ミステリーボニータの感想・レビュー109件<<12345>>善人堂と鬼善人堂と鬼 中川真琴名無し主人公が謝れないなら善人になればいいという発想が面白く、かわいい鬼とのやりとりも楽しかった!謝れないアルアルはリアルで心に刺さったし、センシティブな男心が再現されていて勉強になった!好き。ファンタジーの名手が描く新・平家物語神域のシャラソウジュ~少年平家物語~【電子特別版】 奈々巻かなこ兎来栄寿『イーフィの植物図鑑』の奈々巻かなこさんの最新作。平安時代末期を舞台に、ファンタジー要素を盛り込んで描かれる作品です。 NHK大河ドラマの『平清盛』では当時女子高生だった二階堂ふみさんが演じた平徳子、そして本作のオリジナル要素である平家に仕える神人(シンジン)の千珠丸を主人公に据えて、物語は展開されていきます。 神人とは人間には使えない神の如き力を使える者のことで、千珠丸は厳島大神から授かった平家の守り神とされていますが、読み進めると解ってくる神人の秘密と千珠丸の真実が見所の一つとなっています。 登場キャラクターとしては徳子の父親である清盛はもちろんですが、狂気を感じさせる後白河法皇がとても印象的です。史実としてもさまざまな逸話のある人物なので、今後も色々な意味で活躍しそうです。 一方で、徳子は真っ当な価値観を持って乱世を生きています。自分を守ってくれた千珠丸のことを私も守ってあげたい、と願う彼女はただ守られているだけのヒロインではありません。平家を背負って生きていくための強さと覚悟を幼い頃から感じさせてくれます。 なお私は魂の故郷が吉野山であることもあり、平家物語でも中心人物となる義経の描かれ方が気になるところです。徳子と義経が壇ノ浦の戦いの後に通じていたという俗説もあるらしく、この物語においては千珠丸との関係性とも合わせて動向が注目されます。 奈々巻さんは地元が屋島の古戦場があるところだそうで、思い入れたっぷりに描かれていることが見て取れます。現代でも身近に歴史の痕跡が多々残されており過去を想わせられるのが日本の面白いところですね。 歴史に興味がなくても楽しめると思いますが、改めて『平家物語』や歴史の教科書・参考書などと併読することでより楽しみを深められそうです。マンガでは『遮那王 義経』辺りと一緒に読むと面白いかもしれません。 ボニータ10月号の紙版と併せて買うことで描き下ろしの「平家物語ゆかりの地イラストマップ」をもらえる応募者全員サービスも行われていますので、普段は電子書籍派という方もお見逃しなく。楽しみな連載酒処 春來荘日乗 丸岡九蔵にったタイトルは「さかどころ はらいそにちじょう」と読みます。SFと居酒屋をかけ合わせた作品でして、サイバーパンクかつレトロな雰囲気があり、荒廃した世界でたくましく生きる人々による人情噺が特徴です。「陋巷酒家(うらまちさかば)」に近い世界観なので、あわせて陋巷〜を読むことで、より楽しめると思います。 https://mangahack.com/comics/7190不器用な主人公が面白い今日も私は私に呪いをかける カバネユエにった家の仕事が”呪い屋(まじないや)”だという女の子が主人公。悪い子ではないのだけど、やることなすこと空回りして対象に呪い?をかけてしまう体質らしい。この先の人生も苦労しそうだなぁ…と思わせる表情がいいですね。 孤独な女子大生と陰陽師が契約結婚?ぼんくら陰陽師の鬼嫁 秋田みやび 遠野由来子名無し京都を舞台に、ある日突然火事で家をなくした女子大生・芹が謎の陰陽師・北御門に出会い、衣食住を保証する代わりにかたちだけの婚姻を結ぶという、ちょっと怪しいラブコメという感じです。原作は小説なんですね。 芹は両親も亡くなっていて、親戚にも迷惑をかけたくないためにしかたなく契約結婚を承諾するのですが、はじめから式神の姿が見えたりと特殊な体質は花嫁としてふさわしく、孤独な身のため自分の居場所ができたことが思ったよりいい感じみたいです。鬼嫁というので怒りっぽい子かなと思ったけど聡明で性格良さそうな子です。 亀のまもりちゃんが非常にキュート。 というか陰陽師ってもとは国家公務員だったんだ…!いい話?怖い話??若菜町雑記 三枝陽子名無しなんとなーく読んでいたら最後に「えっ」という展開が。転校生と転入生が放課後に偶然出会う、という設定が特殊だったのでその可能性を想定してなかった… 短いけど印象に残る短編でした。不朽の伝奇アクション、続編新連載!炎の蜃気楼R 桑原水菜 浜田翔子名無し※ネタバレを含むクチコミです。 ゆる~~~いタピシエール 椅子張り職人ツバメさん 関根美有スイミーゆるくて優しいんですね絵もお話も。力が抜けるような癒やし漫画でした。 6話にでてくる猫が可愛すぎて悶絶するのでぜひ見てほしいです。 あと社長さんもびっくりするほど可愛くて、おじいさんってこんなに可愛く描けるんだなって感心しました。ほんのりロマンス・ミステリー漫画死者のささやき 森素子名無し親友の死をきっかけに、人より鼻が効く主人公の未央が死者が憑依する霊媒体質のカメラマン辻井と出会うところから物語が始まります。 両親が幼いころに亡くなっている辻井は、出会った頃は知り合いのカメラマンの男性と一緒に暮らしていたのですが、その男性とも離れて、自殺願望を持っている人間でした。 未央と出会ってから、辻井の秘密が少しずつ事件解決とともに明らかになり、2人の距離もどんどん近づいていくにつれめくる手が止まらなくなり、一気に読みました。 推理や考察が繰り広げられるほどではない、ほんのりミステリーが読みたい方におすすめしたい漫画です。これぞいま読むべき青春群像劇の代表作 #完結応援群青のアンサンブル~2年3組の生徒たち~ 遠野由来子nyae2巻で完結しているので、騙されたと思ってとにかく読んでみてください…とまずは言いたい。 これは恋愛のときめきを描いた青春というよりも、「自分らしさ」を見失わないように懸命に一瞬一瞬を謳歌する高校生たちの群像劇です。「自分らしさ」と一言でいうとなんだか薄っぺらい気がしてしまうのですが…。 例えば、あのときもっと信頼できる人が身近にいたら、もっと本心をさらけ出せていたら、好きなものを好きと言えていたら、人に合わせたり流されたりだけじゃない青春が送れたかもなあとか、そういう「あと一歩踏み出してればもう少し楽しかったかもしれない青春」に身に覚えがある人にとくに読んでほしい。 個人的な思い出でいうと、高校生活で出来た友人ほぼ全員と卒業式を境に一切の連絡を取らなくなり「そんなもんなの?」とちょっと思ったことがあります。当時は何も思わなかったんですが、今思えばどんだけ中身のない高校生活だったんだろうとゾッとすることもあります。なにかが違えば、そんな薄い関係の友達だけじゃなかったかもなーとか思ったりしましたね。 青春を描いたマンガは星の数ほどありますが、これはそのジャンルの中でももっと評価されるべきと思っています。 「捻くれた漫画しか読みたくねぇんだよ」という人にはオススメしませんが、それ以外の人にはオススメします。 特殊な体を持つ少年のひと夏の出会いの話人形青年と青い夏 こなしあかや名無し主人公の文目(あやめ)という少年は、球体関節人形のような体を持ち、そしておそらく年を取らない、もしくは年を取るのが異常に遅い、特殊な存在なんですが、この前後編のお話ではそこは深く掘り下げず、きっとそうなんだろうなという想像だけにとどまらせているところが印象深いです。 文目がとある夏の日に一人の少年に出会う話がメインですが、その少年も数年後再び大人になってから文目に再会したときには文目の姿はそのままであることに何も思ってない様子です。 これ書いててふと思ったんですが、もしかするとこのシリーズで以前も描いているのかもしれません。 いずれにしても、こうして設定の大事な部分を読者の想像に委ねているようなスタンスが新鮮で、文目のことをもっと知りたいなと思いました。ミステリー少女漫画の金字塔と言うだけのことはある!パズルゲーム☆ミステール 野間美由紀名無しミステリーボニータ新連載。調べた限りシリーズはかなりのもの。 たしかに金字塔と評するだけあって面白い。中身は少女漫画テイストな日常ミステリーものだが、1話で綺麗にまとまってるし、トリックもありがちながら分かりやすく、陳腐すぎない。めちゃくちゃ面白いかは別として、なんというか安心して見れる長期連載の貫禄のある一話だった九龍城砦のタピオカ屋さん #読切応援九龍城のタピオカマフィア おみおみ名無しまた連載化して欲しい読切です…! 九匹の龍が眠る九龍城砦で、タピオカドリンク店を始めるように言われるマフィアの七天と狗が主人公。マフィアが主役でありながらバイオレンス要素は一切なし。 そして、ほのぼのコメディとして読んでいると、この二人と龍の関係性が見えた瞬間、一気に世界観が広がり、いい意味でゾワッとします。読切で終わらせてしまうのは非常にもったいない。絵もきれいだし上手いです。 この作家さんは初めて知ったのですが、新人作家というわけではないみたいですね。 きっと他のマフィアのメンバーや、九匹の龍もいるはずなので、続編を読めることを願って全力応援します! 独特の緩さミラクれ! 微超能力部 藤田まる美名無しなんか微妙に懐かしい(?)緩さ具合のコメディ。中身は最新の時事ネタなんだけどね。 読まない時もあるけど、ないと寂しい感じ。姫君無頓着すぎる天上恋歌~金の皇女と火の薬師~【電子特別版】 青木朋名無し書き込みが丁寧な漫画。扉絵からしてすごいなぁと思ってた。前作は見てないけど、こう言う中国的な意匠を描くのが得意なのかな。内容は、頭ほあほあ田舎姫君にハラハラする話。でも姫君には不思議と好感がもてるし、花火師の胡散臭カッコいい感じでいい。ゆるりと見ていきたいメンタルにくるレベルの高いミステリ読切魔法は使えないから 臓内ニガツ名無し久しぶりにあった同級生の女の子と一緒に楽しいドライブ。……のはずが、ニュースを見ると、彼女は恋人をバラバラにして冷蔵庫にいれた容疑者だった。バレないように警察に向かいながら、彼は彼女と会話をしているうちに「あること」を思いだすーーという話。 「魔法も使えないから」という言い回しと使い所がとってもよかった。構成もうまく組み立てられていて、たのしかった JKドラゴンとドラヲタ王子の逃避行転生したらピンクドラゴン 浜田翔子774なろう原作の漫画(とくに「蜘蛛ですが、なにか?」を思わせる雰囲気。女子高生がドラゴンになっちゃって、ちょっと可愛らしいリアクションをとらせるところとかは相似している。ただ、長靴を履いた猫のケットシーとの出会いなど少し童話のような空気感は特殊で、結構面白いなと思った。伝統を知り、神を知り、日本食を知る咲良の居酒屋歳時奇 永久保貴一名無しタイトルのもととなった歳時記は「俳句の季題を分類して、解説を加え、例句を載せた書物」を表すもの。この物語はそれを参考するかのように、一月を一話の進行で、伝統行事を説明し、食に繋がる物語を描いた。 さらに「神々の集う居酒屋」という『奇』な舞台を設定。まさに『居酒屋歳時奇』というに相応しい。伝統に関するウンチクやクセのあるキャラクターなど楽しめる要素が多く、最後まで楽しめた。とてもいい作品 神人と人間の織り成す源平ファンタジー神域のシャラソウジュ~少年平家物語~【電子特別版】 奈々巻かなこ774主人公は平徳子。お転婆で可愛らしく描かれているので、歴史を知ってるとゲッとなるが、この世界には自然の力を操れる「神人」がいる。そのため、史実通りにいくのかファンタジーで歴史が変わるのか、予期できない。 まだ一話目なので展開は読めないが、絵は美麗だし、面白そう。期待。 童話のようなファンタジー竜のタクシー 黒丸恭介774童話のようなテイストの物語。竜馬という架空の生き物の造形が可愛い。話は普通だったけどいい雰囲気の世界観を作れる作家だなと思った。思考が読める×心理的瑕疵有り物件大家不動産の優良事故物件 マキノマキ774人のネガティブな思考が見える主人公と一癖ある『心理的瑕疵有り』の物件を扱う不動産屋の話。事故物件っていう題材自体がすでに面白い。物語もいい感じにトリックがあり、綺麗にまとまってて楽しかった。ゲンを担いで初登校おばけ銀杏とゲン担ぎ 雲田月子名無しゲンを担ぐって考え方が作品のテンポをよくしてた。話自体もはじめてのおつかいみたいなノリで面白かったし、山という舞台の個性が活きてて良い読切だった 吃音のひとのためのミヨリの森 小田ひで次影絵が趣味何をやっても、それなりに上手くできてしまうひとっていると思います。そう、たとえば、誰とでもで卒なくコミュニケーションをとることができたり、あるいは、そう、なんとなく漫画を描こうと思ったら、それらしいものが描けてしまったり。そういうふうに描かれた漫画には、それぞれに素晴らしいものがあったり、大したことのないものがあったりすることでしょう。それすなわち、世にあるほとんどの漫画のことです。なにか情熱のようなものがあるにせよ、ないにせよ、描けてしまえなければ漫画家にはなれませんからね。 そういうふうに描かれてしまった漫画のなかに、極稀に、なんだか異質なものの紛れ込んでいることがあります。そう、たとえば、小田ひで次の漫画とか。こういう言い方をするのは個人的にはあまり好ましくないんですけども、こう言うほかはなさそうなので、仕方なく漏らしてしまうと、わからないひとには多分一生かかってもわからないと思います。でも、わかるひとには1ページ目ですぐにわかってしまう。 吃音ってあるじゃないですか。口から上手く言葉を発せられないやつ。あれみたいなものなんです。ふつうになんとなく言葉を発せられるひとには、どうしてそこで吃ってしまうのか想像することもできないと思うんです。これはあくまでも比喩なので、もうすこし膨らませてみましょう。心の吃音というのもあると思います。表向きには平然を装っていても、心のなかでは何か釈然としないものがあって、ほとんどのひとには気づかれないけれど、気づいてしまうひとが極稀にいるといったような。 もう少し具体的に、小説の吃音という例を出してみましょう。学校の授業でも何でもいいです、小説を書く機会があったとしましょう。きっと、ほとんどのひとは、面白いか、面白くないかは別にして、それなりのものを書けてしまうと思うんです。ところが、極稀に、異質なものが紛れ込んでいる。ひとえに小説を書くといっても、まず人称をどうするか、という問題があります。私にするのか、僕にするのか、俺にするのか、彼にするのか、小林にするのか、Kにするのか、君にするのか、あなたにするのか、まあ、とにかく無数の選択肢があります。ほとんどのひとが、私が小林くんのことを好きになったのは~、とか、ある朝、小林が不可解な夢から目覚めると~、とか、何の躊躇いもなく語りを始めるのに対して、極稀に、そんな人称からしてすでに躓いているような異質な小説があります。書くうえでは人称はどうしても必要になってきますから、それらしく書かれてはいるものの、読むひとが読めば、その人称に吃りの生じているのがわかってしまう、そんな小説があるんです。 小説に吃音があるのなら、もちろん漫画にだって吃音はあります。そう、たとえば、小田ひで次の漫画は吃音のオンパレードと言ってもいいかもしれません。吃りながらも、どうにか粘り強く描いていこうとする姿勢がコマの端々に感じられるんです。そして、言わずもがな、ここに描かれるミヨリもまた吃音のひとですよね。どこへいても、なにをやっても、なにかこう、釈然としない。でも、それでも、どうにかやっていこうとする。だからこそ、そんなミヨリが何かを決意して行動に移すとき、携帯を川に落とすときでも、拳銃をぶっ放すときでも、私は魔女の孫よとしょうもない嘘をつくときでも、死ねえーーいとボールを投げるときでも、そんな時々に圧倒的なパワーを感じるんです。 わたしは、わたし自身が吃音のひとだからなのかもしれませんが、『ミヨリの森』のような吃音の漫画がとても好きです。 P.S. 作中にでてくる固有名詞の、黒田と大介は、やっぱり黒田硫黄と五十嵐大介のことなのでしょうか。政略結婚で嫁いだ先の王子の正体は…!?エイラと外つ国の王 びっけ名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<12345>>
主人公が謝れないなら善人になればいいという発想が面白く、かわいい鬼とのやりとりも楽しかった!謝れないアルアルはリアルで心に刺さったし、センシティブな男心が再現されていて勉強になった!好き。