吉祥寺だけが住みたい街ですか?
住みたい街が増やせるかもしれない漫画
吉祥寺だけが住みたい街ですか? マキヒロチ
名無し
転勤族だったこともあり引っ越し経験は多いほう。 その経験から 「100%満足が行く引っ越しなんて狙って出来るものではない。  偶然に恵まれるか、時間と予算をものすごく費やすか、  住んでから少しづつ馴染むかならともかく。」 といった感想に至っている。 そもそも苦労して「実在するかわからない」存在の 最高の街や家を探し回るよりも 多少の不便や不満に我慢して生活するほうがラク。 そういう悲観的というか捻くれた引っ越し感の自分からしたら この漫画のストーリーはありえな過ぎてフィクション過ぎるが、 理想的でもあり楽しい話でもある。 たまたま立ち寄った町中の不動産屋。 従業員は小太り双子の女性。 物件に対する自分の希望は素直に聞いてくれるものの、 結局は条件を無視して拉致するがごとくに 違う町へと連れ去っていく。 しかしそこで紹介された街並みや物件は・・ 現実によくあるのは、物件の希望は聞いてくれるものの、 案内してくるのはどこか違う内容のものだったりとか。 それ自体は現実に希望に沿う物件がないのであれば しょうがないのだが、つまるところその結果、 聞く話はつまらなく、聞き終わって落胆しかなかったり。 ようするに不動産屋巡りって、色々な意味で 楽しくない、なかったというのが現実(私的な体験です)。 その点、この漫画の不動産屋、不動産巡りは 楽しくていいですね。うらやましい。 理想の物件を見つけたり、住みたいと思える街を 見つけることが出来た登場人物たちを見ると こちらまで楽しい気分になってしまう。 少しうらやんでもしまうけれど(笑) 題名にもある通り、この漫画は毎回、 吉祥寺に住みたい、吉祥寺ならば、と思って 吉祥寺の不動産屋に来店してくる人に 吉祥寺という条件を外すことで 安らげる家、楽しそうな街、新たな生活を 紹介・提案するのがパターン。 東京に住んだことが無い私からしたら 「東京って吉祥寺以外にもそんなにたくさんの  いい街があるの?」 とも思ってしまうが、それについては 東京ってそういう魅力的な街が (吉祥寺も含めて)沢山あるところだ、 と思いたい(笑)。
大家さん10年め。主婦がアパート3棟+家1戸!
御託はいいからやれ!という勢いを見習いたい
大家さん10年め。主婦がアパート3棟+家1戸! 東條さち子
六文銭
六文銭
読んで思ったのが、著者の勢いのすごさ。 不動産投資って聞くと、よくわからないのに、額が額なだけに尻込みしませんか? それなのに、この著者はすんごいです。 単純に 不労所得が欲しい  ↓ そうだ、マンション買おう って簡単なノリで始めます。 まず、ここがすごい。普通、こんな考えになりますかね? そんで、もっとすごいのは夫婦の背景。 主人公はマンガ家、旦那さんはタクシー運転手(しかも、本作中は免停で失業中・・・) ・・・失礼を承知でいうのですが、とても不動産投資できるような家計ではないと思うんですよ。 それでも、何が何でも実行にうつすんです。 そこが本当にすごい。 安定した収入があっても、数千万規模のローンなんか怖くて組めないのに、著者は数軒フルローンだったり、あまつさえキャッシングまでして(数十万の規模ですが)不動産に投資します。 この行動力というか決断力というかは、本当に感服します。 まぁ、当然、 不動産収入=ローン返済 となってしまっているようなので、 手元にはあまり残らず、額面上の収入だけが多いため、 税金が激しいという罠にハマってますが・・・ それでもすごいと思います。 不動産投資関連の活字本ありますが、そんなの何冊も読まずに本作1冊読めば全てわかります。 すなわち 御託はいいからとにかくやれ! 金かき集めてでもマンション買え! それを地で教えてくれた作品でした。 不動産投資に関わらず、あらゆることに通じる感じがしました。 絶対金持ちになる発想だよなと思ったら、 娘さんはインターナショナルスクール(学費でン百万)に通わせているようで、ついにセレブなったのかしら・・・。 そうだとしたら、またすんごいなぁ。
プリンセスメゾン
まず、絵で殺され、そして泣く。不思議な漫画
プリンセスメゾン 池辺葵
みこチャン
みこチャン
手にとる時、「表紙がかわいくてオシャレだな」というだけの理由をもちレジに持って行った。家に帰り珈琲なんぞを啜りながらシャレオツな漫画を嗜む私カコイイむき出しで読みだしたのだが、気づけば珈琲はいつの間にか冷めていたし、組んでいた足は解かれてあぐらをかいていたし、私の中のシャレオツな漫画を嗜むカコイイ私は死んでいた。 プリンセスメゾン。 家を買いたい女の子の話。だけじゃ、なかった。 これは作者の気まぐれですか?ってほど、ふ、とした拍子に「閑話休題!沼越ちゃん以外の女性の生活を垣間見てみよっか!」という回がたびたびあるんだが、私はその回のどれだったか今やわからないが、 女性が朝おきて、夜、ベッドで眠る。 というだけの描写にしか思えない回で、なぜか泣いてしまった。 なにがそんなに感動的だったのやら、言語化するには能力が足りないだけかもしれないが、とにかく 絵で殺され、そして泣いたのだ。 じわ、と滲むようにそれは広がり、幸せと寂しさのはざまにゆれるような、そういう不思議なきもちをくれた。 かなり売れて、確か実写化とかしてたけど、これは漫画、静止画でないと、そしてこの絵柄でなければ、出せないものが絶対にある、と思う。 池辺葵は他作品もステキに滲む作品ばかりなので、プリンセスメゾン以外もおすすめです。