百合にはさまる男は死ねばいい!?

とにかく繊細な青春百合作品なんです!信じてください!

百合にはさまる男は死ねばいい!? 蓬餅
野愛
野愛

過激派で武闘派なタイトルだけど、甘酸っぱくてほろ苦くて繊細な青春吹奏楽百合漫画なんです!信じてください! 高校の吹奏楽部で1stトランペットを務める千早。部活時間外もストイックに自主練を重ね、1stの座を勝ち取ってきました。 そんな彼女のもとに転校生・響が現れます。響は音楽エリートの家系に生まれ、吹奏楽部の強豪校で1stトランペットを務めていた音楽の天才。 バチバチのライバルストーリーがはじまるのかと思いきや、2人は音楽を通じて認め合って惹かれ合っていくのです。 いやどこに男がはさまる余地があるんです?という感じなんですが、響には彼氏がいて、デートのために部活をサボることが多々あるのです。 ここでタイトルの文言が頭をよぎりますが、響の彼氏・尊くんには尊くんの想いがあるのです。愛情深くて優しい男なのです……。 百合にはさまる男は死ねばいい!?を読むと、百合にはさまる男は死ねばいいなんて思えなくなります(この作品限りの可能性有)!! とにかく尊くて繊細で美しい作品なので読んでください。タイトルに釣られて騙されたと思って読んでみてください。

わたしの契約結婚にはウソがある。

自殺未遂から突如舞い込んだ結婚生活、しかしそこには"ウラ"がある #1巻応援

わたしの契約結婚にはウソがある。 タナカトモ 諸星サロ
sogor25
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主人公の18歳の女性・門司ヨウコは、幼い頃に親に捨てられた上に養護施設でも学校でも見た目がブサイクだからといじめを受け、おまけに仕事もお金もなく、人生二限界を感じ自殺しようとしていました。 そんな彼女を助けたのが通りがかりの謎のお金持ちのイケメン男性・霧原鑑。 彼はヨウコに「死ぬくらいなら僕と結婚しよう」とまさかの提案をしてきます。 生まれて初めて人に優しくされたヨウコは鑑の"プロポーズ"を受けることになるのですが、鑑から1つだけ結婚の"条件"を提示されます それが、「鑑の理想の顔になるために美容整形を受けること」。 ヨウコは怪しい話だと思いながらも、もともと死のうとしてた所に舞い込んだ話のため、鑑の条件を受け入れ、美容整形を受けた上で彼と結婚することになります。 しかし、彼女が整形した「鑑の理想の顔」にはある秘密がありました。 それをヨウコはテレビ番組を見ているときに偶然知ることになります。 テレビに映し出されたのは、ヨウコが整形した「鑑の理想の顔」と全く同じ顔、そしてそれは10年前に顔を切り取られた変死体で発見された被害者の顔だったのです。 この導入の時点で物語に引き込まれるのですが、マンガとしての見せ方も上手く、2話以降も読みたくなるような力があります。 そして2話以降も、2人の結婚生活の日常的な部分も描きつつミステリー要素の深堀りもあるという絶妙なバランスで展開していくので、「契約結婚のウソ」の部分はもちろん、物語全体を見ても楽しめる内容になっています。 1巻まで読了

かんかん橋をわたって

嫁姑漫画を少年漫画の文法で描く!

かんかん橋をわたって 草野誼
toyoneko
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「嫁姑漫画」なるジャンルがあります。嫁と姑の確執は永遠のテーマですからですね。コンビニなどでよく見かけます。 そして本作「かんかん橋をわたって」は、嫁姑漫画の極北に位置する漫画です。 初期は、まぁ、わりと普通の(?)嫁姑漫画です。嫁ぎ先の姑がイジワルで、いろいろな嫌がらせをしてきます。 主人公の嫁ぎ先である「川東」(かわっと)では、イジワルのことを「おこんじょう」と呼ぶのですが、主人公の姑はなんと「川東(かわっと)一のおこんじょう」と呼ばれている凄い姑! 主人公は、そんなおこんじょうに耐えて一生懸命頑張る!というお話でした。 まぁ3話で「嫁姑番付」という「嫁いびり番付」の話が出てきたりとか(主人公は4位)、やや特殊な設定が見え隠れしますが、このへんはまだ普通でした。 ところが4巻くらいからだんだん風向きが変わります。 主人公の姑は、ただの「おこんじょう」ではなく、恐るべき策士であることが明らかになっていきます。 主人公は、その様子を見て、「お義母さんにはすべて見えているんだわ」「なんて…なんてすごい人なんだろう!」とか言い出します。 そして、憧れの姑に負けないように、自らも恐るべき「おこんじょう」を発揮するようになっていきます。 具体的には、姑の着物ダンスから防虫剤を全部抜き取って着物を虫食いだらけにしたりするんですが…(なお、姑はそれを見て大変喜び、とびきりの笑顔で虫食いだらけの着物をきて歩き回ります。)。 さらに、主人公は、その他の嫁姑番付ランカーにも働きかけ、嫁姑の仲違いを解消したり、問題を解決するなどして、どんどん力をつけていきます。 それを見た姑が「なんて上手なおこんじょう」と評すシーンなどは、作中屈指の名シーンですね!(添付)。 そして物語はクライマックスに向けて動き出します。 地域支配者たる「ご新造さま」があらわれ、嫁姑番付ランカーが次々と登場します。 恐るべき「ご新造さま」に対し、主人公と姑は共闘し、最終決戦に挑むことになります。 もう何のこっちゃか全然わからないかもしれませんが、とにかく最終的にはそういうお話です。 このように、本来は、嫁姑漫画のはずなのですが、「嫁姑ランキング」とか「成長する主人公」とか「力を合わせての最終決戦」とか「ラスボス」とかの少年漫画的要素を盛り込みまくって完成されたのが本作です。 「嫁姑漫画を少年漫画の文法で描いた」ともいえます。 怪作ですが、個人的には大好きです! なおコミックは全10巻(ただし電子版のみ)。現在は全巻アンリミで読めます!