女性マンガの感想・レビュー3218件<<6566676869>>「オバサン文学」の傑作齋藤なずな作品集 齋藤なずなtoyoneko齋藤なずな先生は,ビッグコミック等で作品を発表している作家です。 代表作は「恋愛烈伝」など。 …などと書いてますが,私が齋藤先生を知ったのはごく最近で, マンバのこの書き込みで知りました。 https://manba.co.jp/topics/16647/comments/171559 ほうこれはどんな作家なのだろうと思って, とりあえず「齋藤なずな作品集」のうち一つである, 「迷路のない町」という短編集を読んだところ,大変な衝撃を受けました。 傑作!! 「迷路のない町」は,中年女性とか中年男性を主人公にして, ちょっとした日常の出来事を描く短編集です。 そこで主として描かれるのは,老いとか,加齢とか, コンプレックスとか,人間の心の弱さであり, それが鮮烈に切り取られて描写されます。 「中年ならではの心境」を,解像度高く描き出す作者の力量は, ちょっと只事ではありません。 特に,中年女性が主人公の作品群が凄い。 「彼岸花」「ごはさんで願いましては…」「花いちもんめ」「鴨居」あたりはどれも大傑作。 「ごはさんで~」のうち,「電気店の店頭にあるテレビにうつった自分の姿をみて, 自己イメージと現実の違いに気づいてしまうシーン」(添付)なんて, 本当に絶妙な切り取り方です。 私は,この作品集は, 他に類をみない,「オバサン文学」の傑作だと思っています。 「迷路のない町」は,kindle unlimitedに収録されていますので, 読んだことがない方は,ぜひご一読を。 なお,齋藤先生の作品はほかにもいろいろkindle unlimitedに収録されています。 そのほかに,数年前に発行された「夕暮れへ」という作品集もあります。 ほとんどが再録ですが,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は新作です。 前者は老人介護文学,後者は老人団地をテーマにした作品で, いずれも大傑作なので,この2作品のためだけに購入しても全然大丈夫です。 最新の作品集は「初期傑作短編集 ダリア」。 幻のデビュー作ほか,初期作品を収録した短編集とのことです(まだ読んでない)。 さらに,齋藤先生は,「ぼっち死の館」を今でも不定期連載中。 https://bigcomicbros.net/8276/ 70歳をこえてなおも現役で活躍中。応援してきたいです。いくえみ綾の現代ファンタジートーチソング・エコロジー いくえみ綾さいろくじゅうぶんファンタジーなんだがすげー良かったので拡めたい 読了直後の今は胸いっぱいで…とにかく、良かった。故・速水翼先生の代表作霊媒師多比野福助 速水翼さいろくバンドブームというのもあり、当時を物語るような背景。 よくいえば流行、悪く言えば少女漫画あるあるな設定だったものの、そこに霊媒師(スピリッツマスター)という要素を足す事で大人気を博した作品。 速水翼先生は離婚されてしまったものの、頭文字Dのしげの秀一先生と夫婦仲であったというのも印象深い。 懐かしいなーという気持ちで今読むと突っ込みどころがいっぱいでホッコリする(内容は魔祓いが中心のダークさに加えミーハーな雰囲気があるので全然ホッコリ要素はないが)人は生涯、満足することはないのだろう。WHITE NOTE PAD ヤマシタトモコPom 高校生、葉菜と38歳のおじさん正吾がひょんなことから入れ替わる話。1年後に偶然再会。。って、何故1年!? わたし、わたしは、わたしは、、から始まるんですが、その始まりだけで引き込まれちゃいました。 入れ替わり後の高校生、葉菜(中身は正吾)が、わたしはさみしいって涙ながらに吐露しちゃってたのがグッときたなぁ。 人間の孤独ってものを、再認識させられた内容に感じた。 二人は生涯入れ替わったままなのかな。 現地在住のブロガーが書いているだけあって激ウマ! 食べ台湾 Aiwan 妻鹿もえぎhysysk現地在住のブロガーが書いているだけあって、さすがの情報量で看板のない店まで紹介している。ローカルな店の入り方や注文の仕方は知らないと戸惑うのでありがたい。あとこういう類の書籍には珍しく著者が男性で、男性が好きそうな食べ物や入りやすい店が中心なのも自分には良かった。 都内でも台湾料理が食べられる店は増えてきているが、やっぱり日本人向けに調整されてたり、土地代が高いせいか現地よりも高級な雰囲気になってしまう。台湾では自炊するより外食の方が安いと言われるほど外食文化が根付いているので、あの体験をそのまま持ってくるというのは難しいんだろうな。Twitterでよく見る日本贔屓の金髪碧眼ラトビア人アルトゥル君アルトゥルと行く!不思議の国・ジャパン アルトゥル ぺぷりさいろく昔からTwitterでフォローして見ていた自分としては感慨深い。 マンガ化されたことはバンザイなのだが、Twitterで感じる彼のツイートの深さはまた別のベクトルで素晴らしいので最初にそっちをバーっと見てあげてほしい。 マジでかわいいので。 タイトルの通り、外国人からすると不思議な日本の習慣が紹介されている微笑ましいエピソードばっかり。 つけ麺のスープをかけちゃうのとか想像すると思わずニッコリしちゃうような話がいっぱいあるのだが、やっぱりTwitterで本人の顔を見ておくと想像できてとてもよい。 https://twitter.com/ArturGalata/status/1464874419248111620 推しのツイッタラーである。求める家族の形。にしてもドロドロ!理想の家族のつくり方 六花チヨPom 表紙明るく見えたのに、いざ読んでみたら意外にドロドロしていました。 しかも、姉妹ドロドロ。 ウメとサクラ姉妹も、家族も近過ぎる存在が故に、辛くなるってやつで。。 でも、妹ウメの旦那の大ちゃんが一番やだな嫌いと思った自分でした。笑 明るい理想の家族作るぞ!って話ではなかったです! 貴女との日々は一杯の紅茶から #1巻応援あんなとまりあの紅茶時間 小鳥彩花あうしぃ@カワイイマンガ大きな洋館に一人住んでいる美しい英国女性・マリアと、その洋館に下宿している日本人の学生・杏奈。二人が日々、ティータイムを共にしながら暮らす物語は情報量が多いのに、とこかホッとする。 そんな気分になれるのは、二人が完璧ではないからかも。マリアは落ち着いているけれども破壊的に不器用。それを助ける杏奈はしっかり者だが、頑張りすぎる性質。しかしマリアのサポートと美味しい紅茶で、気持ちを軌道修正する。 偶然出会った二人は、これ以上無い程のパートナーシップを築く。マリアに因縁のある男性は登場するが、この二人は揺らがないと確信が持てる。 紅茶について、多くの知識や英国人の思いが程良い密度で伝えられるのも楽しい。大切な人に対して"You’re precious my cup of tea."と伝えられる時、目の前の一杯の紅茶も、相手の存在も掌中で慈しむ感覚が伝わってくる。阪急電車がつなぐ過去と現在と未来阪急タイムマシン 切畑水葉ANAGUMAみなさま宝塚ときいて頭に浮かぶのはやはり歌劇団でしょうか。兵庫県に宝塚市という町があって、宝塚歌劇団はそこが本拠地です。関西圏以外の方には意外に知られていなかったりしますね。 本作の舞台はその宝塚。の周辺とそこを走るローカル線阪急電車。そしてどうでもいい話ですが私の出身も宝塚。地元がとんでもない解像度で描かれているの、う、嬉しい…!と思いながらずっと読んでました。 主人公の野仲さんは手芸が好きで雑貨屋さんで働いています。が引っ込み思案の性格でお友達がいないのが悩み…。彼女が偶然阪急電車のなかで小学校のころの親友サトウさんと再会したことから物語が動き始めます。 阪急ユーザー、生活圏と移動パターンが重なってくるのでこういうこと起きがちな印象。私の祖母も電車乗ったらしょっちゅう誰かと鉢合わせていました。 長く乗っている路線の風景って心に深く刻まれているものだと思います。たまたま私は阪急に縁があったのでより強く感じましたが、電車や駅と合わせて呼び起こされる記憶は多くの方がお持ちではないでしょうか。そしてその思い出は必ずしもいいものばかりではなかったり。 本作でも阪急電車という「タイムマシン」を通して徐々に二人の過去と思いが明らかになっていきます。 手芸という共通の話題をキッカケに関係が再開したことを喜ぶ野仲さんですが、サトウさんの方はどうもぎこちなくて「親友と再会!また一緒に楽しもー!」と無邪気な物語にはなりません。 なぜならふたりはもうこどもではなく、おとなになっているから。 二人のすれ違いの原因も幼い日の阪急電車にありました。ふたりのあいだに深い溝をつくった子どもゆえの残酷な出来事です。 野仲さんの視点で記憶をたどる時、思わず胸がキュッと痛んでしまうかも…。それほど生々しい質感があります。 とはいえタイムマシンは過去だけではなく、未来にも繋がっています。過去の友情を見つめ直したふたりを阪急が今度はどこに運んでいくのか、最後まで読み終えたあとには願わくばもう一度読み返してほしいです。 ふたりがあのとき何を考えていたのか、まさに電車に乗りながら思い返すような心地がして、じんわりと気持ちが染みてくるので…。いい話。ギャルはすごい。ホラーミーツギャル 藤野ポチョムキン名無しホラー要素いつ出てくるんだろう?まさかあのゴリゴリの存在感を放つギャルが幽霊だったてオチ…?と思っていたら、違いました。なるほどそうきたか。いい話でした。 今一番読むべき漫画ブスなんて言わないで とあるアラ子名無しブスも美人も関係ない、太ってても痩せててもいい、男女の性差も無くそう な方向にある世の中 なんとなくそうだそうだ!と流されがちですがこの漫画はそういう流れを言語化してストーリーに昇華してくれている! 読むとハッとします。 だいたいの漫画は「美女にも美女なりの悩みがあるのよ」止まりですが、悩みがあるからそれをどうしたいまで書かれている漫画はあんまりない気がします。新連載!〈恋〉が仕掛ける百合実験!恋の好奇心 大庭直仁あうしぃ@カワイイマンガ『不思議なゆうなぎ』大庭直仁先生、COMICリュウWEBにて連載開始! 『恋の好奇心』 https://www.comic-ryu.jp/_koukishin/index.html 〈恋〉と〈愛〉は友達。ある時恋は、愛にポッキーゲームを持ちかける。恋の好奇心を、愛が受け止めた時……! 『不思議なゆうなぎ』の不思議な絵柄はそのままに、より「百合」恋愛コメディ色が強くなる様です。二人はこの先、どこまでエスカレートするのか、楽しみです!幸せは途切れながらも続くのです作りたい女と食べたい女 ゆざきさかおみ野愛何でも話せて遠慮せずに付き合えるのもいいけど、気遣いを忘れず適度に寄り添い合えるのもいいなあと思いました。 自分の手料理を誰かに思いっきり食べてもらえたら嬉しいもの。でも作るのが当たり前になっちゃったり、残されたり、好みが違ったり……楽しいばかりでいられないのが現実だったりもします。 作りたいものを作りたいだけ作る、食べたいものを食べたいだけ食べる。 2つの欲求がぴったり重なって、しかも一緒にいたら心地よいなんて最高すぎます。もはや運命です。 困っていたら手を差し伸べて、楽しいことは共有して。 多くを語らずとも心を通わせていく2人の距離感が愛おしくなります。 この先どんな辛いことがあろうとも、野本さんと春日さんは変わらない関係でいてほしい……!! こんなに色々巻き込まれたくない!笑メゾン・ド・フルールの女たち 早坂いあんPom 大きな期待を抱いて、中古マンションをフルリノベした所へ引っ越してきた凪子一家に巻き起こる色々な問題。 マンションの理事長香子さん、バリバリ綺麗だし、バシッと言うし表はカッコいいけど実在したら自分は萎縮してしまいそう。。 何となく、凪子と香子が仲良くなるんだろうなーって話は想像できていたのだけど、中盤からまさか凪子の旦那も話の中心になっていくとは少し驚きました。 ま、最後は平和に終わって良かった。日本にとって並行世界みたいな国へぇー!韓国ではそうなんですか? かおり ゆかりhysysk電車内でも携帯で話す、お茶碗を持つのは無作法、結婚式のご祝儀は直接口座に振り込む…などなど、見た目や文化は日本と似ているけど、正反対なところもあり、SFの並行世界みたいな感覚になる。厳しいと言われる大学受験の仕組みも載っていて面白かった。高校1年から夜10時まで学校で勉強、その後塾とか大変過ぎる。 個人的には韓国の合理的な考え方は自分に合ってると思うし、何かを成し遂げる際に徹底的に努力する姿勢は見習いたい。筋子は仕込むけど油と粉で酒飲む人間らしさレトルト以上・ごちそう未満! スキマ飯 谷口菜津子野愛グルメエッセイ漫画が狂おしいほど好き。 お洒落さや健康志向は控えめだとうれしい。拘りと雑さがいい感じに同居してるとなおさらうれしい。 さよなら、レバ刺し~禁止までの438日間の作者さんなので、食への偏愛っぷりが素晴らしい。 筋子が好きすぎてお取り寄せしたり自分で仕込んだりする拘りっぷり、かと思えば油や粉末スープ舐めて酒飲む怠惰な一面もあり。 酒と食を楽しむための努力は惜しまないけど、「丁寧な暮らし」みたいなものとは程遠い感じがとても好き。めちゃくちゃ好感が持てる! 人に言うの恥ずかしいけど美味しいご飯ってあるよね!を肯定してくれる漫画でした。 加速していく不穏な物語 #1巻応援るなしい 意志強ナツ子starstarstarstarstartoyoneko「るなしい」は,意志強ナツ子先生の新刊です。今のところ,既刊は1巻のみ。 掲載誌はなんと小説現代。 意志強先生の過去作は,「魔術師A」と,あとは「りゅうのすけくん」だけ読んだことがありました。 http://leedcafe.com/webcomic/exmanga019a/ どちらも面白いのですが,エロ比重が大きすぎて,正直自分の中で持て余していたところ, 本作は,(少なくとも1巻の時点では)直接的な描写はなく,比較的読みやすい作品になっています。 主人公の「るな」は,学校内でいじめをうけている,もっさりした感じのメガネ女子高生。 彼女は,広報委員会に所属しており,その中では「オタサーの姫」的な扱いを受けています。 一方で,彼女は,学校内で,処女の血がしみ込んだモグサを売って, 希望者にお灸をする(しかも有料)という,やや怪しげな活動にも手を出している人物。 そんな彼女が,ふとしたことから背の高いイケメンと仲良くなって…というところからストーリーが始まります。 …こう書くと,なんだかラブストーリーが始まりそうですが, 意志強先生のお話ですので,そうではなく, 中心になっていくのは「やや怪しげな活動」の部分です。 るなの「おばば」は, るなを「神の子」とするリアルな「信者ビジネス」を営んでおり, その考え方は,ほぼカルトです。 悩みがある者を焚き付け,家族と切り離し, 奇跡を見せて,取り込んでいく…。 もちろんガッチリお金をとる。 るな自身も,そのことを充分に把握したうえで, これに加担し,背の高いイケメン(ケンショー君)を取り込んでいく…。 破滅が確定している結末に向けて, 不穏さばかりが増していく物語。 オバケが出てくるわけでもないのにホラー感は強く, ゾクゾクするような読み味であり,きっと名作になるであろうと予感させてくれる作品です。くりた陸先生の闘病記乳がんに襲われ余命宣告を受けた少女漫画家の家族への手記 陽だまりの家 くりた陸名無し闘病記であり遺作でもあります。がん発覚から溶解まで、そして再発を描いた2作品が収録されています。おそらく雑誌掲載後、単行本発売前に亡くなられたのだと思いますが、作品の完成度には全く体調不良を感じません。しかし単行本の帯には左目の視力を失いながらも描き上げたとの記載がありました。最近では一般の方も闘病記を漫画にしてネットで公開されていますが、やはりプロは違うと感じる読み応えでした。薬の副作用で髪の毛が抜け始めたくりた陸先生が自分の漫画にも同じ境遇のシーンを描いたことがあったけど何にも気持ちを分かってなかったんだ…と語られていたのが切なかったです。まさかのクライマックス!?王様の耳 えすとえむ名無し女性セブン最新号読みました。なんだか緊張感のある話になってきました。頬に刀疵がある、明らかにヤクザの大親分らしき人がバーに入っていって、次回、どうなるんだろう。VIPと呼んでいるところが、イカゲームぽくて、胸がざわつきます。来週が待ち遠しいです!どなたか、読んでませんか?話し合いたいですー 有名店の知らなかった季節商品からワニの手までおとりよせっていいな。 藤沢カミヤhysyskお土産でも贈り物でも、有名店で何か買う時って、定番か既に食べたことがあるものに偏りがち。頻繁に通うこともないので、季節によって売られる商品が変わっていることすら知らなかった。配送料がかかることも、交通費に比べれば全然安いんだし、どんどん使っていきたい。お歳暮、クリスマス、新年、バレンタインデーなど、これからの季節に心強い味方。共感してしまう!ホタルノヒカリ ひうらさとる昌子テレビドラマを見ていたことを思い出し、原作漫画も読んでみようと思いました。主人公・ホタルは恋愛するよりも寝ていたいというタイプの干物女で、共感してしまうところがたくさんあります。ホタルの「あ、フトンって干したらこんな匂いなんだ…」というセリフに笑いました!海の生き物たちと心を通わせる45才シングルマザーが活躍!海獣さん 高梨みどりstarstarstarstarstarひさぴよ失業中の45才シングルマザー・小波林さん(通称おばちゃん)が「海獣さん」なる特殊能力を見出され水族館のトレーナーのお仕事に就くことになるお話。海よりも深い人生経験を重ねてきた人間は、まれに海の動物と心を通わせられる能力を得るらしい…。かなり唐突な設定だったものの、不思議な説得力のある漫画で、おばちゃんと動物たちが見つめ合うだけで気持ちが通じていて理屈を超えた感情が伝わってきて思わず感動してしまいました。残念ながら1巻以降の続きはないようで、もう少し続きを見届けたかった作品です。 コミュ障OLが助けた"ハツカネズミ"の恩返し #1巻応援根津さんの恩返し ハマサキsogor25この作品は人とうまく話すことができないと悩むのOL・小宮祥子が、ひょんなことから人の言葉を話すことができる"ハツカネズミ"の根津さんを助けたことで、根津さんからの恩返しとしてコミュ障を治す手助けをしてもらうようになるという物語です。 恩返しといっても、根津さんの手助けは人と話すときのちょっとしたアドバイスのような感じで、その内容もけっこう体当たり式だったりします。でもそんな中で祥子は少しづつコミュニケーションを頑張るようになり、次第に周囲の人々とも打ち解けていきます 祥子と根津さんのやり取りも楽しくて、気付いたらほっこりさせられている、そんな、ハートフルなコメディが展開されていく作品です。 1巻まで読了料理できない人にとっては共感必至、抱腹絶倒マンガすみれ先生は料理したくない 大久保ヒロミ六文銭久しぶりに腹抱えて笑いました。 よくわかります。 レシピ本って、手抜きで簡単!とか、シンプルな工程!とかいいますけど色々端折ってますよね。 できる人間や面倒と感じない人間にあわせた感じ。 本作でも表現されてましたが、例えば、 「じゃがいもを一口大に切る」 を1行1工程で書かれてますが、ここに、実はみえない作業で ・洗う ・皮を剥く ・じゃがいもの芽を除く といったものが端折られてますよね。 (下手したら冷蔵庫から取り出すも) そうなんです。 料理しない人間にとっては、これですら面倒なんです。 ズボラ料理とかのレシピ本でてますけど、それですら面倒だと感じた違和感はこれでした。 この点は気づかされて目からウロコでした・・・。 レシピどおりやっても、高級食材をつかっても、失敗する。 少々や適量ってどれくらいなの? 料理しない(できない)人にとっては、共感できる部分が多々ある作品だと思います。 味噌汁がゲルになる感覚わかりますかね?<<6566676869>>
齋藤なずな先生は,ビッグコミック等で作品を発表している作家です。 代表作は「恋愛烈伝」など。 …などと書いてますが,私が齋藤先生を知ったのはごく最近で, マンバのこの書き込みで知りました。 https://manba.co.jp/topics/16647/comments/171559 ほうこれはどんな作家なのだろうと思って, とりあえず「齋藤なずな作品集」のうち一つである, 「迷路のない町」という短編集を読んだところ,大変な衝撃を受けました。 傑作!! 「迷路のない町」は,中年女性とか中年男性を主人公にして, ちょっとした日常の出来事を描く短編集です。 そこで主として描かれるのは,老いとか,加齢とか, コンプレックスとか,人間の心の弱さであり, それが鮮烈に切り取られて描写されます。 「中年ならではの心境」を,解像度高く描き出す作者の力量は, ちょっと只事ではありません。 特に,中年女性が主人公の作品群が凄い。 「彼岸花」「ごはさんで願いましては…」「花いちもんめ」「鴨居」あたりはどれも大傑作。 「ごはさんで~」のうち,「電気店の店頭にあるテレビにうつった自分の姿をみて, 自己イメージと現実の違いに気づいてしまうシーン」(添付)なんて, 本当に絶妙な切り取り方です。 私は,この作品集は, 他に類をみない,「オバサン文学」の傑作だと思っています。 「迷路のない町」は,kindle unlimitedに収録されていますので, 読んだことがない方は,ぜひご一読を。 なお,齋藤先生の作品はほかにもいろいろkindle unlimitedに収録されています。 そのほかに,数年前に発行された「夕暮れへ」という作品集もあります。 ほとんどが再録ですが,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は新作です。 前者は老人介護文学,後者は老人団地をテーマにした作品で, いずれも大傑作なので,この2作品のためだけに購入しても全然大丈夫です。 最新の作品集は「初期傑作短編集 ダリア」。 幻のデビュー作ほか,初期作品を収録した短編集とのことです(まだ読んでない)。 さらに,齋藤先生は,「ぼっち死の館」を今でも不定期連載中。 https://bigcomicbros.net/8276/ 70歳をこえてなおも現役で活躍中。応援してきたいです。