えてもはみ出す ・舌をしまい忘れる ・喜びが限界突破して高速回転しCDになってしまう ・食べ物を少し離れた場所に持って行って食べる ・時々日本語を理解している ・玄関の「ピンポーン」には反応する ・うれしいと耳がなくなる(アザラシ化) などなど、「あるある!」と深く頷いてしまうところが盛りだくさんです。 飼ってない人には伝わらないと思うんですけれど、本当にポップコーンやパンの匂いがするんですよね。肉球の汗腺から出るにおいのようなんですけど、外見も声もかわいいのに匂いまでかわいいってどういうこと? といぬかわいすぎ宇宙にいざなわれます。 「ポメラニアンには″猿期″がある」 というのも、犬が好きな人でないとなかなか知らないことですよね。他の犬種でもこういうことはあると思うので、無限に読みたいし知りたいです。 「ニトウシンフワフワザウルス」などの豊かな語彙力とかわいい絵柄でとても楽しませてくれますが、92ページからの ″「いぬ」それは神秘に満ちた存在 「愛」そのもの″ というフレーズから始まる、いぬという存在そのものを褒め称える件は真理に他なりません。 番外編にじのはしは、いぬはもとより他の動物と暮らしている人や暮らした経験がある人は涙なしには読めないでしょう。 いぬ、いてくれてありがとう。 ときどき大変なこともあるけれど、今のこの穏やかな一分一秒を大事に大切に一緒に生きていきたいです。モーツァルトは女性だった…!マドモアゼル・モーツァルト 福山庸治starstarstarstarstarかしこ第1話を読み始めてすぐにこれは傑作だ!!と分かりました。少女エリーザの天才的な音楽の才能に打ち抜かれた父親が無理やり息子として育てることを決めてしまうのですが、まるでモーツァルトの曲そのもののように目まぐるしく展開するのです。女は作曲家になれないとされた時代の苦肉の策でしたが、モーツァルト本人は音楽に熱中できるので自分の奇妙な境遇にも全く悲観していません。しかし彼の非凡な才能は周りの人間を狂わせていきます。女だと知らないまま結婚してしまったコンスタンツェや、モーツァルトの才能を誰よりも理解しながら嫉妬心を燃やしている宮廷作曲家のサリエリがそうです。特にサリエリは映画「アマデウス」でもかわいそうな役どころでしたが、「マドモアゼル・モーツァルト」ではモーツァルトに恋愛感情まで抱いてしまいます…!男は自分より才能のある女を愛することができるのか?そして女だったモーツァルトの最後とは?ぜひ読んでみて下さい。新装版が今年発売されたので紙派の人も手に入りやすい今がチャンスですよ!ネタバレ有りで感想を書いてみた!ツユクサナツコの一生 益田ミリstarstarstarstarstar_borderかしこ※ネタバレを含むクチコミです。「富江」の新井英樹バージョンひな 新井英樹starstarstarstarstar_borderカイ謎に包まれた魅力的な美女「ひな」を巡る男達の奪い合い 男達はひなの魔性の魅力に抗えず、ひなを自分だけのものにするため必死で追いかける 最終的によくわからない感情になった男達はぶん殴り合う …… … 伊藤潤二の「富江」やんけ とは言え新井英樹バージョンて事で感情爆発のアツい人間ドラマ 100ページ程の短い作品でサクッと読める素晴らしい漫画花の慶次―雲のかなたに―の感想 #推しを3行で推す花の慶次―雲のかなたに― 原哲夫 隆慶一郎 麻生未央starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 久しぶりに「エンチャント・ファイア」のコラを見たので読み返してたが俺はこの漫画の思想をそれなりに受けているなと思う。 ・特に好きなところは? 色々あるけど蛮頭大虎。キャラ込みでギャグと紙一重だ。コマだけ見たらギャグ。マンガとして読んだら感動するね。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 読んだ後に色々突っ込みたいところができると思うがそんなことは気にせず「だがそれがいい!!」の精神でいいのではないでしょうか 漫画家マンガでもあるしツユクサナツコの一生 益田ミリstarstarstarstarstar_borderかしこ手塚治虫文化賞ノミネートをきっかけに読みました。ドーナツ屋のアルバイトをしながらタウン誌やInstagramに漫画を描いているツユクサナツコが主人公です。日常に漫画のネタがあってご飯の後や寝る前にそれを作品として落とし込むまでのナツコの一日が一話になっています。年齢的には32歳でまだ若いのですが母親を亡くしたばかりだったりコロナ禍の話でもあるので、漫画家マンガでありながらテーマは死生観です。読んでみないと分からない深みがありました。もしかしたら東京ヒゴロの塩澤さんがInstagramで見つけた漫画家に原稿を依頼するとしたらこんな人かもしれません。暗い事情で結び付くふたりの少女 #1巻応援クリオネの告白 ざくざくろ兎来栄寿ドラマ化もされた『初恋、ざらり』で一躍有名になったざくざくろさんのマンガは、血を流しながら描かれている印象を受けます。 目を背けたくなるようなしんどさにしっかりと真摯に向き合って、触れると痛みが走るそれをもがき苦しみ叫びながら掴まえて、芯を捉えてくり抜き提示してくる。そうして身を削り魂を削るようにして描いたものだからこそ、読む者の心にも鋭利に爪を立てて掻き傷を残す。そんな作品です。 詳細は違えど、この作品で描かれるうららと似たような状況に立ったときの記憶が否応もなく蘇りました。その子にとって、自分しかいないのは解る。好きでいてくれるのも解る。でも、それに応えてしまうとより深い依存となってその先は底無しの沼が待っているのも解る。そこで適度に距離を取れれば良いけれど、その選択肢は有り得ない。それによって他の繋がりも犠牲にすることも含めて無限にどこまでも受け入れるか、この瞬間に離れるその子を再び孤独に追いやるかの二択。 今ははっきりと問題とされていても一昔前なら顕在化しにくかった父親の行為の気持ち悪さや、それを看過してしまう母親の在り方、それによって家族に味方がいなくなり孤立し傷つく様なども非常にリアルで流石です。 暗澹たる部分が縁となりながら、ある種の美しい煌めきを見せるように結びついていく寧々とうららの関係性。しかし、その最中に寧々の心の中からもたげてくる激しい情動。寧々はそれをどのように扱っていくのか。それを受けるうららは果たしてどうなっていくのか。 心と魂にたくさんの火傷や切り傷を負いながら描かれた重みを味わいたい方にお薦めです。 余談ですが、今日はポケモン28周年だとか。初代ゲームボーイが描かれる1997年という舞台設定が懐かしさを催します。<<12345>>