セックス依存症になりました。<決定版>

作者の実体験をもとにした「依存症」との闘いの物語

セックス依存症になりました。<決定版> 津島隆太
mampuku
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タイトルで引いちゃったり偏見を持つのは非常に勿体ないし危険です。なんらかの依存症になることは誰にでも起こり得ることだからです。ましてや経験未経験にかかわらず性欲は誰しもが持つものだし、作中でも言及がありましたが"疲労"や"空腹"などのストレスがトリガーとなってタガが緩む感覚というのは私も身に覚えがあります。抑うつ状態とも関連が深いと何かで読んだことがあります。 https://wpb.shueisha.co.jp/comic/2018/04/13/102935/ … こちらで全話無料公開されています。 作者の実体験を元に、専門家の監修を受けて書かれています。「性依存症」そのものや互助会のような組織の存在など知らなかったことがたくさんです。また性依存症の種類もさまざまで、主人公(作者)はセックス依存症と診断されましたが露出症("狂"と呼ばれがちですが医学的にはこう呼ぶみたいです)の女性や痴漢行為に依存する男性も登場し、「痴漢は犯罪です」「ストップ冤罪」に加えて新しい見方ができるようになりました。 作中ではあまり触れられていませんが、調べると違法行為を繰り返してしまったり社会的地位を喪失してしまったりするリスクが高いようです。予防法などがあるのかはわかりませんが、多くは認知の歪み(痴漢犯罪者が「相手も喜んでいる」と思いこむ等)が認められるそうなので、これは性依存症に限らず気を付けたいですね。

バオー来訪者

荒木飛呂彦 格闘の歴史②

バオー来訪者 荒木飛呂彦
TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫

『ジョジョ』の荒木飛呂彦先生の連載2作目の今作 イタリア旅行で肉体美にこだわった ルネサンス美術に出会い、 そしてリドリー・スコット監督の 『エイリアン』を見て究極生物という 概念に気づき作り上げられた作品です! バオーという寄生虫みたいな生物に寄生され超人的な生物に変身できるようになった育郎を主人公に小さな女の子を助けるために戦う超王道ストーリーです! 『エイリアン』のイメージを少年漫画的な フォーマットに昇華させた見事な作品です。 当時B級と呼ばれながらも画期的なアイデアが詰まったホラー映画のエッセンスを 少年漫画の中に持ち込むという 革新的な荒木流創作術が開花した 荒木先生の歴史の中、そしてマンガの歴史の中でも大きな転換点となる作品だと思います ので、荒木ファンだけでなく全マンガファン必見の作品ではないでしょうか? 主人公の育郎が戦闘中は喋れないので、 代わりにナレーションが心情などを説明してしまうので感情移入がしにくいという問題点があるからか、打ち切りとなってしまった 作品ですが、この打ち切りは後の『ジョジョ』での大爆発に繋がるので、 意義のある打ち切りだったと思います。