バブル~チカーノKEI歌舞伎町血闘編~
チカーノKEIの少年期、バブル期の歌舞伎町のヤバさ
バブル~チカーノKEI歌舞伎町血闘編~ 今村KSK KEI
さいろく
さいろく
ドンケツなどを含め武闘派ヤクザマンガは大好物なんだけど、それらに全く引けも取らないこの話がノンフィクション…とてもじゃないが信じられないような話が続く。 だが、多少脚色はしているにせよ(ビルから飛び降りて車潰しながら着地するようなマーベルヒーローズのような兄貴とか)この内容が自伝なのだという。 そう考えるとこれは当時の日本の、というかバブル期の恐ろしさがわかるいい教科書かもしれない。 主な舞台は歌舞伎町なのだが、当時のキナ臭さは今のそれとは全く異なった完全に「○が如く」の世界。 三億円事件(1968年)で壁が一躍有名となった府中刑務所。 巣鴨刑務所が関東大震災の被害により(と言ってる割に調べたら10年以上そのまま運営されてたっぽいけど)移転となり、日本最大の刑務所として1935年に創設されたものだが、"刑務所に入って名を上げる"というお手本のようなヤクザストーリーは、この物語の頃の70年代後半には衰退しつつあるがまだまだ本当にあったようで「お務めご苦労さまでした」という風習は本物だったんだなぁと感心してしまったりする。 また、細かく背景を調べれば調べるだけ面白く感じられるのが実在する人物伝の良いところ。 チカーノKEIという唯一の「チカーノになった日本人」の獄中生活マンガでハマった口だけど、その13巻の巻末に載っていた広告でさっき初めて本作を知った。描いてる著者が違うとパッとつながってこないのはもどかしい。なんで今まで知れなかったんだ…(チカーノは別冊ヤングチャンピオンでバブルはヤングチャンピオンなのも要因か) もともと彼がどういう人物だったのかはもちろん凄く興味があったのでその自伝的なものが読めるのは非常に嬉しい。 あと、結構世論ではぐちゃぐちゃ言う人がいるっぽいのですが、個人的にはノンフィクションと思い込んで読んだほうが面白いので、これがどこまで本当かは気にしてないです。 また、少しでも彼自身を検索してしまうとHOMIE KEIの話でインタビューがバンバン出てきたりして、マンガを楽しみたいだけの気持ちと少しズレてしまうのでそれも見ないようにしつつ、KEIが主人公のこの2タイトルをマンガとして楽しむのをオススメしたい。
荒くれKNIGHT リメンバー・トゥモロー
黒い残響完結編からの新たな完結編
荒くれKNIGHT リメンバー・トゥモロー 𠮷田聡
名無し
荒くれKNIGHTは一旦終了したのちに 脇役でありライバルチームであるCOBRAを 主人公にした「黒い残響完結編」が描かれた。 この「黒い・・」はスピンオフだが荒くれのメインストーリーの プロローグやエピローグを語っているような面もあり、 本編で脇役だったコブラ達にも厚みや深みをを与え、 結果、スピンオフ作品としても良かったし、 荒くれ本編のストーリーも丁度良く補完した感じもあった。 まさに黒い残響完結編は良い感じの完結編だったな、と 私的には思っていた。 そこにこの新章であり本編の続編の 「リメンバー・トゥモロー」だ。 いやいや黒い残響で綺麗に終わっといてくれよ、と 思わないでもなかったが、 黒い残響で深みをましたCOBRAや輪蛇のメンバーが 改めて登場してくる話となると興味を惹かれてしまう。 新たな新キャラというか闇に潜んでいたキャラ?も加わって 登場人物はかなりの数になっているし、 (まだ3巻までしかよんでいないので) まだ話が混とんとしていて先が読めない。 また、荒くれ本編は読んでいたけれど黒い残響は 読んでいない、という読者もいると思うのだが、 そういう人は、ちょっとわかりづらい話になっているとも思う。 敵か味方か敵の敵なのかもよくわからない相手との抗争が 徐々に表面化し激化していきつつある。 いまのところ、リメンバー編が終了した時に やはり残響編で終わっとけば良かったのに、と残念に思うか、 これがホントの完結編だったんだな、と唸ってしまうか、 それは判らない。 だが、もともと私は吉田先生が描く ロマンが絡んだ抗争やバイク乗りの哲学が漂う話が好き。 リメンバーでも吉田流は健在のようなので、 今後の展開を楽しみにしてしまっている(笑)。