親友いないの誰?

その関係は親友なのか?

親友いないの誰? 山田可南
名無し

ひっそりだれかに相談したかった出来事、読んでいると引き摺っているもやもやが晴れていく感じがしました。 親友同士、お互いどう思っているのか、見えたり隠れたりする感情描写が面白いと感じました。 人間関係における、悪い面やネガティブな部分もストーリーに盛り込まれているのが、両側面を描かれていて良いです。 この3人のように、親友や友人関係、それだけでなく人間関係自体に悩みを持っている人や、持っていた人におすすめしたいです。 理由は、登場人物一人だけの視点で突っ走るだけでなく、色々な周りの視点とか、環境、時系列が小さい時から大人(社会人になり働いている)まで、リアルに描写されているので、客観視で読めると思います。読むと心が痛んだり辛い面もあるのですが、得るものが沢山ありました。 大人になって社会に出てからの、新たな人間関係の悩み等によって、私には友達すらいないのかもと思ったり、高校時代から続いている3人の親友の関係に一体何なのだろうかと、疑問に思っているヒロイン。 友達や親友などの曖昧な基準を、広げて考察していくような漫画だと思いました。 思春期感が少しだけ残る(尾を引いている)少し青々とした雰囲気の、さっぱり読める女性漫画だと思います。 結局、3人は親友なのか友達なのか話の結論が気になります。 小さい頃のヒロインが親友だと思っていた子との少し痛い思い出。 親友関係にある3人の女性を一人一人ピックアップしてストーリーが展開する話がいくつかあります。 思い出や記憶を思い出しながら、3人の親友の関係や、思いの描写が交錯している。 3人は何かしら引きずっています…。 大人向けの内容の漫画です。

LP ~ライフ・パートナー~ 3番目の配偶者

家族ドラマのような、サスペンスミステリーのような

LP ~ライフ・パートナー~ 3番目の配偶者 おざわゆき
nyae
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自分に配偶者がいたとして、自分の寿命の終わりが近いなと思った時に 「私が居なくなった時に、あの人のそばに自分の身代わりになるような人が居てほしい」 と思うだろうか、というのは読んで考えました。 この話は、主人公・ミチルの実父が妻より先に死ぬことを見越して自分の若い頃に似せた人型の看取りAI・みとり(名前はいろいろあってミチルが後に命名)を購入しており、一人娘であるミチルがAIの存在意義に頭を悩ませるが…というもの。 父亡き後の生活の激動の展開以外に、この漫画を面白くさせているのが、父が死の直前に残した言葉 「お母さんとあいつから目を離すな お父さんの代わりに見張っててくれ」 いや、買ったの自分じゃん…何いってんの?という急に差し込まれるミステリー。 みとりの存在自体を全肯定しない内容なので、存在することで救われる場面と、逆に血の気が引くようなゾッとする場面どちらも描かれてます。 心のどこかでまだ先のことと思っている「家族の死」と、もう既に生活の中に当たり前に存在している「AI(人工知能)」が繋がっていく。どちらも他人事ではないなと改めて思い知る。 **余談** 1巻のあとがきに、この話の元になったものがイシデ電さん主催で発行された同人誌「みんみん」に載っているとあって、「えっ、それ自分持っていますが?」となるも該当作の内容を全く覚えていないという失態。 あとから読み返したら本当に設定がまんまのやつが載ってました。おしまい。

晴れ間に三日月

ドロドロでもバチバチでもない幼馴染の友情

晴れ間に三日月 イシデ電
nyae
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中学生の一人息子・出海を連れて14年ぶりに地元へ戻ってきた主人公・月見には、忘れられない幼馴染・ひなたがいる。そのひなたの旦那は、出海の父親で…というあまりにも複雑な事情がふたりの間にはあった。 当のひなたはバンドマンの彼(現旦那)と海外移住をしているとおもっていたら、地元で酒屋を営んでいたため予定外の再会を果たすところから物語は始まる。 息子の父親を奪った憎き女が、いま目の前に。そしてうざったいくらいに何事もなかった顔をし、関わりを持とうとしてくるのでハラハラ。 そして、出海にはひなたの旦那が実父だなんて絶対に言えないという事態で、4人の複雑過ぎる関係性がドタバタとこじれたり、ほぐれたりする。 最後は、予想外の終わり方だった。正直「え、なんで?」と思ったけど、そこは幼馴染という長く同じ時間を共有した関係性の結果なんだろうと、納得することにした。 イシデ電さんが珍しく女性誌で描いた漫画らしく、今までと違うのかと興味があって読んだけど、この一筋縄ではいかない感じ。「女の友情」とかひとことで片付けさせない感じ。やっぱり著者らしくて好きです。