ミステリーボニータの感想・レビュー100件謎のモフモフ病める惑星より愛をこめて 本田starstarstarstarstar_borderゆゆゆモフモフをみて癒やされるだけの漫画ではないのだけど。 作者さんの言葉が豊かなので、副作用の言葉が奪われた姿はとても滑稽に思えてしまう。 言葉が多くて人を傷つけるから、言葉を奪うのだろうか。 第一巻でトリくんが言ったことば。 「言葉は感情とか持ってない 言葉には意味しかない」 なのに、言葉を放つ人・受け取る人の感情が加わって、言葉は凶器になってしまう。 人類半数が気分障害の世界。 大きく祀られている謎の宗教。 今日も誰かが生きることを諦めて、いなくなる。 地球外の生き物に助けを求めるほどなのに、そんな世界で働く人達の言葉や感情はひどく乱れている。 赤の他人に対する思いやりが少ない。 思いやりを持てる人は早々に病んでしまうのかもしれない。 世界としては救われない、どうしようもない感じなのに、取り上げられる人々は前を向こうとしている。 そのギャップがまた良い。 謎のモフモフは私も欲しい。もふもふと心を病む人々病める惑星より愛をこめて 本田starstarstarstarstarNano完全にあらすじに惹かれてしまった。癒しもふもふと自殺が日常茶飯事な惑星…もふもふ欲しすぎる。 読む前はもふもふの雰囲気や単語のチョイスでそこまで話はきつくないのかなと思ったけど、かなりシリアスできっつい。貴彦もきついけどデモ隊が個人的に一番やばい。そんな貴彦から出たあの説得の言葉に泣きそうになりました。さらに陽介の愛っていうか八雲兄弟の愛がもうよすぎて泣く。 1話で心を鷲掴みにされてしまった…2話以降はころころ主人公が変わるのかな。どうかこの人たちみんなが穏やかに過ごせますように。そうなったら怖いけど、ならないとは限らない。病める惑星より愛をこめて 本田干し芋2巻読了。 病める人人の所に処方される、もふもふ。 本人が大丈夫と思っていても、もふもふの癒しを味わうと自覚することもある。 知らない間に、少しずつ病んでいくってそういうことかもしれない。 訳もなく涙が出たり、不安になったり、トラウマからどうしても抜けられなかったり、人それぞれ病む理由は違うけど、人類の半分以上が病んでいるっていう世界。 そして、自殺者が多くそれが日常化している世界。 もふもふを抱えながら生活している世界。 宗教に頼ってしまう世界。 想像するだけで怖いけど、徐々にそうなってしまうのではないかと予感できてしまう現実。絵を描きたい、稼ぎたい。いつか死ぬなら絵を売ってから ぱらりstarstarstarstarstarPom 芸術って奥深い。 当たり前に生活するために、お金が必要。 いやー、背筋がゾクゾクしました。 2巻まで読みましたが、ここからもっと話が大きく展開していくのではないかなと予想。 美術的な豆知識もちょこちょこ書いてあるので、勉強になる。(芸術に触れるのが好きな自分には、へぇ〜!が多かったです。) 透くんも、何となく裏がありそうだし、凪森くんと何かあったのかな? ざっくりとすぎますが、学べることが多そうな作品。 伏線がはられすぎて気になることが多いし、読み返す度に面白さが増す気がします。パトロンの関係性が好きなオタクへいつか死ぬなら絵を売ってから ぱらりstarstarstarstarstar寸々不器用すぎる男2人!! 人間そのものではなく才能に目が行ってしまう、お互いの力を必要とする運命力等、パトロンの関係性において魅力的な部分が詰まってて最高だ。 いにしえのギャグ漫画ノリをマッシュアップ☆Gペンマジック のぞみとかなえ 崇山祟starstarstarstarstarかしこぶっとびハイテンション・ギャグ・少女漫画でござーい☆漫画家に憧れ〜るGirlsが熱いパッションをGペンに込めてお送りするのら!ほとばしる薔薇とインクの香りをご堪能あれ♫ ノリとしては上記のような感じですが、内容はこれ描いて死ねと同じくらい漫画愛を感じる作品です。巻末の関係者によるトークを読んで祟山祟さんがパルコが配布していたフリーペーパー「GOMES」出身だと知りました。いにしえのギャグ漫画のノリをこんな風に新鮮なものとして令和に表現できるのは卓越したセンスの持ち主だからだよな〜。もっと早くから祟山さんの漫画を読んでおけばよかったです。待望の単行本化! 熱いし厚い!! #1巻応援Gペンマジック のぞみとかなえ 崇山祟starstarstarstarstar兎来栄寿鬼才はいる。悔しいが。 崇山祟さんの作品を読むと、そんな風に感じてしまいます。 『ミステリーボニータ』で2020年〜2022年にかけて連載されていた怪作が、待ちに待った単行本化を果たしました。2年分の連載が1冊にまとまっており、400ページを超えるボリュームとなっています。 古き良き筆致と世界観で描かれるのは、一言で表せば少女たちの「まんが道」。 ただ、一線を画しているのは全編にわたる超絶ハイテンションかつシュールな怒涛のギャグ。試しに1話を読んでみてください。何十箇所ツッコミどころが出てくるでしょうか。 圧倒的にパワフルなギャグが前面に出ていて意識しにくいですが、全体を通して描かれるひとつの物語は構成的にもしっかりしており最終話まで読み終えたときの満足度もとても高いです。 何より、根底に流れる熱いマンガ文化への愛とリスペクトが最高です。たとえば、神やA先生やF先生もデビューにあたって描いていた4コママンガについてであったり、原初のSFマンガについてだったり、あるいは神が手がけていた自由な表現を模索した某マンガ雑誌だったり……。 また、主人公たちがSFマンガを描いたら「もっと女性らしい表現をすべき」と審査員に言われるところなどかつての時代性に対する批評的な部分も見受けられます。加えて、自らが表現者となる道だけではなく誰かを支えることの方が生きる道となることもあり、それはそれで素晴らしいことなのだという肯定なども込められており、さまざまな目線で読める作品です。 マンガを通して共通の感動体験をし、絆が生まれる様。 マンガに対する飽くなき愛と情熱。 共に苦労を乗り越えてひとつの作品を創ること。 マンガを超えて何かに夢中になることの素晴らしさ。 何より楽しむということの大切さ。 マンガを愛する人には必ず響くであろう物語です。マンガって、本当にいいものですね。 細かい好きポイントは数限りないですが、一部を抜粋します。 ・吉良星子 ・ブルボンが作っていそうな名作お菓子ロマンロール ・ナイスヤング ・学校のインサート背景でずっと出てくる謎生物 ・月を背にした跳躍 ・ちくわぶともちきんちゃく弁当 ・死 イマージュ ・Gペンはふたりの聖剣(エクスカリバー)!! ・P100の吉良星子 ・アダルティーに乾杯(チアーズ) ・どんぐり食べますか? 元気出ますよ ・イノシシの毛皮で作った服 ・Doki Mune ・おたより募集コメントなんだこの最高な漫画は…Gペンマジック のぞみとかなえ 崇山祟名無し冒頭に出てくるボブヘアの少女・かなえは早々に脇役のような立ち位置になってしまう。主人公は一体誰なんだ?なんて愚問中の愚問。そんなこと気にしてたらこの漫画は楽しめない(と思います)。 五嵐先生も登場するなり「フリーダム感覚なクラスにしちゃうぞーーー!!」と言っておいて漫画を読む生徒に対して普通に怒るし(個人的に「みんなヤングしてる〜〜!?」は使ってみたい)。 単行本になるまでは続いて欲しい。奴隷少女リタのビルドゥングスロマンバットゥータ先生のグルメアンナイト 亀starstarstarstarstar見切り発車P元ネタはイブン・バットゥータの旅行記だけど基本的に奴隷少女リタの視点で描かれる。 リタはまだ卑屈で言葉を覚えたのも「弱いから」だとかいうありさまだが、今後成長していきそうな雰囲気。 奴隷が出てくる漫画はけっこうある( ヴィンランド・サガ みたいに途中で奴隷になったり、異世界ものに仲間として登場したり )が、リアル寄りの世界観で奴隷を主役にするのはたぶん珍しい。今後に期待大。 絵はけっこう上手いと思うんだが、なぜか地味で雑な感じになってしまう…天才ってこんな感じなんだろうなアナトミア―解剖してわかったことだが、人間は必ず死ぬようにできている― 高城玲starstarstarstarstaralankマンガ沼で紹介されているのをきっかけに読み始め。とっても面白い。定説に対する挑戦や、可能性にかける勇気、情熱。テーマが非常に刺さりました。おすすめ!オチが良かったポエ子、詠います! 北村リツキ名無し正反対なのに反発しあわずにお互いを認めて仲がいい関係性がとてもいい。オチが好きだった。こう言ってはなんだがユコとマコ 尾花せいご名無しふたりの恋は実らずに終わってしまったけど、勢いで同時に告白なんかせずにもっと大切に店長さんとの関係を築いていけば違う結果が待っていたかもしれないのにと思ってしまった。オチとして店長さんがめっちゃ性格悪いとかならいいんだけど普通にいい人だったし勿体なかったな。悪魔と幼児の組み合わせにハズレなし悪魔とハッピーバースデー もちよし名無しひとり寂しい誕生日を過ごしていた幼女のもとに現れた悪魔。寿命と引き換えに彼女が願ったことは、「誕生日を祝ってもらうこと」。こんなに幼いのにこんなにやることなすことツイてない子おるん…?ってかんじでとにかく不憫。悪魔も悪魔でこんな幼児から奪える寿命なんてたかが知れてるのに付き合ってあげる優しさ。終始ほっこりでした。癖つよ学者と奴隷少女の美食旅バットゥータ先生のグルメアンナイト 亀名無し若い地理学者のバットゥータに買われた奴隷少女・リタは、バットゥータの「命がけで旅をしたい」という謎の目的に付き合わされながら、今まで食べたことのないグルメに出会っていくという話。いい感じにコメディなので読みやすいのと、2人の絶妙な関係性と会話が面白くてクセになります。将来もっと話題になるいつか死ぬなら絵を売ってから ぱらり名無し発売から遅れて1巻を読みました。この作品必ずもっともっと話題になります。 そのくらい面白くそして新しい、令和に始まった令和の漫画。 もっと有名になった時に古参がいた証の一人として、このクチコミを残しておきます。アナトミアアナトミア―解剖してわかったことだが、人間は必ず死ぬようにできている― 高城玲おかちちゃんマンバの口コミを見て読みました。 中世ヨーロッパを舞台にした、とてもスケールな大きな作品です。 この先、どのような展開になっていくか楽しみです。命を賭した真理の探究物語 #1巻応援アナトミア―解剖してわかったことだが、人間は必ず死ぬようにできている― 高城玲兎来栄寿「スペクタクル・ルネサンス人体解剖(アナトミカル)ロマン」と、なかなかすごい公称が銘打たれた作品。 今でこそ社会的地位の高い医者という職業ですが、理髪外科医の主人公・トトを通して往時の身分の低かった医者のありようを読んで学べる物語です。 多くの人は、医療といえばイメージとして科学的なものを想像するかもしれません。しかし、いわゆるEBM(Evidence-based Medicine:根拠に基づく医学)のようなものが普及してきたのはつい最近のこと。100年も遡らなくとも、世界ではロボトミー手術が行われそれに対してノーベル医学賞が与えられてきたわけです。 それより更に昔の中世において、宗教的な価値観が非常に強かったころには、とんでもない誤解に基づく治療が罷り通っていました。その実例である「瀉血」と「焼灼」の凄惨な様子は、試し読みできる第1話から描かれます。 宗教的な価値観が非常に強い時代背景の中で、常識を超えて圧倒的な正義のようにされている事柄に対して疑いを持ち果敢に挑んでいく様は『チ。ー地球の運動についてー』を髣髴とさせます。 ″「でも」「もしかして」は「可能性」だ!!″ と、真理を探究していくトトや、彼の協力者となるレオナルド・ダ・ヴィンチの狂気じみた熱量が読んでいて快感です。 高城玲さんはこれまでに何篇か短編も描かれていてそれぞれに魅力的でしたが、連載でも遺憾なくパワーを発揮されていると感じます。本作の続きと共に、短編集の発売も楽しみにしたいです。主人公は65歳海が走るエンドロール たらちねジョンユーカリ今まで読んだ漫画遍歴で、最高齢の主人公。 でもそんなことは関係なく、いくつになっても、いつになっても。夢をあきらめない主人公に心動かされました。かかわる人に心が揺さぶられることも素敵だなあって思います。 時間をどう捉えるかを年代を比較して、好きなことに対する熱を冷静に燃やしていて、引き込まれます。おすすめです。他人だから色々話せるんだと聞いた西荻窪 三ツ星洋酒堂 浅井西starstarstarstarstar_borderゆゆゆ一巻が発売されてから読んで、あらおもしろいじゃないと思ったら、これも実写ドラマ化とのこと。 流石に早すぎませんかね、ドラマ化ありきの漫画だったんですかねと、気持ちが少しゲンナリした。 とはいえ。 ゲンナリしたものの、原作はおもしろい。 うまくいえない気持ちのとき、慰めてくれるというか、すくい上げてくれるというか。 バーというか、バーテンさんというか、そういう良いところが描かれていて、とても好きだ。 また、以前読んだときは、缶詰をオプションとして処理していたんだろう。 久々に読み直して、缶詰を調理して出すバーだったかとびっくりした。 高級缶詰に手を加えてこんな出し方をしていたら、一品おいくらなんだろう。 西荻窪とあるが、高級なエリアなんだろうか。 私が寄ったらちょいと一杯のはずが、すっきりした気持ちと寒々しい財布で出なければいけないのでは。 読み直したら、今度は変な考えが生まれてしまった。 え、かんづめ?と一瞬思うものの楽しめる作品。ハートフルでしかない空を駆ける郵便屋 さかさかな名無し短いけどいい話だった〜かわいい兄弟…ヤクザ顔の男が出会ったのは、ヤクザ大好き外国人女性解島組・広緒の受難〜じつはヤクザじゃありません!〜 山本さや夏名無し強面でヤクザに間違われて怖がられる生活を送っている男が、ナンパで困っている外国人女性を助けると、逃げられるかと思いきや彼女は日本のヤクザが大好きで…という話。彼女をがっかりさせないために職場の人を巻き込んでヤクザのふりをするけど…最後はほっこりなラスト。職場の人達もみんなもれなく強面で、怖がられあるあるを言い合っているところがおもしろかったです。いい話地獄の沙汰も犬次第 國立アルバ名無し地獄の番犬ケルベロスが地獄から逃げ出した魂を追いかけて回収する話。軽犯罪を繰り返し事故で死亡した男の魂は、何のために脱獄したのか?その理由は以外なもので…内容もいい話だったし最後の「罪は消えない、でも善行だって永遠」というコメントがいいな〜と思いました高階良子『漫画家引退作』新連載!70年目の告白~毒とペン~ 高階良子名無しミステリーコミックのレジェンドである高階良子の自叙伝的新連載。 冒頭、母親を看取った高階先生の心に、悲しみや寂しさは微塵もなく、むしろ二度と起き上がってこないことに安堵を覚えていた。 なぜそのようになったのか。時間は高階先生が生まれた頃に、本人の意識と一緒にさかのぼり、自身の壮絶な人生を傍から眺めるかたちで振り返ります。 まず幼少期というのが、傲慢な母親による数々の虐待を受けることがほとんどで、心も体も傷つき続けるものでした。 そんな彼女がペンを握るときはどのようにしてくるのか。 少なくとも1話では終始母親によるひどい仕打ちがメインに描かれておりとても読むのがつらいですが、いずれ漫画家としてのし上がっていく勇姿をこの連載をとおして見つめたい。 しかも漫画家引退作とのこと。気合が違うのではないでしょうか!表紙の絵のタッチから惹かれるものがあった!海が走るエンドロール たらちねジョンstarstarstarstarstarこめつぶ※ネタバレを含むクチコミです。<<12345>>