私が15歳ではなくなっても。【単行本版】
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あらすじ

娘に疎まれ、妻には責め立てられながらも中年サラリーマン・岩下は抑圧された日々を「父として」「夫として」慎ましく生きていた。少なくとも、ある日彼の目前に突如現れたパパ活少女・シイナと出会うまでは――。自分の価値を探し求める15歳の少女と、理性と欲望の狭間でもがく40歳中年男の痛々しくも眩い、小さな逃避行の物語。【※この作品は話売り「私が15歳ではなくなっても。」の単行本版です】 【収録内容】 「私が15歳ではなくなっても。」第1話~第8話 「私が15歳ではなくなっても。」単行本新規描き下ろし 6ページ

中年男性とパパ活少女、それぞれの絶望 #1巻応援

今とても熱いレーベルのひとつであるコミックアウルから、新進気鋭の才能により放たれた鋭利なる一撃。 「これが令和の『罪と罰』だ!!!」と帯に銘打たれていますが、読んでいる時の常在的な息苦しさはまさにドストエフスキー作品を読んでいる時のそれです。 「中年になっても性欲はみじめに残る  俺は生きているだけで害悪だろうか」 と吐露する40歳中年男性がこの物語の主人公です。幼い頃は「お父さんみたいな人と結婚したい」と自分を慕ってくれた娘が思春期になると自分を汚物のように嫌悪してくるようになり、奔放に浪費する妻を尻目に辛い労働に勤しむ日々。 ぱっと見は普通の中年男性なのですが、娘のブラジャーを見て劣情を催したり、醜く毛が突き出た自分の手指を見て「俺 指も汚な…」と自己嫌悪を深めるシーンなどディティールの積み重ねによる絶望感が利いてきます。 父としても夫としても自分の存在意義に悩む主人公は、ある日15歳の訳ありパパ活少女と遭遇します。彼女もまた、とある事件とそれに起因する鬱屈した日常を送る人間でした。若い身体に価値がある内に小銭を稼いで海の見える遠い町で花屋を営み穏やかに生きて死にたい、と願う少女。二人の歪みが重なり合うことで生じる奇矯な関係性から、物語は駆動していきます。 とにかく本作はさまざまなシーンでの表現力と迫力が見どころです。全力の嫌悪感や全力の絶望感、背徳感と欲求との鬩ぎ合いが、叩き付けるような描写によって暴力的に繰り出され続けていきます。ひたすら辛いのに、ある種の疾走感すら覚えるほどです。 表紙のかわいい女の子からは想像しにくいかもしれませんが、読感としてはビーム系の作品に近いです。かわいい女の子を描けるからこそのギャップが非常に活きていると言えるでしょう。 闇の深い物語を好きな方には強く推します。

兎来栄寿
兎来栄寿
サチある道々~私をいらない両親へ【電子単行本版】
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あらすじ

「おい、出てけ」横暴な父親に家を追い出された少女、サチ。行くあてと言えば、かつてサチを捨てた母の家しかなかった。しかしそこで出会ったのは母ではなく、水商売をしている母の客・コジローだった。二人は、母が金庫に貯め込んでいた数百万の大金を発見する。――このお金があれば、大好きなおじいちゃんのところまで行ける…――そう考えたサチは、コジローに懇願する。「このお金は全部あげる。私を長野まで連れて逃げて!」 【※この作品は話売り「サチある道々~私をいらない両親へ」の電子単行本版です】 【収録内容】 「サチある道々~私をいらない両親へ」第1話~第5話

失った幸を取り戻すつながりの物語 #完結応援

『トランスルーセント~彼女は半透明~』に出逢って以来、大好きな岡本一広さんの最新作です。今も変わらず本当に素晴らしいマンガをお描きになっていて、胸が一杯になります。 岡本一広さんが描く痛み、そしてそれを包み込むような優しい温かみは必ずこの世界に生きる誰かの救いとなることでしょう。 母親に捨てられ、父親と暮らしているもののその父親もクズの極みで11歳のサチが家から放り出されるところから始まるこの物語。日々まともにご飯を食べることもできず、お風呂にも入れず、髪も爪もボロボロ。たくさんの否定や拒絶を受けてきてトラウマも抱え十円ハゲもある、およそ現代日本で多くの子どもたちが普通に与えられているものを与えられずに育った少女が本作の主人公です。 行くところのないサチはとりあえず母・スミレの家に行きますが、そこにスミレはおらず代わりにやってきたのがスミレを慕う鍵職人の男コジロー。サチは、コジローの車で長野に住む祖父母の家を目指す旅をふたりで始めていきます。 行く先々でいろいろな人々に出逢い、優しさや悲しみに触れていくさまはロードムービー感もあります。それぞれの出逢いと別れの中にもたっぷりとドラマが詰まっており、各エピソードに味わい深い良さがあります。 そうした良さもある上で、この物語の根幹にあるのは家族を中心とした人と人との繋がりです。 コジローもコジローで幼くして母親を亡くしており仕事で家にいない父親の代わりに歳の離れた姉が親代わりであったという生い立ちで、 ″死んだお母ちゃんがよう言うとった さみしいとか悲しいとか苦しいとか どうしようもないイヤなことがあってもな 「楽しいこと」が埋めてくれる せやきコジロー楽しいことをたくさんしい 「楽しいこと」がお前を助けてくれるんよ″ という姉から受けた言葉、それにまつわるエピソードなどはグッときます。普段は人にバカにされてばかりだけれど、そんな自分をバカにしないスミレが好きであるという人間的な部分も魅力的です。 そして、他の多くの物語だと毒親という類型的なキャラクターとして片付けられていそうな母親のスミレも彼女がどのようにして育ってきたのか、どのような家族との関わりを通して今のようになるに至ったのかが詳らかに描かれます。継母との関係が上手くいかず、 ″あたしには母親のお手本がなかった″ と語るスミレ。本当は子供を愛してあげたい、でも上手く愛せないしそのやり方を知らない。そんなスミレの苦悩もまた感じ入るところや考えさせられる部分が多分にあります。そしてまたスミレの継母の方の気持ちもとても解るように描かれているのが巧いです。 そうした彼らの、儚くも貴い結びつき。サチが好きな祖父の ″人間はよいろんな人と関わるけどよ 大切に思う人とは心の底でちゃんと手を繋いで つながっていればな 実際には離れたとこにおったとしても へいちゃらでおれるよ つながり方が大事なんだに″ という素晴らしいセリフにすべて集約されています。みんなそれぞれどこかしらが欠けてしまっている登場人物たちが、辛いものを乗り越えながら少しずつ繋がって生み出していく温かなもの、失ったものを取り戻していく素晴らしさ。 たくさんのそこに体温と心臓の鼓動と息遣いがあるのを感じられる人間たちと、その複雑でかけがえない繋がりが描かれている秀逸な作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿
ニューノーマル【単行本版】
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あらすじ

「僕たちが生まれる少し前、ひとつの感染症が世界を変えた」――マスクで口元を隠すことが当たり前の日常となった近未来。世界流行<パンデミック>前の時代に思いを馳せる夏木とクラスメイトの秦は、ふとしたことから小さな秘密を共有する仲になり……。「新しい日常」の世界を生きる二人の「新しい非日常」の物語が、動き出す! 【※この作品は話売り「ニューノーマル」の単行本版です】 【収録内容】 「ニューノーマル」第1話~第7話 「ニューノーマル」第0.5話 (単行本新規描き下ろし 8ページ)

マスクが"常識"となった世界の少年少女の物語 #1巻応援

この作品の舞台は"ある感染症"のパンデミックにより、人前でマスクをすることが常識であり文化となった世界。 そんな新しい価値観が広まった世界における思春期の少年少女を描く作品です 「マスクの着用が普通になる」という、現実に近い設定の作品のように視えるのですが、この作品が現実と大きく異なるのは、公共の場でマスクをすることが感染症対策という目的を越えた"常識"となっていること。 つまりマスクはほとんど衣服と同様の扱いになっていて、「マスクをしない時代」を知らない思春期の少年少女にとってはマスクの下の鼻や口を見られることは"恥ずかしいこと"なのです。 ただ、衣服と違ってマスクは食事のときなどには外す動作が必要なため、日常生活の中でマスクの下を見られる隙が生じるということ。 この作品では「マスクを外した状態の顔を見られる」という私達にとっては普通の出来事が、登場人物にとって極めて衝撃的でビビッドな瞬間として描かれています。 この作品は"マスクが常識となった世界"という設定で現代の情勢をSF的に組み込みつつ、その中で生きる思春期の少年少女を瑞々しく描いている、設定の新しさと思春期という普遍的なテーマの両方を兼ね備えた作品です。 1巻まで読了

sogor25
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ぼくらの死体解体クラブ
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あらすじ

芦野正樹(あしの・まさき)、遠野誠也(とおの・せいや)、成瀬二葉(なるせ・ふたば)は仲良し3人組。眩しく甘酸っぱい高校生活を送っていた。大学受験をしたくない正樹は、学校推薦を得るために頭を抱えていると、二葉からある計画を提案される。それは、万引き犯を捕まえ表彰されることだった。ただ捕まえるはずが、事件は思わぬ方向に動いていく。それをきっかけに死体解体・薬物・殺人など3人は闇組織に飲まれていきーーー!?

思い立ったが、推し活
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あらすじ

滝本秀実(たきもとひでみ)70歳。去年妻に先立たれ、長年勤めた仕事も先月退職。これからは何にも縛られず、独り自由に暮らしていこうと思っていたのだが――「何もやりたいことがない…?」 そんな時、孫だと名乗る謎の男・凛音(りお)がやってきて… 突然始まった孫との二人暮らし。しかも、その正体は…メンズ地下アイドル!? 自分の常識とは違う生き方をする凛音に戸惑うばかりの秀実。孤独な老人と、夢に向かうアイドルの卵の共同生活はいかに…! 70歳、奇想天外なセカンドライフが始まる――!

制裁クラス
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あらすじ

「クズ生徒による虐め」「被害者の自殺」「教員の退職」現代日本の教育制度はまさに崩壊寸前…!! そんな学校教育を立て直す為、日本政府は『特別なライセンス』を発行。クズどもへの制裁行為が許される特別な教員を誕生させた。物語の舞台は、問題児が通う私立高校。教員・朝賀伊吹(あさかいぶき)は、赴任した初日からクズ生徒から手厚い洗礼を受ける。好き勝手に暴れるクズたちに、朝賀は “制裁” という名の正義の鉄槌を振り下ろす―――!!

オンナムラ
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モニターツアーに誘われ、片田舎の村にやって来た女子大学生のあい、麗華、良子。そこは「女和村(オンナムラ)」と呼ばれ、はるか昔からある“商品”の売買で繁栄した恐ろしい村だった。旅行の最終日に催される祭儀が近づくにつれ、あいは村の異常性に気付いていく。「オンナ…オンナ…オンナ」あいたちは不気味な村人たちから逃げられるのか…!

三十路を越えたおっさんの気ままな異世界スローライフ。
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あらすじ

桂城惣二郎(享年38)、病死したはずが異世界へ!? 根っからの不幸体質、おまけに女性経験ナシの惣二郎に同情した女神様が、転生前に加護を授けてくれることに。「特別な力はいらないから健康な体が欲しい」と望んだところ、授かったのは2つの加護【不死】と【強靭な顎】。えっ? それってチート能力ですよね? 天災級のモンスターに襲われたり、ギルドで輩に絡まれたり...とにかく不運、だけどチートなおっさんの冒険が始まるーー!!

生贄の村
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あらすじ

「神社に近づいてはいけません! 無事にこの村から出たければ…!」――守矢灯(もりや・とう)は幸せの絶頂だった。恋人のかすみがプロポーズを受け入れてくれたのだ。しかしその日を境に、かすみは姿を消した…「実家の叔母と姉に承諾をもらってくる」と言い残して。かすみの行方を追い、灯は乙裁村(おとたちむら)を訪れる。そこは、古くから領主一族が支配する閉鎖的な村だった。灯に不審な目を向ける村人たち、物憂げな表情を浮かべるかすみの姉・椿、得体のしれないモノを祀る神社。この村は何かを隠している…? 25年に一度の祭りを間近に控えた朝、ある村人の変死体が発見されて――!

復讐の魔女
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あらすじ

「私は逃げたりなんかしない。奴らにあの時の復讐をする――!」あの日、突然家族の平和が壊された。獣のような男たちによって…。娘の目の前で父が殺され、母は自我を失った。それから12年後――復讐を誓った娘は【村国涼子】と名前を変え、人を殺す術を身につけて、再び男たちの前に現れる。かつて自分から両親を奪った奴らを地獄へ送るために…!!

アングリー・ベア~悪徳サークル熊害事件~
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あらすじ

北海道へ旅行にやって来た大学生7人組。主人公の森下登(もりしたのぼる)は、グループの中で陰湿ないじめを受けていた。だんだんエスカレートしていく暴力。登が限界を感じたその時、冬眠から目覚めた巨大ヒグマが現れた……!! 恐怖のどん底に突き落とされるいじめっ子たち。狙われたら最後、怒り荒ぶるヒグマからは誰一人逃れられない!! 自然界から罰を下す爽快パニックホラー!!

母に愛されすぎて死にたい
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あらすじ

「彼とお母さんを二人きりにしちゃだめだ…」―――大学生の上村リオは、過保護な愛情を向けてくる母親に洗脳されて育ってきた。母が正しく、自分は間違っている。そう思っていたリオにある日、彼氏ができる。母に言われるがまま、彼氏を家に連れて来ることになったリオ。すると普段から美しい母が、いつもより入念にメイクし、胸元の開いた服を着ていて……!? 歪んだ母性が徐々に日常を崩壊させてゆくサイコ・サスペンス!!