老犬とわたし~妹は64歳になりました~

飼い主は啜り泣き必至

老犬とわたし~妹は64歳になりました~ 青色イリコ
兎来栄寿
兎来栄寿

無理です、泣いてしまいます。 現在アラフォーの娘(ポメラニアン)と暮らしている私ですが、実際に犬を飼う前であったらここまでは泣かなかったことでしょう。 我が家に来たときにはまだアラサーだったのに、あっという間にアラフォーになってしまった犬の時間の進みの早さは、結構恐怖です。このままの勢いであっという間に老犬へとなってしまうのではないか……。 どうにも自分の子の未来と重ねて読んでしまいます。もし、自分の子がこうなってしまったら。辛い別れのときを迎えてしまったら。決断を迫られるときが来たら。そんな風に考えていたら、全編で涙が溢れてきました。 人間のことを気遣ってくれる健気な所作や、そんなところでずっと待っていなくてもというところで待っててくれているなども、あるあると共感してしまうところ。コーギーのコーギーらしい振る舞いもかわいい限りでした。飼っている犬種が共通する方は、より共感できるポイントも多くあるのではないでしょうか。 明日何があるかは解らなくとも、今日までに貰った笑顔や幸せは永遠。いつか来るその時を迎えるまで、まだまだたくさんの思い出を一緒に作って、目いっぱい幸せに過ごしてもらおうという想いを改めて強くしました。

伊賀の影丸

子供の頃に読みたかった!!

伊賀の影丸 横山光輝
酒チャビン
酒チャビン

忍者!おん密!!特殊技能!江戸時代!!城!将軍家!!半蔵!!旧国名!!忍び文字(暗号)!わたしの子供の頃の好きな要素がいっぱいすぎて、多分小学生の頃に読んでいたら、わくわく夢中でどハマりしていたと思います。 しかもさすが横山先生だけあって無駄のないシンプルな作風で読みやすさも抜群。全15巻の超大作ですが、不思議と読み疲れなどはありません。 三重マンガランキング2位もうなずけます。 当時はかなり画期的な作品だったようなのですが、この作品が凄すぎてフォロワーが多く生まれ、多くの作品からベンチマークの扱いを受けたことによって、今見ると少し普通というか、王道すぎてもう一捻り欲しい気がしてしまいます。なので、名作であることは重々承知しつつも、今の子供たちにあえてこれを薦めるかというと、少し微妙な気もします。 あと、私の大好きな男塾に通じる要素も結構出てきて、それも見応えがありました。宮下先生に影響を与えてるのかもしれません。男塾は関係ないですが、途中、影丸の一人称が「影丸」になったのも面白かったです。 ちなみに個人的な一番のお気に入りシーンは、敵を攻撃する用に手懐けているふくろうが、敵が繰り出したネズミを捕まえるのに夢中になってしまって敵を攻撃しなくなる場面です。ふくろうの顔も可愛く描かれており、忍者という暗い宿命を負った者が主人公の作品世界で、ほんわりとした気分にさせてくれます。 あとはおまけコンテンツとして「ムササビ」という作品が収録されてます(影丸の話ではないです)。これは、天正伊賀の乱で信長に滅亡に追い込まれた忍者の生き残りが、本能寺の変の裏側で糸を引いていたという魅惑の歴史ifストーリーで、こちらも戦国時代ファンには見逃せない出来でした。