角川コミックス・エースの感想・レビュー337件<<7891011>>闇のSHIROBAKOTHIS IS IT! 制作進行東雲次郎 犬威赤彦 百瀬祐一郎名無し近年『SHIROBAKO』や『バララッシュ』をはじめ、アニメ業界の素敵さが強調される作品の発表が続いていますね。そうした光の作品群とは対照的に本作は業界のダークサイドへのフォーカスが強いです。いうなれば闇のSHIROBAKOです(帯にBLACK BOXって書いてあった)。 矢継ぎ早に描かれる初給が13万円、飛ぶ制作、レイアウトを上げない原画マン、声優へのセクハラなど絶妙なリアリティを持った最悪のできごとたち…。 「クソッタレで最高なアニメの世界へようこそ!」とは言いますが、業界の過酷さ描写とアニメを作ることの素晴らしさ描写の釣り合いが取れてない感がすごい。おまけに「描かれている出来事は8割が実話」という原作者のあとがきが強烈な味わいを与えてくれています。 正直読んでてスカッとはしないですがこれも「どこかにあるアニメの現実」なんだと思って読むのが正しいのかも。一方でこれだけで「アニメ業界ってやっぱ最悪!!」っていうのも極端な話だとも思います。難しいですね。 ひとまずどこまで闇を暴いてくれるのか、東雲次郎くんがBLACK BOXのなかから何を掴み取るのか見届けたいです。シン・エヴァ公開前に『トニーたけざきエヴァ』を読むトニーたけざきのエヴァンゲリオン トニーたけざき カラー名無しそんな行為にも何かの意味がある…かもしれないと思って読んでみましたが前情報以上のハジケッぷりに舌を巻きました。初号機がうんこ投げるマンガ、他に見たこと無い。 シモネタキャラ崩壊なんでもござれでエヴァパロ作品のなかでも極点とも言える振り切り方をしているのではないでしょうか。絵の再現度も超絶高いので内容のヤバさとのギャップで脳がバグること間違いなしです(一瞬いい話っぽい小ネタが挟まることもある…)。 発行は2011年、『破』が公開されて2年後ということで世間ではまだエヴァに対してアッパーな空気感が漂っていた頃でしょうか。その1年後に『Q』が出ちゃうと考えるとある種の救いだったのかもしれませんね。言いすぎかな。 とにかくエヴァってわたしたちが思っている以上に自由に楽しんでいいモノなのかもしれないな、と頭をゆるめてくれる作品でした。庵野さんも何回も作ってるし、そういうことなんだと思います。シン・エヴァ、楽しみですね!本格麻雀マンガとラブコメのハイブリッドな作品 #1巻応援一色さんはうまぶりたいっ! 草下シンヤ マルヤマ 白鳥翔sogor25舞台は都立文永高校の麻雀部。 高校生プロ雀士である白鳥正宗は、後輩の一色麗花の打ち方を見て彼女がかなりの実力者だと感じていて、部活で麻雀を打っている最中も彼女のプレーの意図や思考について色々と尋ねてきます。 しかし、一色さんの麻雀の実力は白鳥が思うほど高いわけではありません。 というのも、彼女はテレビ対局で見た白鳥に憧れて麻雀を始め、プロの対局から学んだ麻雀中の所作は上級者そのものなのですが、肝心の麻雀のほうはまだまだ練習不足。 そのため、白鳥先輩の質問に対しても、本当は偶然いい結果が出ただけなのに、あたかも自分が意図して打牌したような"うまぶり"の答え方をしてしまいます。 この作品はそんな"うまぶり"で必死に自分の実力を隠しつつ、白鳥先輩に興味を持ってもらおうとする一色さんを描くラブコメ作品です。 高校生プロ雀士である白鳥先輩の麻雀に対する思考は非常に深く、一見違和感のある一色さんの打牌に対しても合理的な理屈を見つけてきます。 なので作中の麻雀の描写はラブコメマンガとは思えないほど高度なものになっています。 しかし一色さんは白鳥先輩が考えるような高度な思考ができておらず、いろいろ考えているフリをしてなんとか"うまぶろう"とします。 この「偶然起こった展開をさも自分の意図したものだと振る舞う」という表現はマインドスポーツの中でも偶然の要素の強い麻雀ならではのもので、一色さんの実力を過大評価する白鳥先輩と"うまぶる"ことでなんとかごまかそうとする一色さんの様子を2人の関係性として見事にラブコメに昇華している作品です。 この作品は これまでの麻雀マンガで表現されていた高度な戦術論をラブコメという形に落とし込んだ、まさに"ハイブリッドな作品"と言えるのではないでしょうか。 1巻まで読了評判が良いので読んでみたが…オーバーロード 深山フギン 大塩哲史 丸山くがね so-bin名無しオーバーロード、原作やアニメの評判は高いので、今さらながら漫画版から読んでみた。 5巻まで頑張って読んでみたものの、どうしても設定やストーリーに理解が追いつかないところが沢山出てきて、置いてけぼり感に耐えきれず脱落した。これは原作かアニメを知ってから読まないと楽しめないタイプの漫画だと思う。おそらく。情報量が非常に多いので、漫画にすること自体大変なのは間違いない。一応、設定資料も添えられてくれてるが、老眼には字が小さすぎて読めない…。PR厳選!読んでほしいこのマンガ魔入りました!入間くん著者:西修38巻まで刊行作品情報はこちら!!女子2人でボールパークをエンジョイ! #1巻応援野球場でいただきます 出内テツオ天沢聖司25歳独身OLのつばめが球場で出会った野球観戦初心者の大学生・亀井ちゃんと友達になって、2人で野球と球場グルメを楽しむお話。 若干カートゥーンっぽさを感じる絵柄も可愛いですが、なにより2人のファッションが毎回素敵! そして出てくるご飯がどれも美味しそうで、これが球場で食べられるなんて…! と、思わず野球見に行きたくなります。 自分は野球がそんなに好きじゃないので、好きになりたくて友達と野球観戦に行ったり野球漫画を読んだりしている部分があるのですが、つばめの 「年俸ウン億ウン千万たちが労働中に飲む酒がうんめ〜〜〜!」という台詞で目からウロコが落ちました。最高じゃん。 それに加えて、ただ野球のいいところだけを描くのではなく野球好きの女の子が知らん男やオッサンにいきなり絡まれたり、球場で喧嘩があったり…。負の側面もしっかり描いているところがすごく新鮮で良かったです。 単行本の冒頭で、新型コロナを受けて物語内の描写について断り書きがされているところも斬新でした。 球場でご飯食べたい〜〜!「美木さん、大好きです!」が僕も大好きです美木さん、大好きです! 小畑つねちかANAGUMA全く正反対に見える二人が互いを素直にリスペクトしているの、尊いですよね。あるときギャルの美木さんに一目惚れをした地味キャラの香坂くん、彼女に釣り合う人間になるべくガラッとイメチェンをして告白をしたところその気合を認めて美木さんも即お付き合いを了承。すべての展開が早い! 香坂くんが大人しそうに見えて相当な勇気と行動力の持ち主なのもギャップがあっていいです。付き合った翌日いきなり家に朝食を作りに来たり距離感バグってるところとめちゃくちゃピュアなところの差が激しくて愛おしい。おもしろい男……!! そんな感じで香坂くんが予想のつかない男なので美木さんも常に優位を取ってるわけじゃないのが妙味。パワーバランスが常にぐらぐらで、それが美木さんにとっても楽しいのが伝わってくるのがなんだか素敵です。ただ陰キャくんをギャル様が全肯定するという単純な構図じゃあないのです。 とにかくふたりのキャラがあればどんなシチュエーションでも最高に光り輝いたものになるので信頼して読み進めていただきたい次第です。自販機で飲み物買ってるの見るだけで悶えたの初めて!これはよい年の差ラブコメ#1巻応援りんちゃんは据え膳したい 澄田佑貴六文銭年の差の幼馴染みで、女子高生と教師という設定。 女子高生のほうが強めに矢印むいている感じで、 教師のほうが大人的にかわしたり、時にタジタジしたりする流れ。 分類的には「うざ可愛い」に入るのだろうけど、全然うざくないです。 むしろ一途な感じでよいです。 ラブもコメも偏ってなく、ほどよいバランスなのもよい。 1巻の最後は出会い編もしっかりあって、これもまた良いです。 背景がわかるのはいいです。 徐々に先生のほうが意識しはじめるのかな?とか思うと、今後の展開に期待せざるをえません。 ラブコメ好きな人にはおすすめしたい作品です。ビールは冷やしたい国の人異世界居酒屋「のぶ」 ヴァージニア二等兵 蝉川夏哉 転野愛異世界で見るいつもの料理は何故だかいつも以上に美味しそうに見えます。なんででしょう、認めてもらえて嬉しいみたいな感情なのかもしれません。 言葉も通じるしそこまで異文化感はないけど、冷たいビールが否定される世界っていうのがいい設定だなあと。 実際ヨーロッパでは常温で飲むって聞くけど絶対絶対冷たいほうが美味いよなあと思ってしまうので…エールでもなんでもビールは冷やしたいので…なのでトリアエズナマを嬉しそうに飲んでいる古都の人たちを見ると自分のことのように嬉しくなってしまいました。 再現レシピ作りたくなるような飯漫画的楽しみ方もしっかりできるところも楽しいですね。 スピンオフのエーファとまかないおやつもほのぼの可愛い…!転生したら、蜘蛛だった。蜘蛛ですが、なにか? かかし朝浩 輝竜司 馬場翁はやアニメを見て、原作が気になったので読んでみました。思っていた以上にスピード感ある展開で、敵を次々と倒し、どんどん謎とスキルが積み上がるところが面白いです。読後感は▶︎ハリボー中野ブギウギ 研そうげん漫画の海少し気怠くてユーモラスな青春漫画。中野っぽいといえば中野っぽい。剣術に詳しい原作者による武装少女マキャヴェリズム 神崎かるな 黒神遊夜狐優曇華『しなこいっ』『竹刀短し恋せよ乙女』の続編に当たりますが、これだけ読んでも面白いです。 原作者は相当剣術についての造詣が深いようで、なかなか知的好奇心をくすぐる説明が多いです。ジャケだけ見ると異世界トンデモ学園コメディって感じですが実際は硬派な剣術漫画。 作画もいいですね。スピード感や緊張感が読んでいて気持ちいい。女の子もかわいい。これもまた百合。私の拳をうけとめて! murataさいろく昨今様々な形でBLや百合も商業誌で見かけるようになってきました。 本作も角川のエース(ヤングエース?)で連載してたもので、出身はTwitterという最近よく見かける、編集者からの逆ナンパで始まった連載なのかなと。 最初の数話を読んで意外だったのは、思ったよりギャグテイストじゃないこと。 地味に真剣に悩む女子同士の恋愛と葛藤があり、この作品は最後の最後まで読むと報われるんだろうか?ハッピーエンドだろうか?とハラハラしながら読み進める事になった。ギャグだったらどう転んでも気にならん、というのは偏見でしょうか。 最後の4巻は彼女たちのまっすぐな気持ちだけが描かれているので振り返ると1巻とのギャップに驚くぐらいではある。生き別れとなった双子を巡るサスペンス夢で見たあの子のために 三部けい名無し作者のファンなので読みました。 サスペンスとしての面白さはもちろんのこと、肉親や親友への厚い情が感じられるシーンがこの作品の魅力です。例えば、自分を遠くから想ってくれていることがわかる双子の兄からの手紙のところ。いちばん好きなシーンです。ライバル百合ままならぬ交際 #完結応援私の拳をうけとめて! murataあうしぃ@カワイイマンガ元ヤンの武部がふと再会してしまった、高校時代の喧嘩相手・空森。あの時つかなかった決着つけるか!と公園で決闘。でも空森は条件を突き付ける。 「私が勝ったら、付き合って!」 ○●○●○ あっさり負けた武部は空森と、形ばかりの交際を始める。しかし付き合うって何すりゃいいんだ? 恋心が分からず、周囲の結婚ラッシュに焦る武部。それに付き合う空森も、アパレル店員だがお洒落以外はからっきし。かくして二人集まっては、とても恋人同士とは思えない、しょうもない事に興じる。いい大人の二人が戸惑う姿が常に可笑しい。 空森は武部のそばにいられれば幸せだし、それに付き合う武部も次第に空森といるのが心地良くなる。何をしてもつい白熱して、勝負になだれ込むお約束も含めて、怖い顔の武部と呆け顔の空森が軽いタッチの絵柄で割と平熱に描かれて、そこはかとなく笑えるコメディ。 それにしても互いの心が全く掴めない二人。理解り合う為にはやはり拳を……?いやいや、そこからが本番。二人の笑顔を確かめる為に……最終4巻、「4巻」まで読むべ! (すみません3巻が出た時、これで終わりなのかと一瞬思ってしまったのです……)年上エリート女騎士読んで年上エリート女騎士が僕の前でだけ可愛い たかた 吉野宗助 あるぷ名無し※ネタバレを含むクチコミです。文豪たちの作品がモチーフ文豪ストレイドッグス 朝霧カフカ 春河35クロキ秀逸なストーリーと、オリジナリティ溢れるキャラが織り成す魅力が素晴らしい。キャラクターは、歴史上の文豪をモチーフにしており、その異能と呼ばれる能力も文豪たちの作品名をモチーフにしている。お気に入りの文豪がいる人にはぜひおすすめしたい!あらゐけいいち先生の…日常 あらゐけいいち大トロあらゐけいいち先生のギャグのセンスは本当の意味で唯一無二だと思います。 悩みがあるときに日常読むとすべてどうでもよくなって、とりあえず散歩でもするかという気分になります広告で見て読んでみた死がない伏見くん こんのあらた名無し※ネタバレを含むクチコミです。働きたくない思いを戦う力に変えて高機動無職ニーテンベルグ 青木ハヤトANAGUMA「働かずに食べるメシはうまいかっ!!N.E.E.T.ッ!!」「美味しいですよ!!」 ロボット作品の開闢以来、戦闘中のコックピットで発されたセリフの中でも相当上位の切れ味を誇るのではないでしょうか。せめて少し迷ってほしい。 開幕のこのセリフが象徴するように、本作は働くことと働かないことをめぐり、命懸けで戦うパイロットたちの姿が描かれます。 主人公の不動遊(無職)はひょんなことからデスマーチ軍に抗う存在、無職同盟(リガ・ジョブレス)に加入し、黒い人型兵器(ワークマン)・ニーテンベルグに搭乗。彼の「働きたくない」思いとともに、世界の命運をかけた社畜と無職の戦いが幕を開けるのでした。全部マジです。 ロボットもののテンプレートに乗せて一貫して働く者と働かざる者の対比が描かれるのが最高に笑えるポイントです。 レジスタンスに加入してもぐだぐだしている遊に比べて、ライバルのワーカ・ホリック大佐が社会人としてまともに見えるのも読んでいてじわじわくるところ。本当に倒すべき敵なのか彼らは…? イカれた設定が繰り広げられる中でメカの作画やバトル描写はすごくカッコイイのが更に面白い。ちゃんと機体のパワーアップとかもあってロボットものの楽しさも味わえますし、物語自体は王道の熱さを備えているのがすごいです。 ガンダムのパロネタ(※超秀逸)だけではない「自由を求めて戦う」という重厚なテーゼが奥底に織り込まれているのが本作の魅力なんでしょうね。実際には労働から逃げているわけですが。 働きたくね〜と思った時に読むと元気が出るのでおすすめです!士郎正宗のオモロイとこを形にした作品紅殻のパンドラ 六道神士 士郎正宗さいろくギャグとかコメディとかの要素がアップルシードや攻殻機動隊の原作に近いノリで(少し詰めは甘い気がするし強引すぎるとこもあるけど)存分に詰め込まれたSFバトルギャグ漫画、という感じ。 ギャグというか同人的なノリが多いので諸兄らには読みやすいのではないだろうか。 電子版には士郎正宗の設定資料がカラーで数ページずつ載っており、これだけでも買う価値アリと言える。好きなものを好きと言える世界 #1巻応援HGに恋するふたり 矢立肇 富野由悠季 矢立肇・富野由悠季 工藤マコトsogor2514歳の頃に初めて見た「機動戦士ガンダムSEED」に心を奪われた主人公の神崎さやか。しかし、周囲の友人がキャラクターの話で盛り上がるなか、彼女が惹かれたのはモビルスーツ。そんな気持ちを同級生にも話せないまま時間は過ぎ気付けば30歳。そんな彼女がある日、ガンプラ好きの女子高生、高宮宇宙(そら)と出会う。 まず心惹かれるのは、30歳のOLであるさやかと16歳の女子高生である宇宙が年齢を超えてて"好き"の気持ちで繋がっていること。「メタモルフォーゼの縁側」にも近い設定ではありますが、作中でも触れられてる通り、"16歳"というのはちょうど「ガンダムSEED」が放送されていた年に生まれた子ということ。つまり、相手が生まれる前から好きだったものを通して生まれる交流、これこそが本当の意味での"世代を超えた交流"なのではないでしょうか。 また、"世代を超えた"という意味でもう1点重要だと思っているのが、2人の"好きなもの=ガンダム"に対する接し方。好きな気持ちの強さは変わらないのですが、周囲にガンダム・モビルスーツが好きなことを話すことを躊躇っていたさやかに対し、宇宙のほうは初対面のさやか相手にさえ『お姉さんもガンプラ好きなんですかっ!?』と臆面もなく言い放ちます。好きなものが少数派だったときにそれを周囲に堂々といえないという気持ちは「トクサツガガガ」などでも描かれていますが、特に30代以上の人なら誰しもが経験しているものだと思います。それが、もちろん人に依るところもありますが、時代が令和に移ってマイノリティでも好きなものを好きと堂々と言えるようになった、そんな世代間の見えないギャップも描いているのではないかと思います。 作者の工藤マコトさんも「ガンダムSEED」から入ってガンダムが好きになった経緯があるとのことで、もしかしたら作者の実体験も多少なりとも入っているのかもしれません。そしてそんな作品をガンダムシリーズの専門誌であるガンダムエースで連載している、そんな奇跡的な繋がりにも感謝しつつ、ガンダム好きだけではなく、幅広く楽しんでもらえる作品だと思います。 1巻まで読了人類、フェスを愛せよデイズ・オン・フェス 岡叶ANAGUMA音楽フェスに行くなんて考えたこともないほどインドアかつダウナーな人生を歩んできた私ですが、このマンガを読んで考えが180度変わりました。 行きてぇ、フェスに。 フェス、爆音の中酒を片手に夜通し熱狂する狂乱の宴だと思い込んでおり「近づくまい!」と頑なに距離を取っていたのですが、『デイズ・オン・フェス』のなかには優しく楽しく賑やかなフェスの世界が描かれています。 のんびりキャンプとかしてるんですよみんな。いいなぁ。 登場人物は主人公・奏と音葉のJK初心者コンビと、喫茶店を営む音葉兄(楽さん)とバイトの律留のベテランチーム。計4名のコントラストが小気味いいです。 奏がフェスに魅了されていく新鮮な過程と、律留たちがフェスの“よさ”をじんわり味わっているようす。互いが互いのパートを引き立たせていて、読んでる自分も「早くこうなってこうなりたい」という欲求が湧いてきます。 行かなきゃ味わえない空気感が内包されてるんですよ…。 奏が自身の推しバンド「デイズ・オン・ユース」を起点に、どんどん自分の興味に従って世界を広げていくのも心地良いです。何かにハマるのってそういうことだよな、という原初的な喜びが押し付けがましくなく描かれていて。 そして3巻にはその「デイズ」の結成エピソードが収録されているんですけどこれもまたいいんですよね…。音楽に救われた者がまた音楽で人を救っていくという円環が完成するんです。美しい。 とにかく読んだら絶対にフェスに行きたくなることでしょう!!行きたい!!フェス!!パーリィピーポーも納得のリアリティ! #完結応援デイズ・オン・フェス 岡叶あうしぃ@カワイイマンガANAGUMAさんが未経験の立場から本作の魅力を語られていて、ついつられて全部読んでしまったので、こちらからは経験者から見た本作の魅力を書いてみたいと思います。 ……フェスの入場口でリストバンド付けて、ステージに進んでいくと、向こうの方からズンズンって、低音が響いてくる訳ですよ。うわぁって小走りになって……1巻の初フェスのワクワクする描写、これ私知ってる。 かつてフジロックに6回行っている私が保証します。この作品、めっちゃリアルです! 例えばテント泊の朝が蒸し暑い!みたいな細かなあるあるが沢山あります。フェス前にフェス用プレイリスト作るよね。また渋谷のライブハウス側のコンビニの山盛りのゴミ箱とか、そんな細かな事が物凄く懐かしくて……よく知っている人ほど嬉しくなる描写がそこに。 新しい音楽との出会いと、何でも受け入れたくなる開放感。あんまりバンドを知らなくても、ダンスが下手でも、若くても歳取ってても、大体の人が何かしら楽しめる。空は広いし飯も旨いし、みんなフレンドリーだし、本当にミュージシャンにも会えるし……トイレとか虫とかは確かに問題だけれど、それさえ気にしなければ、極上の祝祭空間がそこに!……というのも全部描いてある。 大きいフェスに関してはメトロックやROCK IN JAPAN FESTIVALなど、日本人バンドメインのとっつきやすいフェスをモデルにされている一方、小さなフェスに拗らせ男子が好きそうなマニアックさがあったり。日本のフェス、数も種類も豊かになったのだなぁと、しみじみさせられます。 登場するバンドの、ジャンルや音色はほぼ描かれません。「音楽」ではなく、ジャンルや好みを超えた祝祭空間……あらゆるパーリィピーポー(party people)に開かれた「フェス」を描く事が主目的なのだと思います。 初心者・玄人それぞれの楽しみ方、ライブアクトで盛り上がった後ひとり余韻を楽しむ感じ、そして特にアウトドア趣味の方がフェスに行きたくなるような内容、ファッションや細かな持ち物まで、フェスのリアルと楽しさをこれでもかと描いた作品。 そしてフェスの無い日常を、フェスを目指して生きるパーリィピーポー達の物語を描き、厚みのある内容の全5巻!完結してしまった、中野への想いが溢れた現実のようなファンタジー中野ブギウギ 研そうげんさいろく不思議な生き物オメメ。 どう見ても地球外生命体…!こりゃ地球がヤバいぜ!中野発のインデペンデンス・デイか!という流れに行くかと思いきや馴染みすぎだろうがよ。。。 最高の中野愛が詰まった作品で、東京の高校生ってこうだったよな!っていうような弟や、アキバより中野の方が先なんだぜと言わさんばかりのアナーキーの下乳を眺めながら今日もみれいちゃんはなんとなくおとなになっていく。 すごく色々な感情も経験も感動も詰まったいい作品だった。<<7891011>>