娚の一生

不器用な大人の恋愛模様

娚の一生 西炯子
ゆゆゆ
ゆゆゆ

子供の頃は、大人になったらもっと自由かと思っていたけど、どうやら大人になっても、大人という枷のせいで、なかなかストレートにハッピーエンドとはいかないものらしい。 「娚の一生」は、バリキャリ街道を突き進み良い年齢になった女性・つぐみと、つぐみよりさらに年上の男性・海江田の恋愛物語。 恋愛ものは10代20代の子がキャピキャピ言っているものだと思っていたので、初めて読んだときは30代と50代という年齢設定に衝撃を受けた。 その年齢設定のせいか、なんだかリアルな感じがする。  歳を経ていても美男美女だったり、当時だと外国のIT企業なみのフルリモートワークを許可されたり、海江田先生のようなすてきな男性が存在したりと、リアルな感じは薄いのに。 海江田先生のシブい艶やかさにメロメロになりつつ、先生に愛されている恋愛下手のつぐみちゃんを応援しつつ。 読み進めていった先、物語がどのような展開になるかは、読んだ方だけのお楽しみ。 私の場合、良かった良かったったという思いと、エエエエエという困惑が混在した。 ちなみに、表紙イラストが次巻表紙につながる形式の単行本なので、並べると圧巻。 ただ3巻で突然引きのイラストになり、どうみても破廉恥で、買うのが少し恥ずかしかったのを覚えている。

今朝もあの子の夢を見た

悲しいけど、現実はこんなものかも

今朝もあの子の夢を見た 野原広子
六文銭
六文銭

野原広子先生のエッセイが好きで基本全作網羅しているマンですが、本作は父親目線として、特に刺さりました。 主人公は、バツイチの子持ち。 しかし、別れるとき、奥さんが子供と一緒に失踪当然でいなくなったことで、離婚後は子供に会えず、どこに住んでいるかもわからない状況で10年が経過する。 勤務先のスーパーで、鈴木さんという若い子が入り、彼女と娘を重ねて親密になっていくなかで、物語が少しずつ進んでいく展開。 鈴木さんの行動力と助言で、娘と再会し、そして・・・という感じ。 主人公の立場、奥さんの立場、そして娘の立場で、それぞれ描かれており、読めば読むほど真実はどこにあるのかわからなくなって、まさに 真実は人の数だけある 事実は小説より奇なり とはこのことなんだと痛感します。 というのも、最初は、娘に会えない主人公に同情してました。 しかも、主人公の言い分としては、 「元奥さんが娘を洗脳し、誘拐している」 とか言うし、また娘を思い 「お腹すかせていないか」 「寒くないか」 と夜な夜な考えては眠れなくなっている様子は、子を思う親の気持ちに共感しかなく、読んでいて苦しい気持ちでいっぱいでした。 一方でで、ストーリーがすすむと、奥さん側の言い分もでてきて、そこには、主人公とその家族との不和で一緒にやっていけなくなったこと、弁護士を通してありもしないこと吹聴している主人公の様子が出てきて、どっちもどっちな感じになっていきます。 ただ、一つ言えるのは 夫婦、双方の言い分があるにせよ、一番ツライのは、それに振り回された子供という点は共通していて、それもまた読んでいて胸が苦しくなりました。 最後は仲直りしてみんなハッピー、なんてことは起きない。 壊れた関係は修復なんてされない。 悲しいけどこれが現実。 何が正しくて何が悪いのか一概には言えない、夫婦、親子関係の難しさを実感する、そんな作品でした。

GRAND SLAM

GRAND SLAMの感想 #推しを3行で推す

GRAND SLAM 河野慶
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男

・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 川三番地と七三太朗コンビの野球漫画を思い出したな。作者はユートの人か ・特に好きなところは? 身体の操作で基本となって技術的な面や人間関係も含めて解決するところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 主人公が得意としている古武術の身体の操作をチームメイトに良い影響を与えて良い方向に進んだり、暗い話がほとんどないのが読んでいて面白い。 ここから下は本編にはほとんど関係ありません。 このマンガは「4スタンス理論」の内容を使ってチームが強くなるというのを表現しています。昔通っていたトレーニングジムでは「4スタンス理論」を元に指導していてそれを受けていたのでより楽しめた部分があります。ですがそのジムで「4スタンス理論」の指導がある程度始まった時期に入って私が順調に強くなっていたのは「4スタンス理論」のおかげの面もあると思いますが、「4スタンス理論」の指導をやる前の昔からのメンバーには全く勝てる気はしませんでした。それで心の中でいつも「花の慶次―雲のかなたに―」の名言を思い出していました 「虎はなにゆえ強いと思う? もともと強いからよ」