介護マンガの感想・レビュー10件良い話だけではない、認知症介護のリアルも描く祖母の髪を切った日 しかばね先生六文銭自分もおばあちゃん子だっただけにタイトルだけでグッとくるものがあって読んだが、予想の斜めうえをいく展開で逆にそれが良かった。 シンプルに祖母との関係を描いた泣ける話かと思ったが、どっこい認知症になってしまった祖母の介護で精神すりへっていく苦悩も描いた作品でした。 主人公の幼少期の複雑な家庭環境、母親がおらず父親はいつもいないから、祖母に育てられたという状況も相まって、祖母への愛情と、認知症になったことで罵詈雑言を投げかけられ辛さの愛憎渦巻く感じがリアルだなと思った。 添付画像のように、介護に疲れた主人公が泣き言を吐くシーンも多々あり、人によっては嫌悪感を抱くかもしれないが、自分は共感できてしまった。 良いところばかり強調し表現されるよりも、誤魔化しがなくよっぽど良かった。実際は、こういうもんだと身につまされた。 認知症の祖母との生活や、幼少期の不幸話が多いので基本暗い展開が多いが、それでも読後感は不思議と悪くない作品でした。 死んだら思いでしかもっていけないと言われているのに、大事な人も思い出も忘れていく認知症が一番怖い病気だと改めて痛感した。とてもお勧めの作品です。ヘルプマン! くさか里樹starstarstarstarstar干し芋とにかく熱い男の百太郎の魅力満載の漫画。 勉強もできない、落ち着きもない、そんな百太郎が一緒に住んでいたチャキチャキのおばあちゃんが滑って転んで足を骨折して入院したところから、介護に興味を持ち、色んな老人と接して失敗しながらも、ヘルパーとして成長していく物語。 痴呆老人をいつしか人間として、家族として見ることができなくなった人達の目を覚まさせてくれる。 ただ、自宅での介護の現場は、頑張らなくてもいいと言われても頑張ってしまう、超高齢社会に向かっている日本は、今後どうなっていくのか・・・? 百太郎の言葉に涙が溢れる。 2巻読了。ヘルパー+ママ、奮闘する!新生ヘルプマンケアママ! くさか里樹名無しシングルマザーの主人公がヘルパーをやりつつ子育てをやるというなんとも大変そうな設定! シングルマザーとヘルパーの両立は可能なんでしょうか。 幼い子供を抱えてエロジジイのお世話をする主人公。 自分も解雇させられそうになりながら、ヘルパーとしても見捨てられそうになるおじいさんを助けたいと奮闘する。 主人公がとても頑張り屋気質で元気になります! 途中で登場する強面のレスラーもギャップがあってキャラが立っている。 気分落ちた時に読むべき漫画なのでは!母親を介護するということ精G 母と子の絆 ひさうちみちおかしこ認知症になった母親を介護する体験を描いたエッセイ漫画なのですが、作者がひさうちみちお先生なので随所に耽美なイラストが描かれているので、重い内容ですがリアリティがあり過ぎて読むのが辛いとは思わなかったです。超ネタバレになるから詳しくは書きませんが、母親の妄想だと思ったら本当だった出来事にマジでびっくりしました!事実は小説より奇なりってまさにこういうことだ。紙版だと林静一先生との「母親を介護すること」についての対談も収録されてました。これも読み応えがあって面白かったです。電子版にもあるのかな? 毒舌介護ロボット、ロボ子ロボ子ちゃんオーバーケア あらい・まりこnyae複雑な事情がありバラバラになりかけているとある家庭のもとに、やけに毒舌な介護ロボットがやってくることで知らず知らずのうちに問題を解決していく、コメディです。 「家族=血の繋がり」ではないというメッセージを込めたハートフルな展開も、一冊完結作品として完璧な締め方をしてますが、 なにより、所々に散りばめられたシュールなギャグが最高です。 いつ読んでも声を出して笑える抜群のセンスがあるのですが、悔やまれるのは作者のあらい・まりこ先生が現在活動してない(と思われる)こと。 こんな作家さんがいたということを可能な限り広めたい。高齢者介護施設を舞台にしたヒューマンドラマ虹色ケアハウス【限定エピソード付き】 ともびきまなつ名無しひょんなことがきっかけで、ケアハウスで高齢者のケアをすることになった青年の話。けっこう所々でキュンとしてしまいました。高齢者施設で働く人々のいろいろなドタバタが涙あり感動ありで勉強になります。内容は少し硬いですが、高齢者のこういった介護施設がますます増えていく中、介護業界を取り巻く環境を知るのに良いマンガかと。もしもかつての勇者たちを"介護"することになったら…どうする?ファンタジー老人ホームばるはら荘 岡村アユムsogor25かつて魔王との死闘を繰り広げた歴戦の勇者たち。その死闘から数十年、彼らも加齢という敵には抗うことができず、平和になった世の中でひっそりと余生を過ごしていた。そんな余生を過ごす家、特別養護老人ホーム「ばるはら荘」。 そこに職員として紛れ込んだ魔王の孫娘・マリー。彼女の目的は祖父の復讐、つまり年老いた勇者たちに自らの手で仇を打つこと。しかし彼女は知らなかった。勇者たちは年齢を重ねても現役時代と同様の魔力・戦闘力を保っていること、そしてそれにも拘らず、すでにボケが始まっていて時折能力を不用意に暴走させてしまうことを… という、剣と魔法の世界×老人ホームという異色の組み合わせの作品。ファンタジーの雰囲気を保ちながら実際にやってることは老人介護というアンバランスさ、そして勇者たちを介護するために集められた超有能な職員たちと、その辺の事情を全く知らずにノコノコと介護の現場という"戦場"に足を踏み入れてしまったマリーの振り回されっぷりがクセになる。現段階でもすごく面白いけど、今後の展開の仕方、それとマンガ読みの間での認知のされ方次第では「ダンジョン飯」になるポテンシャルを秘めている、そんな作品だと思ってます。 …というのが、この作品をファンタジーもしくはコメディとして見たときの感想。それに加えて私個人としては"介護を描く作品"としても非常に注目しています。 作品全体としては介護の対象が勇者たちなだけあって"異世界モノ"特有のフィクション性の高い設定も数多く見られますが、入居者に対する個々の介護の様子を見てみると、現実の介護にも当てはめられるような描写も多く見受けられます。 現実世界では"介護"もしくは"介護士"というと非常に厳しい環境に置かれており、半ば社会問題となりつつあるように思います。そんな介護の現場をリアルに描こうとすると、社会性が高くなる他方でエンタメ性を保てなくなり、敷居の高い作品となってしまうのではないでしょうか。 そんな中でこの作品は、ファンタジーとして作品のエンタメ性を確保しつつ、いずれは誰もが接することになるであろう"介護"という存在をよりポップに読者に伝える、そんな意図も隠されてるのでは、というの深読みしすぎでしょうか? いずれにせよ、コメディとしての面白さもあり、介護というものに気軽に触れることもでき、読んでいていろんなものを得られる作品であることは間違いないです。 1巻まで読了 漫画家が描くということ精G 母と子の絆 ひさうちみちお名無し※ネタバレを含むクチコミです。ウチとは違う、『人んちの介護』を知る一歩親の介護、はじまりました。 堀田あきお 堀田かよたか下巻まで読み終えたとき、上巻の序盤を読み直してみて、作者の母・トシ子さんがどれほど痩せたかに驚きました。 「骨折を機に徐々に細っていき、ヒゲが伸びる」という描写に、自分の祖母もそうだったな…と深く共感しました。 また読み進めるごとに、「これ以上痩せられないだろ」という想像を超えてやせ細っていくトシ子さんの姿を、可愛らしいデフォルメを残したまま各段階を描写しきったところが素晴らしいと思います。 作中で印象的だったのが、車椅子に乗った女学生の姿で若い施設のスタッフさんを探すトシ子さんと、怒りっぽくなったトシ子さんのことを「好きだ」という夫・あきおさんの言葉。 …思わず目にこみ上げてきました。 作中でも述べられていますが、母の介護だけでも大変なのに、「遠距、怒りやすく偏屈な父、ケアマネさんは新人」というのが作者の家の『介護』なのです。 マンガを通して人の家の事情を知ったことで、すこしは介護というものをより多面的に把握できるようになった気がします。 Kindle Unlimitedで上下巻読めるので是非。「老いるとはどういうことか」を示してくれたマンガヘルプマン! くさか里樹たか大学生だった2012年頃によんでますよ、アザゼルさん。を追うためにイブニングを読んでいて出会ったのがヘルプマン!22巻に収録されている「介護企業編」でした。 主人公・飛石が介護ビジネスで一儲けしよう企む過程で誰もやっていない、利用者を喜ばすケアプランを思いつくものの、プラン内容は全て国の定める介護保険法に違反することを知る。 当時、今は亡くなった祖母が施設に入っていたこともあり、飛石と同じ目線で驚きながら介護について学ぶことができました。 次の「認知症予防編」は、元宇宙飛行士の女性が父を介護することになり、認知症の衝撃的な現実を(壁に…)目の当たりにするというエピソードもすごく好きでした。 ヘルプマン!は後半のこの2編しか読んでいないので、ずれ全部読み通したいです。
自分もおばあちゃん子だっただけにタイトルだけでグッとくるものがあって読んだが、予想の斜めうえをいく展開で逆にそれが良かった。 シンプルに祖母との関係を描いた泣ける話かと思ったが、どっこい認知症になってしまった祖母の介護で精神すりへっていく苦悩も描いた作品でした。 主人公の幼少期の複雑な家庭環境、母親がおらず父親はいつもいないから、祖母に育てられたという状況も相まって、祖母への愛情と、認知症になったことで罵詈雑言を投げかけられ辛さの愛憎渦巻く感じがリアルだなと思った。 添付画像のように、介護に疲れた主人公が泣き言を吐くシーンも多々あり、人によっては嫌悪感を抱くかもしれないが、自分は共感できてしまった。 良いところばかり強調し表現されるよりも、誤魔化しがなくよっぽど良かった。実際は、こういうもんだと身につまされた。 認知症の祖母との生活や、幼少期の不幸話が多いので基本暗い展開が多いが、それでも読後感は不思議と悪くない作品でした。 死んだら思いでしかもっていけないと言われているのに、大事な人も思い出も忘れていく認知症が一番怖い病気だと改めて痛感した。