女性マンガの感想・レビュー3243件<<1011121314>>贖いの果てに仄見える光 #1巻応援木洩れ日のひと 川端志季starstarstarstarstar兎来栄寿『宇宙を駆けるよだか』、『箱庭のソレイユ』、『僕のオリオン』、などでお馴染みの川端志季さんの最新作です。 基本的には集英社系のレーベルでキャリアを重ねてきた方ですが、前作の『世界で一番早い春』で『KISS』を経て祥伝社で連載を開始したときにはとても納得感がありました。 川端志季さんの作品が纏う、仄暗さを纏った空気感。そして時代感覚を捉えた鋭敏なセンスから生み出されるキャラクターたちは、『FEEL』系とも絶妙にマッチしていると思ったからです。期待通り、本作でも開幕からその持ち味を出していきます。 議員の娘である白瀬皓子が国民的人気アイドルグループの烏墨真弘を轢いてしまい、彼女はその贖罪として意識を取り戻さない彼の下で10年の月日を看病に費やしていました。そして、遂に真弘が目を覚ましたことで物語の歯車が回り出します。 ヒロインが重い罪を背負い贖罪をし続ける状態で始まる男女の関係というのは流石になかなか『マーガレット』系列では見られないもので、媒体の特徴も活かした建て付けになっています。父親が参議院議員でその名誉に奉仕するよう定められた運命の不自由さ、息苦しさの描写も流石です。 そういった抑圧がしっかり描かれてていることで、皓子が外の世界を知って束の間の開放感や多くの人が普通に味わう感情を得ていく瞬間のえもいわれぬ良さが際立ちます。 真弘は、皓子のことを恨んでおらずむしろ10年間も付き添ってくれていたことに感謝しているというのがポイントです。ふたりの穏やかならぬ事故から始まった関係が今後どのようになっていくのか。10年間のブランクの先で真弘はどう生きて行くのか。 また、彼らを取り巻く家族や同じアイドルグループのメンバーたちなど脇役も魅力的なのですが、その関係図も複雑に絡み合って今後ますます盛り上がっていきそうです。恋愛マトリョシカガールの感想 #推しを3行で推す恋愛マトリョシカガール 山本白湯navy・恋人とは?恋愛ってしなきゃダメ?って人にオススメ! ・身の回りの人間関係が愛おしくなった!! ・搾取される側だったキャラクターが成長するところに感動🥺 やさぐれパートの美央ちゃんでほっこりしたあと、ダメ恋の理恵ちゃんパートで心削られて、 一念発起した理恵ちゃんの成長に拍手を送りたくなります。 お姉さんのお祝い事に浮かれポンチになったママの一言は酷いものだけど、バネにできた理恵ちゃんはとっても愛情いっぱいで育ってきたんだなって思って、ほっこりした収集しすぎて失ってる収納しすぎて家、失いました 堀内三佳starstarstarstarstar_border野愛タイトルが気になって読んでみたら、収納しすぎてというより収集しすぎてのほうが正しいのでは?という内容だった。 収納が悪いとか家の造りが悪いとかいう話を学ぶ作品ではなく、癖って治らないんだろうなという学びがありました。 思い出の品は取っておかないと気がすまない、作ってくれたものは捨てられない、珍しいものかわいいもの気になるもの全部揃えたい……気持ちはわかるけど、家手放すまでに至った人が収集物について嬉々と語る姿は狂気すら感じました。でも欲しくなってしまう気持ちはわかるから楽しく読んでしまうんだなあ…。 足るを知るといいますか、なんでも自分で管理できる程度にしておかないとね…と改めて感じました。辰年の2024年に読みたいマンガ猫に育てられたドラゴン 神虫からすみstarstarstarstarstar_border兎来栄寿私は龍が好きです。 『ドラゴンボール』と『ドラゴンクエスト』に育てられ、山全体が龍であり龍王神社や龍泉寺がある地を故郷としている私は、人一倍龍を愛し、龍に愛されています。 2024年は12年ぶりの辰年ということで、個人的には前年の卯年に続いて意気軒昂となる年です。 昨年の最初には干支にちなんで『兎』を紹介しましたが、今年も「龍」にちなんでこちらの作品を紹介します。 皆さんは、ドラゴンを飼いたいと思ったことはあるでしょうか。本作はそんな夢を少し独特な形で満たしてくれます。 迷い子ドラゴンを飼い猫が拾ってきたことで一緒に育てていくほのぼのコメディです。猫と一緒に暮らして育てられることで、自分を猫だと思いこんでいるドラゴンのかわいい仕草が特徴的です。 丸まったり、鍋に入ったり、伸びたり、いたずらをしたり……。フルカラーで描かれる、2匹を中心とした猫っぽさ溢れる営みに癒されます。猫好きな人ほど、思わず「あるある」に口元を緩めてしまうのではないでしょうか。 ハロウィンやクリスマスなどさまざまな年中行事も描かれ、こたつにみかんのお正月シーンもあるのでこのお正月に読むのにもピッタリです。 タツノオトシゴであったり来年の干支である蛇も登場して干支感もあるので、一気に読むのも良いですがシーズンごとに少しずつ読んだり読み返したりするのも良いかもしれません。 今年は年始から大変な災禍が起きて始まってしまいましたが、世界の人々の安寧を祈っています。悲報に心が疲弊してしまった方も、こうした作品を読んで気分を紛らしていただければと思います。 被災地以外の方は心身共に元気に過ごして経済や社会を回すことで、直接的な募金などの支援を生む余裕を生み結果的に最大の支援に繋がることもあるかと思いますので。 2023年の話題作の一つでしたねいろんな私が本当の私 丹羽庭 米代恭 雁須磨子 コナリミサト 鶴谷香央理 三本阪奈 長嶋有かしこ原作者が同じ人とは思えないくらい漫画家それぞれの良さが発揮されてる短編集ですね。それも長嶋有さんの漫画審美眼の賜物だと思いますが。どれも面白かったけど雁須磨子先生のとあるアパートの歴代の住人達が出てくる話が特に好きでした。完全に雁須磨子先生の作品になってたと思います。三本阪奈さんは家族エッセイを描かれている作家さんという認識しか今までなかったですが、オリジナルのストーリー漫画を読んでみたい!と強く思いました。龍角散を食べる為に本多先輩が一瞬マスクを外した時の顔が可愛くて説得力があった。綴られる繊麗な感情 #1巻応援海はとおくに満ちて往く 日々の杏starstarstarstarstar_border兎来栄寿遥か彼方まで続く海やそこから寄せては返す波は、それ自体に意味はありません。しかし、人はそこに何かを感じ取ります。ある人にとっては何でもない風景・何でもない言葉が、誰かにとっては特別で掛け替えのないものであることもあります。 『世界にさよならのキスをして』の日々の杏さんがこの短編「海はとおくに満ちて往く」は、波打ち際で粒立つひとつひとつの泡が砂に染み込んでいくように、誰かの心の深いところに繊細に浸透していくであろうシーンやセリフが満ちています。 知らず知らずの内に、誰かが誰かを救って回っているこの世界の営み。その構造の断片だけにでも触れられたとき、愛しみを覚えずにはいられません。 鍵となるアイテムが、メッセージボトルというのも象徴的です。手紙というのは本来誰か特定の相手に想いを届けるものですが、ボトルメールはそれが届くかどうかもわからないし、誰に届くかもわからないし、いつ届くかもわからない。それでも、そのときそこに込められた確かな想いは存在する。そのときにしか込められなかったものが。 「自分が幸せになることを許せない」という想いを抱いたことのある人には、特に響くであろう作品です。ネタバレ自転車屋さんの高橋くん 松虫あられ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 推しがいる人生の始まり #1巻応援SAWA-元殺し屋の推し活- 裏ロジstarstarstarstarstar_border兎来栄寿昨日は猫のためにマンションの一室を買い、更には一軒家を建てたマンガ(『借金1000万作曲家の人生を変えてくれた猫の話』)のクチコミを書きましたが、本日紹介するこちらの作品は推し活のためにマンションをビルごと買う元殺し屋のお話です。 作者は『たぬ恋。』の裏ロジさん。画風がスタイリッシュで魅力的です。 20年余りを殺し屋として過ごしてきた主人公・サワは、父親の借金を返し終えてボスから退職金代わりの莫大な報酬と共に自由を得た身。日本のネカフェで住所不定無職として暮らす中で出逢ったのは、俳優の蒼真(そうま)。殺し屋のお仕事を終え、推し事へと目覚めていくストーリーとなっています。 冒頭の殺し屋としての仕事のシーンなどはかなりガチですし、途中で元殺し屋としての緊張感を走らせる場面もありますが、そこと推し活を楽しみ尽くすところの風邪を引きそうな温度差が良いです。推しを推して、初めて覚える感情に戸惑いながらも幸せになる人を見るのは、良いものです。 日本の文化的自体にも疎いサワですが、さまざまなものに新鮮味を感じたり戸惑いながら愚直に郷に従ったりするさまが何とも面白いです。ファンクラブに入るには住所が必要なものの、外国人で部屋を借りるのも難しいのでビルごと買ってしまうエピソードは好きです。管理人室を推しグッズ塗れにして叱られるところはろもっと好きです。 「ファンミ」が何の略かもわからないサワに、さまざまな知識を授け伝道してくれる同担のみずほさんもまた良いサブキャラクター。みずほさんの優しさや、推し活を通して生まれる絆にも大いなる良さが宿っています。グッズが溢れかえって整理整頓がし切れていない人は、みずほさんが語るオタクグッズの収納テクニックが役に立つかもしれません。 1牧の最後のエピソードの引きの強さは最高です。描き下ろしマンガも、本編の隙間を埋める面白い内容です。 推しがいる人は、きっとそこかしこで共感しながら楽しめることでしょう。「根室くんは顔がいい!」感想根室くんは顔がいい! 佐茂すけニーナ隣の席の、いつも前髪で顔を隠してる男子…が実は超絶美少年!しかもそれに気づいてるのは自分だけ。ベタだがこの展開が嫌いな女子がいるだろうか?…いやいない!(あくまで個人の感想です。笑) 最近重めの漫画ばかり読んでた反動か、優しい話だし美少年を愛でられるしで、読んでいて荒んだ心が癒されました~!それにしても猫がかわいい #1巻応援借金1000万作曲家の人生を変えてくれた猫の話 ちとせ 響介starstarstarstarstar_border兎来栄寿借金1000万円を背負いながら、猫のためにマンションを購入し、さらには1億の豪邸も建てたことでTVにも出演して有名になった作曲家の響介さん。 100万PVを超えて書籍化もされたその「猫マスター」としての活動の様子を、『ところにより犬や猫が降るでしょう』や『ねことボン』のちとせさんがコミカライズしたのが本著です。 私も大概ちとせさんの描くワンニャンが大好きですが、本作でもそのかわいさは飽和しています。特に、Story4でのポポロンの表情は反則的。0.02秒で″保護″ります。 猫への愛が高まりに高まり、猫ファーストを信条とする響介さんの、猫にすべてを捧げる生活の始まりから実際的な内容までが詳らかに描かれます。幕間では、熱の溢れるコラムも。 リュックやソラといった猫の名前の由来が響介さんの大好きなファイナルファンタジーやキングダムハーツにあるのも個人的に共感するポイントでした。なお、ちとせさんの絵も可愛いですが、実物の写真集も付いています。ソセコアカミミ。 響介さんは、元々借金のあるところから猫を飼い始めて、猫のために頑張ることで今の生活を手に入れることができたものの、猫のみならず動物を飼うに当たっては基本的に経済力を有していなければならないこと、そして大切な子たちに健やかに暮らしてもらうための大切な覚悟・心構えが説かれます。 あとがきに「保健所や里親に目を向けて」と書いてあるのも素晴らしいと思いました。 ″猫には「いい」か「よい」しかない″ Exactory(その通りでございます) メルヘンかつエモーショナル私は箱 立羽りんご名無し絵本ぽいというか宮沢賢治みがあるというか、すごく独特な世界観で面白かった。 漫画も良いけどショートアニメとかでも観てみたい。天才と秀才、コンビ漫画家の魂のぶつかり合い漫身創痍 野良おばけstarstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。やさしすぎるよ木下くんやさしい木下くん 丸森ちか名無しやさしすぎて、完全に相手の人の気持ちをまったく理解できない木下くんの話。でも結果、めちゃくちゃやさしい世界になったのでやっぱり木下くんのやさしさは正義。 友人の川上くんと見た目の違いがあまりなくて、どっちがどっちかわからなくなる場面がいくつかあった。 「結」から読んでも楽しいかも!松苗あけみの少女まんが道・結 松苗あけみstarstarstarstarstar_borderかしこバブル期に1億5000万円で購入した自宅のローンを返済する為にバリバリ仕事をされていた30代〜40代の頃が中心になっています。松苗あけみ先生が何でもざっくばらんに描かれているので面白いです。こないだ単行本化された「桜の如き君を愛す」の原稿料は1ページ3万円だったらしいので、100P読切だから単純計算で300万円の作品か〜!!とかミーハー心で楽しんでしまいました。このエッセイをきっかけに読んでみたくなる松苗作品がたくさん見つかると思うのでオススメです!能天気で好き私がAVに出演した時のこと教えます 寺藤潤 なぎ野愛ずっと能天気でおもしろいです。エロいから読むというよりこのひと人生楽しそうでいいよな〜みたいな気持ちで読んでます。 ノリでAV出た話が終わったらノリでメンエス始める話になるし、どっちもノリノリでやってて悲壮感がゼロなので清々しいです。 しかも自分で開業してるしよくわからんけどバイタリティがすごいなと感心してしまいます。 風俗絡みのエッセイはちょっと暗さがあるものが多いですが、この作品は楽しそうなので何も考えたくないときにはぴったりです。絵がエロくないので刺激もないし、日常漫画くらいの感覚で読めます。 寝る前にはちょうどいい!120点、、て何だろう。だってワタシ、120点だもの。【単行本版】 本尾みゆきstarstarstarstarstar_borderPom これはまた、すごく闇が深そうな作品だと思いました。 美咲が幼少期にマウントをとっていた瞳たち家族が引っ越してきて、美咲達の生活が変わり始めた。 瞳は知ってて引っ越してきたのか、復讐なのか、何なのか、意味深な所多々あり。 そして表紙の美咲と瞳が怒りにも似た涙を流しているのが印象に残りました。 先が読めず、この先の展開に予測がつかないですが、3巻以降、各々の目線で物語が描かれることもあるのでしょうか。。? 涙と怒りは紙一重、、なのかな。 どうにか生き延びてほしい #1巻応援すべては子どものためだと思ってた しろやぎ秋吾starstarstarstarstar_border野愛どんなホラーよりミステリーより恐ろしかった。 ちょっと心配性で責任感の強いお母さんと、体が弱くて優しい息子。それだけならよくある家庭なのに、心配が愛情がどんどんエスカレートしていく。 いつから愛情でなくなったのか、暴力に攻撃に支配になってしまったのか判断がつかない。明らかに狂ったポイントはあるけれど、その前からずっとずっとおかしい。 どこかで救いがあるのかと思ったけれど、エンターテイメントとして創作された作品ではないだろうしまあこうなるか…と。親がおかしくなってしまったら、子どもは逃げるしかない。そうするしかない。 いつか大人になれば…なんて無責任なことは言いたくないけれど、こんな家庭で抑圧されている子どもがいるならばどうか逃げ場を見つけてほしい。正しい大人を頼ってほしい。どうにか生き延びてほしい。まめで四角でやわらかでまめで四角でやわらかで ウルバノヴィチ香苗starstarstarstarstar寸々日本から失われてしまった"四季"だ…… 江戸時代の考証がしっかりしてるのはそうなのだけど、その風俗豆知識みたいなのを決して押し付けがましくせずお話に上手く取り入れているのがプロい。食べ物が全部美味しそう! 線の省略とかは高野文子っぽくも思えた。サスペンス?ミステリ?絵画の秘密宵子の肖像 鹿島こたるstarstarstarstarstar_borderゆゆゆいったいいつの時代の話かわからなくなる、耽美的な絵柄。 でも宵子さんがいる雰囲気には、この絵柄が合っていると思う。 偶然、自称怨霊の宵子と出会った大学生の華。 未練を果たせば成仏できるかもとのことで、手渡された煤けた絵画のキャンバス。 怨霊とは思えないほど、素敵なお姉さんの宵子さんに、こちらも目を惹かれてしまう。 素敵なお姉さんだけどやはり怨霊のせいか、さらっと、呪いにかかったから死ぬだの、内側から恨みや憎悪が吹き出してくるだの、怖いことを言ってきてくれる。 そこがまた魅力的に思えてしまうんだけれども。 少しずつ明らかになっていく、宵子さんに起きたこともまた興味深い。 焼夷弾ということは、彼女は戦中を生きた人でいいんだろうか。 怨霊でもおしゃれな宵子さん。 宵子さんを失うのが怖い華。 これから、どういう展開になるんだろう。 みかづきマーチの作者セッション! 山田はまち名無しマーチング漫画書いてたので 試し読みできるようになって子どものためって何だろう。考えさせられた。すべては子どものためだと思ってた しろやぎ秋吾starstarstarstar_borderstar_borderPom 数日間は何とも言えない感情が残る作品でした。 今でも、ふとした時に思い出す。 タイトル通り、すべては子どものためだったけど子供は全く幸せではなかった。 母・くるみも、こうた君もお互いにすごく苦しそうになっていったのが個人的にはとても印象に残っています。 親になって母親が子供を心配する気持ちも分かるし、子供としての気持ちも分かるしで、読んでてしんどいなと感じたのが正直な気持ちで、旦那さんが殆ど関わっていなさそうで悲しくもあり、感情移入しすぎてしまったせいか1巻完結なのに読み終わりはどっと疲れてしまった作品でした。。 #1巻応援自分にとって身近だけど知らない世界胚培養士(はいばいようし)ミズイロ~不妊治療のスペシャリスト~ おかざき真里starstarstarstarstar_borderNano不妊治療やら体外受精やら、なんとなく聞いたことあるな~悩んでる人たくさんいるんだろうな~…みたいな、知識もなければこういった漫画にも触れたことない自分の意見にはなりますが、今まで気にしたこともない分野の世界を知ることができる良作だと思います。胚培養士という言葉自体初めて聞いたし、読みながらも自分とは無縁でどこかファンタジーの話みたいだと思ってしまうけれど、知見が広がるし患者のために一生懸命な水沢さんたちはめちゃくちゃかっこいい。 ごく普通の夫婦だったり芸能人だったり、患者だけでなく培養士たちなどさまざまなキャラクターも魅力的で、純粋に漫画が面白いです。今まで知らなかった世界だけど、もっと知りたくなりました。 関係を表現するための言葉が社会に足りていない!煙たい話【単行本版】 林史也starstarstarstarstar_borderゆゆゆ家族?かなと思ったら、冒頭で違うと書かれていた。 友達なんだけど、一般的に想像される友達ではない。 恋人でもない。 一緒にいて居心地がいい人。 それは一体何なんだろう。 じゃあやっぱり友達かな。 でも、それなりの年齢で、共通点は同級生で、それでルームシェアなんて、一般的な友達の枠からズレていて、それを説明するのが面倒。 わかるようで説明が難しい武田くんと有田くんの不思議な関係性。 それから、籍を入れていないけど、子連れ女性と同棲している店長。 けじめを付けるところは付けろと妹を介して伝えてくる老いた親。 話だけ聞いていて、板挟みの姪。 姪にも悩みがあって。 友達に彼氏ができたら友達として遊べなくなるの? 嫌だとは言えないの? 武田くんと有田くんの何気ない日常に加えて、うまくいっているのに、世間の常識に合わせて語ろうとすると、機微がうまくいえない関係がつらつらと紡がれている。 落ちついた関係性に穏やかな気持になりつつ、ちょっと考えさせられる漫画。いま最も尊い純愛はこれいつわりの愛~契約婚の旦那さまは甘すぎる~ 金森ケイタ 上乃凛子ポコニャンめちゃコミックで配信されてる分全部読んでしまった〜。良いですねえこういう純愛は。歳のせいかな?なんか泣いちゃう。 でもまだふたりはすれ違ったまま…早くお互いの気持ちに気づいてよ…ッ!! ただ気づいたらその時点でこの漫画が終わってしまうよね。 きっとラストはこれ以上ない幸せが待っているだろうことはわかるけど、ずっと読んでいたい気持ちもある。フクザツ。<<1011121314>>
『宇宙を駆けるよだか』、『箱庭のソレイユ』、『僕のオリオン』、などでお馴染みの川端志季さんの最新作です。 基本的には集英社系のレーベルでキャリアを重ねてきた方ですが、前作の『世界で一番早い春』で『KISS』を経て祥伝社で連載を開始したときにはとても納得感がありました。 川端志季さんの作品が纏う、仄暗さを纏った空気感。そして時代感覚を捉えた鋭敏なセンスから生み出されるキャラクターたちは、『FEEL』系とも絶妙にマッチしていると思ったからです。期待通り、本作でも開幕からその持ち味を出していきます。 議員の娘である白瀬皓子が国民的人気アイドルグループの烏墨真弘を轢いてしまい、彼女はその贖罪として意識を取り戻さない彼の下で10年の月日を看病に費やしていました。そして、遂に真弘が目を覚ましたことで物語の歯車が回り出します。 ヒロインが重い罪を背負い贖罪をし続ける状態で始まる男女の関係というのは流石になかなか『マーガレット』系列では見られないもので、媒体の特徴も活かした建て付けになっています。父親が参議院議員でその名誉に奉仕するよう定められた運命の不自由さ、息苦しさの描写も流石です。 そういった抑圧がしっかり描かれてていることで、皓子が外の世界を知って束の間の開放感や多くの人が普通に味わう感情を得ていく瞬間のえもいわれぬ良さが際立ちます。 真弘は、皓子のことを恨んでおらずむしろ10年間も付き添ってくれていたことに感謝しているというのがポイントです。ふたりの穏やかならぬ事故から始まった関係が今後どのようになっていくのか。10年間のブランクの先で真弘はどう生きて行くのか。 また、彼らを取り巻く家族や同じアイドルグループのメンバーたちなど脇役も魅力的なのですが、その関係図も複雑に絡み合って今後ますます盛り上がっていきそうです。