エロティクスFの感想・レビュー64件サブカル系漫画の名作ライチ☆光クラブ 古屋兎丸starstarstarstarstar_border宮っしぃ普段サブカル系の漫画って読まないんですが、これは何故か惹かれる物があって読んでみました 工場が立ち並ぶ街で男子中学生たちは秘密基地で特別な機械を作っている 美しい少女を攫ったり、罰として腹を裂いたりなどなど、エロとグロの中でもしっかりと狂気が描かれているのがかなり心に刺さる漫画 少年から成長していく葛藤や、性の見方、狂気と猟奇的な要素など、独特な雰囲気と描かれ方をしていて、読んでいて引き込まれます サブカル系って手が出しにくいなって思ってましたが、これは最後までのめり込んで楽しめる名作でした たしかにこれは原作の舞台も見てみたいですね初中村先生ウツボラ 中村明日美子starstarstarstarstar_border酒チャビン中村先生のご芳名は知っていたのですが、BLの先生だと思っていたので、なかなか手に取る機会がなく、今回が初となりました。 まず思ったのが、話の完成度が高いです。ちょっとミステリものの感じがする不思議体験記です。BLとかって大体上下巻か1巻だと思うのですが、そのせいでしょうか、この話の完成度は、ちゃんと書く前から全部の話がまとまって書いてる感じだと思います。話を書いてるってことですね。 連載ものだとどうしてもやりながらみたいなところもあるので、そこはしょうがないのですが、これは連載ではなかったんですかね?? 改めてやっぱりわたしは話が好きだということがわかったので、こういう連載っぽくない数巻完結ものを今後しばらくは攻めていこうと思いました。 中村先生、気づかせて下すってありがとうございました。 本作は、面白い話が好きな方におすすめです。思ってたよりミステリーーウツボラ 中村明日美子starstarstarstarstarこめつぶ表紙買い。絵から漂う色香がすごい。 一番最初のページから引き込まれる 謎の死を遂げた朱と入れ替わるように、朱の双子の妹と名乗る桜が、作家の前に現れるも、彼女の正体は一切不明という凄く面白い展開。 2巻という短い巻数の中で驚くくらい物語が進み、後半の展開には鳥肌がたちました(笑) グロいブラッドハーレーの馬車 沙村広明名無しウシジマ君と同じで、救いようのない物語です。 そしてとてもグロいです。 残酷で救いのない話の連続なので、読む側の心のコンディションが良くないと闇落ちしてしまいそうです。 僕は、コロナ自粛期間中に読む事になり、感染の恐怖と外に出れず気分が落ちていた状態で読んだので、大きなダメージを受けました。 いい感じのおじ様たちがいっぱいリストランテ・パラディーゾ オノ・ナツメstarstarstarstar_borderstar_borderママ子若い男性のメガネ男子がもてはやされたけど、きれいな40から50ぐらいかなの紳士的なおじさまの老眼鏡もまた味があって好きです。 流石オノさんな感じの多様な色っぽい男性、スタッフたちに、読んでるこちらもメロメロ。いろいろあるかもしれないけど、一緒に働けるニコレッタ羨ましい!! 女性に対して一線引いた感じで距離で接してくるあたり、人生の重みを感じますね。 heaven or hell?ORderMeiDO オーダーメイド ancouナベテツ死後の世界というのは人類にとって永遠の謎であり、だからこそ様々なクリエイターが想像力を働かせ、個性が色濃く反映されるテーマだと思います。 死後、「扉」を開ける前にその人の望む服を仕立てる仕立屋達。彼ら自身はなぜ自分達がその役目を負っているのか、分かりません。ただ、現世に別れを告げる手伝いをするために。 扉の先に何があるのか、それは誰にも分かりません。彼ら自身もまた、自分の着る服を着るその日まで。掲載がエロティクス·エフだったのですが、タナトスが色濃く描かれた作品でした。 #マンバ読書会モリタと彩ちゃんのそれから待て!モリタ 松本藍かしこ「生きろ!モリタ」の続編です。ドMとドSで相性ぴったり!相思相愛?の2人の間に立ちはだかるは新たな壁は彩ちゃんの厳格なおじいちゃん。前作よりもコメディが強めでマニアックなエロさは弱まってますが、2人の幸せな行く末を拝めたので満足です。 天然ドS少女彩ちゃんが可愛い!生きろ!モリタ 松本藍かしこパートナー探しをしていたドMのモリタが出会ったのは16歳の彩ちゃん。でも彩ちゃんは生まれながらの天然ドSなので相性ピッタリ!というラブコメディーです。彩ちゃんがワクワクしながら楽しそうにモリタに痛いことして興奮している姿がとにかく可愛いです。彩ちゃんにフラれちゃう同級生の彼氏もいい奴だったのがよかった。嫌な気持ちに全くならないSM漫画でした!お砂糖とスパイスとすてきな何もかも彼女のカーブ ウラモトユウコ野愛女の子たちがとにかく可愛い。コンプレックスがあったり身勝手だったり思い込みが激しかったり、ごく普通に生きてるだけでとっても可愛い。 ポップでさらっと読めるのに、ふいにドキッとさせられる。押し付けがましいエロではなく、女体を消費するエゴでもなく、彼女という個人が持つパーツへの敬愛が感じられる。 彼女が持つまつ毛、脚、かたち……なるほどこれがフェティッシュか。 幽霊の二の腕が好きです。 服も化粧も脱ぎ捨てた銭湯の中って、いちばん匿名性が高いかもしれない。旦那さんの話がすごい!実録企画モノ 卯月妙子starstarstarstarstar_borderかしこマニアックなAVの撮影を仕事として楽しそうにしてるのが印象的でした(自分は漫画で読むだけでも結構キツかったので、元気な時に読むことをオススメします)。でもそんな卯月さんがエロに開眼したルーツが某少年漫画のハードコアやおい同人だったのはすごく意外でした。 エロ話の合間に息子さんとか旦那さんの話も出てくるんですが、特に最後の旦那さんの話がすごかったです(たまたまその日がクリスマスイブだったので、ものすごくタイミングがいい日に読んでしまったなと思いながら今クチコミを書いてます)。壮絶な内容なのにテンションが普段と変わらなくて、お互いに「いってきます」「いってらっしゃ〜い」で見送り合えるのがすごい。お似合いのカップルだったんですね。 性格も身長も正反対の2人幾百星霜 雁須磨子かしこ170センチの高身長がコンプレックスの敦子さんと、小柄だけど態度はでかい千賀子さんはひょんなことから親友になります。ノッポの敦子さんには子供の頃からの許嫁がいましたが、身長が高すぎるという理由で婚約破棄されてしまいます。面白半分の千賀子さんの提案で元許嫁の顔を見に行くと、敦子さんよりも随分と背は小さいけど優しそうな相手で、お祖母様が勝手に婚約破棄したけど、実は敦子さんのことを想い続けていたことが判明するのです…! 恋愛模様もストーリーの大事な要素ですが、基本はコメディです。元許嫁の美人姉は男装してカフェで給仕をしていたり、ベースボールをしたり、舞台が明治時代という設定が活かされまくりです。そこで性格も身長も正反対の女学生2人がワチャワチャするのがめっちゃ楽しい!特にいつも大人しい敦子さんが家ではお母さんに甘えてたり、意外とムッツリなところがあるのが私の好きなところです。紺野さんの手の上で遊ばせていただきます紺野さんと遊ぼう 安田弘之野愛何がおこるわけでもなく、ただそこに紺野さんがいるだけ。 微妙に変化する表情、意外と大胆な行動、大人しそうな女の子に見えるのに妙に艶めかしい。 シュールでバカバカしくてニヤニヤしながら読んでるのに、紺野さんの色気にやられてドキドキしちゃう。 耳のアップ、やかんと佇む姿、いろんなものの匂いを嗅ぐ姿、白い肌に浮かぶ静脈。 どれもこれも生々しい。とんでもなくエロい。 紺野さんと遊ぼうというより遊ばせていただいてるみたいな気持ちになりました。失われていく自分のお話U[ユー] 今日マチ子野愛理想の自分をつくるため、自分のコピーをつくりだす。 オリジナルが失われてコピーだけが残ったら、それは何になるのか。 引っ込み思案で恋愛に臆病な女子大生のユウ。大学でクローン技術を研究する彼女が、理想の自分のコピーロボットをつくるところから物語が始まります。 コピーのおかげで大好きな先生と付き合えることとなり、ユウとコピーに友情が芽生えていきますが…。 コピーがオリジナルよりも優れてしまったら、オリジナルはいらない? オリジナルが消えてしまったら、残されたのはコピー?オリジナル? 考えはじめるときりがない問いをふわふわと投げかけられて、自分の輪郭も揺らいでしまうような作品でした。 コピーの培養方法の描写が素晴らしいです。嘘をつくと地獄で舌を抜かれるという話を思い起こさせます。 ふんわりと残り続ける後味の悪さが最高でした。 人はそれを青春と呼ぶ純情バタフライ 熊鹿るり野愛生々しくて甘酸っぱくて、こんな日々のことをずるい大人たちは青春とか初恋とか言いたくなるんだよなあ、とたまらない気持ちになりました。 柔道部の少年少女たちの恋物語ではなく、あの子の匂い嗅ぎたいとかおっぱい触りたいとか、あいつをどうにかしてやりたいとか、馬鹿みたいで幼くて暴れ出しそうな劣情が爽やかに描かれています。 その渦中にいる少年少女たちにとってはちっともキラキラしていなくてドロドロした日々なんだろうけど、青春でしかないんですよね。性欲と恋心の区別もつかず、悩んだり暴走したりかっこつけてみたり。眩しいです。 タイトルにもなっているバタフライですが、汗の匂いの表現として登場するのが素晴らしいです。いつでも妄想にトリップできちゃう思春期のあの感じが伝わってきます。中学生の恋愛事情って・・・。スゴイ!!うみべの女の子 浅野いにおstarstarstarstarstar干し芋読んでいて、人に見られると本を閉じてしまいます。 そのくらい、性描写がスゴイです。 中学生ってこんなに・・・。 磯部君の家庭環境が複雑で、孤立してしまうのも分かる。 小梅は、好きだという気持ちをいつから感じ始めたのだろうか? もしかしたら、最初から感じていたのかも? そして、確信に変わった時には、相手が自分以外に好意を寄せていた。 このすれ違い感が、どうにももやもやします。 学校生活とプライベートを全く別人格で過ごす小梅も、将来スゴイ女性に成長しそうで怖い!! 沙村さんの画はロシアっぽい?!春風のスネグラチカ 沙村広明starstarstarstarstar干し芋登場人物の名前が難しい・・・。 ロシア人の名前は何でこんなに覚えずらいのか? でも、文末に登場人物の紹介がありますので、ご安心を。 ただ、ネタバレもありますので、必ず、読了後、読みましょう。 お話自体は、分かりやすいと思います。 内容は、最後まで読んでのお楽しみ♬ 魔女かわいい悪魔 志村貴子starstarstarstarstar干し芋きっと、志村貴子は、魔女が好きなんだ。 確かに、魔女がいたらいいこともたくさんあるけど、 どれが現実か分からなくなりそうだ。 因みに、私は見た目で魔女に似ているって言われるけど、 皆は、魔女に会ったことがあるのだろうか?やっぱり小田扉すげえと思わせる味わい深い短編集男ロワイヤル 小田扉starstarstarstarstarひさぴよ2002〜2003頃の複数の出版社で描いてた短編を集めた一冊。十種類近い雑誌の特色に合わせた作風になっていて、それぞれの違いが楽しめた。 例えばエロティクスFの短編では小田扉作品では貴重な(?)下ネタも見られる。 正直、小田扉ファン以外におすすめ出来る本かというと微妙だが、ファンならずとも、読んで損はないと言える良い短編があると思う。 その一つが「私のおじさん含み笑い」で、家出した少女が親戚の叔父の家に泊まるだけの話なのだが、今まで感じたことのない感情になれる非常に不思議なストーリーながらグッとくる話である。 もう一つ飛び抜けてよかったのでは「平介の思い出」。こちらもストーリーこそ素晴らしかったが、ページ数が短すぎ、あっさり終わってしまったのが勿体なかった。これらの短編を読むだけでも、小田扉という漫画家がいかにストーリーテラーとして優れているかを体感できる。美しい少年たちの秩序ライチ☆光クラブ 古屋兎丸野愛最初はエログロのインパクトに持っていかれたけれど、読み返すたびに「よくできてるなあ」と感心してしまいます。 ライチに美しいとは何かを教えるシーンがとても好きです。 知識や情報で教育しても理解できないのに、人間の心を与えた途端芽生える感覚。物語の主眼である「美しさ」とは実は曖昧なものなのでは?と気づかされます。 美しくありたい、特別でありたい、拒絶されたくない。 根底にあるものは理解できるだけに、人を殺さずに人を愛した上で貫けたらよかったのにね、と思ってしまいます。 王のように振る舞っているけれど、カノンに拒絶され「け…け…螢光中だからって馬鹿にするのか?」と狼狽えるゼラはちっぽけな少年のように見えました。 エログロ・耽美・サブカルといった見方をされることが多い作品なのかもしれませんが、寓話的な面も持ち合わせている作品だと思いました。 結末が二重にあるバベルの図書館 つばな名無しみんながつばな先生を面白いと言っている理由を今更ながら理解した。絵柄がほわ〜んとして可愛いので今まで食わず嫌いしてしまっていたが、そんな自分を恥じたい…!「バベルの図書館」は紙に書かれた文字なら何でも読み取ることが出来てしまう不思議な超能力を持った男の子と、この世ではない世界に憧れていて自分の想像の天使を信仰している女の子の話で、スラスラ読めるのにどんどん内容がダークになっていって、最終的には意外な結末にたどり着くのが面白かった。SFが好きな人、短編が好きな人にはもちろんだけど、ストーリーテーリングに興味がある人にぜひ読んでもらいたいと思いました。作者の私信が漫画になってるけどそれが一番よかった愛を喰らえ!! ルネッサンス吉田名無しルネッサンス吉田先生の代表作といえばこれなのかなと思って読んでみました。古い花街の風俗店で店長をしている百花の話が中心になっていますが、百花の祖母の若い頃の話だったり、百花の店で働いてる優美の話もあります。優美の話にはタイトルに「私信」と付け加えられていたり、優美がこの漫画を描いたというラストになっていたので、作者自身の体験がモチーフになっているのかなと思いましたが、どれくらいの割合で事実なのか創作なのかは分かりません…。でも私は優美の話が一番好きでした。恋の舞台裏は、みっともない。青い花 志村貴子あうしぃ@カワイイマンガ『青い花』の中で一番印象的な人、と問われると、私は実のところ、主人公の奥平あきら(あーちゃん)や幼馴染の万城目ふみ(ふみちゃん)よりも、ふみちゃんの先輩の杉本恭己を思ってしまう。 杉本先輩は所謂「王子様」。あらゆる女子の好意を一身に浴びる彼女は、ひと時ふみちゃんと付き合うものの、すぐに破局する。 彼女を印象付けるのは、完璧な仮面の裏に潜ませた、どうしようもなく幼い片想い。そのみっともなさは、美しい外面と落差がありすぎる……まるで派手な舞台と、その舞台裏の埃臭さのような。 舞台裏は暴かれてしまえば、表の煌びやかさを失わせる。しかしそれを観る事もまた、興味深い。舞台裏の必死さとツギハギな工夫、人間ドラマは、飾った美しさとはまた別な良さがある。 ◉◉◉◉◉ 演劇部の活動を通じて、しっかり者だがどこか幼いあーちゃんは、裏方からメインキャスト、部長として大きく成長し、幼さを捨てて変貌していく。一方ふみちゃんは、自分を振った先輩を叱り、あーちゃんに対する恋心から逃げないと覚悟する強さを得る。 しかしそんな二人の裏には、やはり美しくない物が隠される。 成長したあーちゃんだが依然恋心が分からず、それでもふみちゃんを傷つけたくなくて付き合う事に苦しむ。そしてふみちゃんは、この恋で傷ついてもいいと思いながら、いざ傷つくと泣いて執着する。 真摯で優しい二人の物語だが、決して美しい所ばかりでは無い。こうありたいと願う美しさの裏に、ままならなさと必死さを隠して、それはある時、ふと見えてしまう。しかしそんな彼女達の覚束なさを見る時、私は演劇公演の舞台裏を覗く様にドキドキし、剥き出しの心に同調する。うん、そういうこともあるよね、と。 心は不可解で、美しいのにみっともない。そう『青い花』は繰り返し描く。私はそんな美しさもみっともなさも、どうしようもなく好きなので、何度でも『青い花』を手にするのだ。 エクレアおじさんケーキを買いに 河内遙かしこ初めて読んだ時は「普通のエロじゃない!」「なんてハレンチなんだろう…」と思って続きを読めなかったくらいなのですが今はすごく好きです。エクレアおじさんが頭の中で何を想像していたっていいじゃないか…。個人的には河内遙先生の作品で一番好きな「関根くんの恋」のプロトタイプのような話も収録されていたのでテンション上がりました。それにしてもこれが初単行本とは驚きです。クォリティー高ぇ!ハズレなしの短編集革命家の午後 松本次郎名無し作者のやる気さえあればどれも連載化してほしいくらい面白い短編集だった。読んでる最中は、ひ弱で現代っ子な吸血鬼が主役の「竹山くんの日常」が読みやすくていいなと思ってたけど、読み終わって一番印象に残ってるのは「砂漠の魔女」かも。殺し屋に追われて瀕死の男が不思議な力がある魔女の糞尿を食べて生き延びようとする話で、糞尿を食べるとか普通だったら読みたくないけど松本次郎の絵柄だから読めちゃう。最後に収録されてた「雑兵敗走記」は見開きの合戦のシーンがすごかった。<<123>>
普段サブカル系の漫画って読まないんですが、これは何故か惹かれる物があって読んでみました 工場が立ち並ぶ街で男子中学生たちは秘密基地で特別な機械を作っている 美しい少女を攫ったり、罰として腹を裂いたりなどなど、エロとグロの中でもしっかりと狂気が描かれているのがかなり心に刺さる漫画 少年から成長していく葛藤や、性の見方、狂気と猟奇的な要素など、独特な雰囲気と描かれ方をしていて、読んでいて引き込まれます サブカル系って手が出しにくいなって思ってましたが、これは最後までのめり込んで楽しめる名作でした たしかにこれは原作の舞台も見てみたいですね