少女マンガの感想・レビュー3726件<<12345>>一気読みしたほうがいいクライム・サスペンス漫画 #完結応援ハジメテノサツジン 甘味名無しこの漫画は「思わぬ形で事件の泥沼にはまってしまった子ども達」を主役にしたサスペンス・ストーリーです。 ※事件の泥沼にはまってしまった子ども一覧 ⦿地雷ホイホイお人好し女子・繭 ⦿破壊的地雷サイコパス女子・音 ⦿ある想いを抱くボーイッシュ女子・悠 ⦿何も知らないお人好し男子・陸 ⦿自己愛地雷女(自己愛さん)・咲 綺麗かつ繊細で可愛い絵柄(柔らかいイラストのタッチ)とは裏腹に、イライラ・ハラハラするほどハードな分だけ考えさせられます。 登場人物達の心理描写が「わかりやすく」明確に表現されています。 甘味先生の初連載とは思えないくらいのめり込めるサスペンス漫画で、「図書館とか学校の図書室にも置いてほしい」と思うぐらい軸のブレない漫画作品でもあります。 繭以外の登場人物達の1人を主人公にしたアフターストーリー(後日談)もしくは番外編(外伝)を制作してくれることを望んでいます。 本編では断片的な部分しか明かされていない「音の過去」や「一連の事件が終結した後の繭の家族および陸」の全貌をこの目で見たいです。あるいは、姉(主人公)推しの妹による復讐劇完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる(ガルドコミックス) 綾北まご 冬月光輝 昌未starstarstarstarstar_borderゆゆゆ婚約者の第二王子どころか、両親までも主人公に対する扱いがひどかったので、妹もひどい奴では…と疑ってしまった。 すごく良い子だった。 この両親、この家庭環境でどうして!と言いたくなるほど、優しく、思いやりのある良い子だった。 作中の言い方を借りれば「光」。 玉にキズは、姉に関すること(姉はだいたいひどい目にあっている)になると、穏やかさを失うこと。 姉推しの妹。そして若干ヤンデレ。 主人公の姉は、スパルタ教育と努力の末、「歴代最高の聖女」になった人。 がんばればがんばるほど邪険にされる、ひどい環境のなかでも妹の存在が心の支えになっている。 ほとんど一緒に過ごしていないのに、お互いを思いやる気持ちは他の人と比べ物にならない。 なので、この漫画の最初の見どころは隣国に売られた前後のシーンだと思う。 子を売る親、婚約者を売る第二王子、絶望するなか誰にも連絡を取らせてもらえない姉、何も知らされないまま姉と離れ離れになってしまう妹。 さらにまだ追加でひどい要素はあるのだけど、それは本編にてご確認ください。 隣国での待遇が出身国より良いという、よくありそうな展開なのだけど、隣国は隣国でなにやら事情がありそうで… 思わず最新刊まで一気に読んでしまった。 チートのような主人公のシンデレラストーリーといっていいのかな。おもしろいです。「会社と私生活ーオンとオフー」感想会社と私生活-オンとオフ- 金沢真之介ニーナいやいやいや!こっからの話が読みたいんだって!…という訳で2巻も引き続き読もう(笑) オンの時には会社の同僚(仲良くはない)、オフの時には、かたや女装ロリィタかたや男装パンク…という2人のお話。 そんな2人がオフの時に偶然出会って、互いの正体に気づかずに仲良くなっていく。 現実世界でも、仕事とプライベートでスイッチを切り替える人はわりと多いのではなかろうか。「裏の顔」というと聞こえは悪いが、そうすることで生活にメリハリが出来、仕事に向かっていく活力も生まれるのであれば、あながち悪い事ではないだろう。 そう考えると、真面目でストレスを溜め込みやすい人ほど、実はオンオフの切り替えは必要な事なのかも知れない。鬱展開の復讐小説からジャンルを変えて、どちらへ向かわれるのでしょう。ジャンル、変えさせて頂きます! Garinestarstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。 母が子が本当に旅立つ時神様を殺す子供たち 小宮みほ子starstarstarstarstar_borderPom 史絵莉ちゃんの闇、母親から離れられない苦しさも、母親も子供から離れられなくて本当は苦しい胸の内もまだ経験してないけど、分かる気がする。 心の空虚感を自分自身で埋められた時に、親から本当の意味で自立をして、自分の人生を始めることが出来るのか。なんて事を思った。 決して、母親が嫌いになった訳じゃないんだよね。 史絵莉ちゃんも大輝くんも、自分の人生から、逃げずに向き合って偉いなと最後は、心打たれました。ハムスターかわいい!にあふれた漫画。はむはむづくし はむはむstarstarstarstarstar_borderゆゆゆハムスターを飼っていたことがある人なら、「あるある!!」と知っているハムスター像とすり合わせ、ほのぼのできること間違い無し。 猫だとよくある感じなのに、ハムスターだと新鮮に感じる。不思議! ハムスターを飼い始めると、飼い主が野菜を買うようになるのはとてもよくわかる。 ハムスターのおしっこが臭いのもとてもよくわかる。 回し車は夜になるとよく回していた。消音タイプでもうるさかったけど、時代は変わったらしい。 読んでレビューを書こうとしているだけなのに、かつて飼っていたハムスター話をしたくなる。 だって、うちのコかわいかったんだもの!異世界で小豆を煮て生きていく #1巻応援巻き添えで異世界に喚び出されたので、世界観無視して和菓子作ります 和泉杏花 天乃こと兎来栄寿和菓子、好きですか? 私はケーキなどの洋菓子も好きですが、和菓子には和菓子の魅力がありますよね。これを書いている今日も、どら焼きを食べました。あんこは体に良い成分がたっぷりなのも嬉しいところです。 本作は、和菓子職人となり将来は自分のお店を持つことを夢見ていた24歳の小百合の物語。彼女は、異世界にもうひとりの「聖女」と共にイレギュラーで同時召喚されてしまい、一生をそこで暮らしていくことに。公爵家のセリウス・ラティオールに助けられながら、新たな世界での新生活を始めていきます。 一般的な中世RPG風の世界観ですが、魔物の血によって汚染された地には作物ができず世界的に食糧難になっているというのが本作の特徴です。 そんな状況下で、小百合は厳しい祖父に受けた教えを胸に、家名に恥じないよう自分にできることをなしていこうとします。小百合が基本的に素直で優しくて努力家という好感度の高い主人公で、推せます。 「異世界×和菓子」と聞いたら「1話から和菓子を作って異世界の人が気に入り感動〜」的なストーリーを想像しそうですが、本作ではそのような事情もあり、まずは元の世界での和菓子の材料に相当するものを探すところから始めていきます。そうした、地に足がついている丁寧な作劇に魅力を感じます。 食うに困っている民衆が多くいる世界で、甘い和菓子を頬張って幸せを噛み締める子供や老婆の姿には心が温まります。美味しいものをお腹いっぱい食べられるというのは、当たり前ではなく感謝すべき大いなる幸福なんですよね。 そして、本作のもうひとつの軸が、小百合とセリウスの関係です。こちらも一足飛びで男女の仲になるわけではなく、セリウスが自分にとって異性と関係を築く上で致命的であると思っていたポイントが、小百合にだけは当てはまらず特別な存在であることが解っていくなど少しずつ段階を経ていきます。 柔らかで優しいコミュニケーションを通して徐々に仲が深まっていく様子が何とも言えず微笑ましく、応援したい気持ちにさせられます。 大きな物語としては、クセのあるもうひとりの「聖女」の動向やおまけ扱いであった小百合に秘められたものなどもあり、お話の引きとなっています。 カバー下もとてもかわいく、和菓子好きとしては応援したくなる作品です。 流麗に描かれる楊貴妃と四神たち #1巻応援楊貴妃、綺羅羅 中澤泉汰兎来栄寿夢枕獏さんによる戯曲「楊貴妃の晩餐」に叶松谷さんが器を作り天野喜孝さんがイラストを添えた豪華なコラボレーションを原案として、『きみを死なせないための物語』にも協力されていた中澤泉汰さんが精妙な絵でコミカライズを果たした作品です。 「あなたの四神はどこから?」 という話題が一時期流行っていましたが(私は『幽☆遊☆白書』です)、本作はやがて王の妃となり楊貴妃と呼ばれる楊玉環(ようぎょくかん)が朱雀・玄武・白虎・青龍の四頭の聖なる獣たちが人間となった姿と関係していく物語です。 何しろ世界三大美女である楊貴妃が主人公。となれば、マンガ化するにあたってはその美しさをヴィジュアルで表現する必要があります。その点で、中澤泉汰さんが見事に楊貴妃の美しさを絵で表現していることは単行本の表紙からも一目瞭然でしょう。着飾っている姿はもちろんですが、ひとりになって弛緩した瞬間の髪を結っている所作なども非常に艶やかで美しいです。 また、楊貴妃のみならず物語の主軸である四神が人へとなった姿もまた麗しく、複数人の美形男子と運命性を感じさせる関係を連ねていくのは少女マンガとしてとても強い部分です。 彼らがどんな人物となっているのかは読み進めていくと解りますが、歴史的には非常に著名な人物たちの競演となるので、ある種『Fate』シリーズ的な楽しみもあります。 幼くして本当の両親を喪ってしまった上に、自由意志を持てず命じられるがままで、常に男たちの欲望に晒される玉環の運命は過酷なものですが、それ故に引き立つものもあります。今を生きる人にも共感されるところは多分にあるのではないでしょうか。 戦後すぐに生まれ伝奇的な作品を得意とする夢枕獏さんの傑出した想像力が生み出す魅力は、今読んでも損なわれません。 中華ファンタジーが好きな方、美麗な絵で描かれる恋愛譚が読みたい方、複数の美形が登場する作品に興味がある方に強くお薦めします。 余談ですが、スペシャルサンクスの中に菅野文さんのお名前があったことに「おお!」となりました。呪いか何かで奪われたのかと思いきや異世界で姉に名前を奪われました 琴子 NiKromestarstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。一癖二癖あるキャラクターたちが面白いぼんくら陰陽師の鬼嫁 秋田みやび 遠野由来子starstarstarstarstar_borderゆゆゆ北御門皇臥と名乗る、由緒ある陰陽師だという男。 小学校の頃、親の職業を発表する際、「陰陽師」と正直に言って周囲から辛い視線を送られたことで、陰陽師が普通でない職と気づいた。 名字は北御門といかついが、本当の名前は普通。嫁は皇臥と読んでくれるが、母親は本名で呼ぶ。 仕事柄、キラキラネームのほうがやりやすいらしい。陰陽師って、大変。 おまけに、物語では今まで人に譲っていた苦手なことをどんどんやらされている。 養う人が一人増えたからと、鬼嫁は言う。 彼の設定が一つずつ明らかになるにつれて、おもしろいなあと思ってしまう。 悪人になりきれない母も良い性格をしている。 あと、異常なほど知識を吸収したがり、どんどんと覚えていく主人公(嫁)も実は変わっている。 貧乏性設定のせいで、姑の嫌がらせが嫌がらせになりきらなかったりする。 読んでいると、話が飛んでいるような気がすることがあるのだけど、原作小説だとその穴が埋まっているんだろうか。 どっかでみたような設定の寄せ集め&痛いジョジョネタタブロウ・ゲート 鈴木理華名無し※ネタバレを含むクチコミです。ラズライトの意味を知ると。。#1巻応援8月の日記はラズライト 松月滉starstarstarstarstar_borderPom お父さんに、天藍(てんらん)と言う名の小3の男の子と1ヶ月一緒に住んでくれと言われた娘の誠。 天藍くん、小学生で影のある男の子だなぁ〜 そして誠と天藍の、会話が相性良さそうで読んでいて楽しい。 まだ小さい天藍くん、口調も考えも大人びてて(無理してる感もあるのか)小さな騎士の様でかっ こいいなと思ってしまうけど。。 この1ヶ月、何が起きて、何を感じて、どんな夏になるのだろう。 切なさ悲しさを抱えて見える天藍くんが楽しい日々で溢れると良いな。おもしれーヒーロー、ヒロイン沼すぎてもはや恋 空垣れいだstarstarstarstarstarNano「一生ファンさせてください!」オタク女子主人公きた~~!最近流行りぽい。でもマジで狼谷くんがちょい陰の者でおもしれー男で可愛すぎる、ずるい!!オタクあるあるなのか主人公桐野ちゃんもおもしれー女で、狼谷くんを「尊い…」と影から見つめる目が笑える。けど分かる。そういう感情…身に覚えがありすぎて…。 同じ次元どころか同じクラスに推しができたらこんなにも楽しそうなのか…いいなあ…!!沼に沈むのは楽しいよねえ…^^ 狼谷くんほしいです、自分の近くに…!くっ、学校に通う年齢であれば…ワンチャンあったのに…!!(?) 2話も可愛すぎる…。間に挟まる4コマも好き。寺ちゃんよい友達…。 「氷の城壁」感想氷の城壁【タテヨミ】 阿賀沢紅茶ニーナ予想を遥かに越える傑作だった!わりとボリューム多めにも関わらず、あっという間に最終話まで読み終えていた。登場人物達にここまで感情移入してしまうのは、それぞれの掘り下げが丁寧に描かれているからに他ならない。ひとりひとりが自分の内面と向き合い、悩み葛藤しながら乗り越えようとする様は、見ていて痛々しくもありキラキラ眩しくもある。…そして、壁を越えた先にはちゃんとキュンキュンもあるし(笑) これぞ青春だわ!読んでみて良かった漫画!氷の城壁【タテヨミ】 阿賀沢紅茶吉川きっちょむ(芸人)読み始めたら、ほどよい心地よさでずっと読み続けてしまうタイプの縦読みフルカラーマンガ。 中学時代にいろいろあったり、人と接するのが苦手な元々の性格も相まって高校に入ってから他人を拒絶してしまう主人公の氷川小雪ちゃん(通称:こゆん)。 求められる役割を演じて疲れてしまう幼馴染の活発な美少女・安曇美姫(あずみみき)。 ひょんなことから知り合ったイケメンでチャラくて冷めたとこもあるけどコミュ強でいいやつの雨宮湊(あまみやみなと)。美姫が中学時代に通っていた塾の友達で同じ学校に入った。 同じく塾の友達で現在同じ学校の背が高く気が優しい日野陽太。 クラスで孤立して目つきが悪いこともあって若干怖がられて距離を取られてることに居心地に良さを感じている「こゆん」と、陽キャで人気者の美姫はよく遊んでおり、とあることをきっかけに陽太と湊もその輪に入り、少しずつ仲良くなっていく。 そんな4人の「好き」の矢印や、抱えている過去や現在進行形の悩みやトラウマなどがゆっくり紐解かれてまたこじれて描かれていく青春模様がとても面白いです!! こゆんの作った他人との間に作った「氷の城壁」が溶けていく様子とそれぞれの変わりゆく関係が見どころ! こういう学園ものの漫画のキャラって属性とかステレオタイプなキャラにはめ込んで記号的になってしまうこともある(もちろんそれが良いときもある)と思うんですが、この作品はちゃんと一人一人のキャラクターがしっかり掘り下げられていて、読んでいるとそれぞれが意思を持った個人として浮き上がってきて、ちゃんと彼らの言葉で話して行動している感覚があって好きです。 一人一人の人格の解像度が高い。 『氷の城壁』は、個人で描いていたものがLINEでの公式連載になり、現在では集英社のマンガMeeでも掲載されているようですね。 https://manga.line.me/book/viewer?id=161f5cd9-dd8a-428d-ac4b-ce87e08fc47f 読んだきっかけは、ジャンプ+に掲載された読切『正反対な君と僕』でした。 https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331787337964 読んだあとピュアなギャルと塩対応真面目系男子の恋に「おもしれー!」と思って作者の阿賀沢紅茶先生調べて、お!他で連載やってんじゃん!と、でも少女漫画っぽかったので普段あまり読んでないから少しだけ抵抗があってすぐには読めず、時間ができたときに読み始めてみたら、あれよあれよという間に一気に最新話まで読んでしまった!! 読切を読んで面白いと思ったんだから自分の感覚を信じてすぐにでも読んでおけばよかった…! あまり他の作品を引き合いにだすのもよくないかもしれませんが、僕がそうなので「ホリミヤ(堀さんと宮村くん)」のようなスクールライフを描いた雰囲気が好きな方は好きなんじゃないかなと思います! ぜひ!『女』って・・・。愛すべき娘たち よしながふみ干し芋『女』ってめんどくさいって思ってしまう。 けど、そういう生き物ってことも分かっている。 そして、関係が深ければ深いほど、本音が中々言えなかったり、言わなくても分かって欲しいと思ったり、言っている事と、思っている事のギャップを感じ取ってほしいと思ったり・・・。 そんな、身近にいる誰かに当てはまりそうな愛すべき女たちがたくさん出てきます。 私は、麻里さんの生き方が好き💓 自分では、できないけど・・・。 できないからこそ、羨ましい🎵 積極的な推し活沼すぎてもはや恋 空垣れいだstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ沼とか推しと言いながら、ウェイウェイな女の子が転校生にウェイウェイと積極的な推し活をしている。 でも、主人公が積極的な推し活に励んだことで、「暗黒微笑」とか言い出す前に、狼谷くんがこじらせ態度をあれ以上こじらせる前に、踏みとどまらせることができた。 彼女は一人の少年が悶絶する未来を救った。 彼はアニメから抜け出した人でなく、未来ある高校生(設定)なのだから。 あんな態度を続けていたら、将来は壁に頭をぶつけ続けていたかもしれない。 そして主人公のウェイウェイっぷりに比例するように、ページをめくるとちょいちょい現れ始める、イケメン態度の狼谷くん。 マスクをちょいとずらして顔を見せる仕草やら、壁ドンやら…。 その姿を見るたびに、先生にすら闇の世界の人を発揮したヤバいヤツっぷりを思い出して、保護者のような気持ちになってしまう。 やる方もきっとはずかしいよね。 イケメン態度と闇の人の境目は、紙一重なんだろうか。 なんだか新鮮な、恋愛モノ少女漫画。B級恋愛ミステリー後宮香妃物語 橘ミズキ 伊藤たつきstarstarstar_borderstar_borderstar_borderパイナップル皇太子が元々小さい頃に主人公と会っていて惚れている、、、段々好きになるという工程がなくて恋愛としてはつまらない。少女マンガSFを進化させた名手の珠玉の傑作選 #1巻応援佐藤史生 傑作短編集 夢喰い 佐藤史生兎来栄寿『総特集 佐藤史生』と同時発売となった、佐藤史生さんの傑作選です。 代表作のひとつ「金星樹」から始まって、 「レギオン」 「阿呆船」 「夢喰い」 「バナナ・トリップに最良の日」 「羅陵王」 「塵の天使」 「一角獣にほほえみを」 の8つの物語が収録されています。 また、巻末にはデビュー前にスケッチブックに描いたものもいくつか掲載されています。 まったく佐藤史生さんに触れたことがないという人に、最初に渡す1冊としては非常に良いものでしょう。 石ノ森章太郎さんと同じ高校の出身で、水野英子さんの「星のたてごと」を小学生のころに読んだのが原点という佐藤史生さん。 『総特集 佐藤史生』の方では、いわゆる大泉サロンに佐藤史生さんが出入りし、やがて自身の専属アシスタントも務めるようになったことや、60手前にして亡くなってしまった後のことなども萩尾望都さん自らがマンガで描かれています。『一度きりの大泉の話』で語られた以上の過去のお話はもう聞けないかと思っていましたが、こんな形で、こんなにも強く切なる想いの丈を知ることになるとはと目頭が熱くなりました。 佐藤史生さんはどちらかというと読み手として満足していた部分があったそうで、デビューは26歳と当時としては遅咲きです。しかし、そのデビュー前に描かれた「一角獣にほほえみを」などを読んでも非凡な才気が溢れているのは明白です。 表紙にもなっており代表作『ワン・ゼロ』に繋がる「夢喰い」や、SF専門誌に掲載された「阿呆船」なども今改めて読んでも完成度に唸ります。「金星樹」のラストは言うに及ばず大好きです。 メカを描くのは苦手だったそうですが、それを補ってあまりあるSFや神話などから広く着想を得た魅力的で壮大な世界観。そして、あくまで少女マンガにこだわりたいという想いからこめられている少女マンガ特有の繊細で美しいロマンティシズム。カラーもモノクロも絵が美しく、コマ割りのリズムも非常に巧みです。 70年代に高度に発展した少女マンガ、また少女マンガの領域におけるSFの遺伝子を色濃く継承し、発展させ後世に繋いだ第一人者としての卓抜した力量を存分に感じさせてくれます。 6月28日から米沢嘉博記念図書館でまた新たな原画展も始まるそうです。 この一連のムーブメントを機に、特にSF好きの方は触れてみてはいかがでしょうか。丁度先日、今年の星雲賞が発表されましたが、ノミネートまではされたものの1度も受賞していないのが不思議なくらいの方です。 学園恋愛のバラエティパック #1巻応援星影作品集「大嫌いなキミに」 星影兎来栄寿『愛の存在証明』の星影さんが2020年〜2024年にかけて描いた短編を集めた1冊です。 「大嫌いなキミに」は、母親が弟を妊娠している間に父親が不倫し、中二のときの彼氏には3股され男性不信になってしまっているヒロインの物語。 「好きです、先輩」は、とにかくバスケ部の先輩が好きで毎日挨拶のように好意を伝え続ける女の子のお話。 「猫宮くんに絆される」は、恋愛に興味のないヒロインが猫のような後輩をやたら構ってしまう話。 収録されている5編は形は違えど学園恋愛ものとなっており、少女マンガ読者のハイスタンダーズを叶えてくれる作品集です。王道のツボを押さえつつ、それぞれのヒロインの造形や関係性の構成の仕方に持ち味がたっぷり出ています。 星影さんは一番古い「刹那のインフェルノ」のときから絵の魅力がありどのヒロインもみんなかわいくて好きですが、この数年で更に磨きがかかっているのを感じ取れます。 その「刹那のインフェルノ」のお話の切り口は特に作家性が表れているところで、『愛の存在証明』にも繋がる部分を感じます。星影さんは濃厚な百合を描いても素晴らしいものが描けそうだなと。 個人的にこの作品集の中でも特に好きなのは最後の「一瞬間の青」です。弓道を題材にしており、ヒロインが同い年の男の子の射に一目惚れするも、同じ高校に入学したときにはなぜか弓道を辞めて女遊びに精を出していて……というところから幕が開けます。短編ではありながらも、心に沁みる内容で「人生」を感じました。クライマックスの見開きの使い方、そこからの真っ直ぐに届けるモノローグが素敵です。 最後の描き下ろしおまけマンガは、とても良いご褒美でした。 王道の少女マンガ成分や恋愛を浴びたい方には特にお薦めです。『愛の存在証明』も併せて読むと、星影さんの引き出しの豊かさをより感じられて良いと思います。相変わらず最高であった三拍子の娘 町田メロメstarstarstarstarstarさいろく連載で読んでいたため単行本版を未読だったのです。 単行本版も買わなきゃ、と気づいたのはついさっきで、すぐ買ってみたら加筆がめっちゃあったのでは?もしくは私の記憶がスッポリ抜けたのでは?というぐらい新鮮で、かつ安心するぐらい相変わらずの最高ぶりであったのです。 三姉妹みんな超良いんですが、中でもとらちゃんが大好きでした。 要所要所でいい女なところが隠せてない(隠す気も出す気も特にないのがいいところだが)のがまた良くて、普段がクイーン・オブ・ガサツなのもまた良いのですよねー いやぁ、完結まで読んだんだっけな?と思い返しながら3巻完結を読み返すの最高です。町田メロメ先生の絵と色遣いと台詞回しと、本当に素敵。来た人を幸せにするお店・熊猫亭まんぷく!熊猫亭 くろだまめた名無し1話目から感動的なお話でした。もし熊猫亭が実在したら行ってみたい。 年下男子、大アリ!!!!かわいすぎる男子がお家で待っています 単行本版 高瀬わかstarstarstarstarstarあいざっくハルくんがめちゃくちゃ可愛いのですが、家事をはじめとした主人公のお世話も完璧で、更に時々かっこいい男の顔も見せるのが、もう色々最高です、、、!!! 年下男子男子アリすぎると思わされました!! 主人公のレオのあっけらかんとした性格も好きなのですが、鈍いレオがハルちゃんにドキドキし始めるのも可愛いくて好きなポイントです。 ぜひ皆さんにおすすめしたい作品です。THE少女漫画なふわふわな絵柄。虫かぶり姫 喜久田ゆい 由唯 椎名咲月starstarstarstarstar_borderゆゆゆ登場するは、キラキラな王子様と、ぼんやりとした本の虫のお姫様。 お姫様はぽやぽやしているのに、その知識量と本への愛は半端ない。 実は何度か読んだ覚えはあったけど、一巻の先まで読んだのは初めて。 どうして続きを読まなかったか、記憶にない。 お姫様は、身につけた知識の凄まじさに気づいていない、親兄弟も本の虫だから気づかない、でも知識で無双している。 めちゃくちゃな状況が起こっているのに、本を読みたい主人公にとって、それは蚊帳の外の話。軽く流されている。 主人公視点だと、波乱が起きてもポヤポヤして見える。 第一巻は、建前上の婚約者に真の恋人出現?!し、そんな状況が揺るがされる。 主人公視点だと、なかなか揺るがなかったけど、ちゃんと揺らいだ。 穏やかに本を読みたい一族が、読みたすぎてとても楽しい。<<12345>>
この漫画は「思わぬ形で事件の泥沼にはまってしまった子ども達」を主役にしたサスペンス・ストーリーです。 ※事件の泥沼にはまってしまった子ども一覧 ⦿地雷ホイホイお人好し女子・繭 ⦿破壊的地雷サイコパス女子・音 ⦿ある想いを抱くボーイッシュ女子・悠 ⦿何も知らないお人好し男子・陸 ⦿自己愛地雷女(自己愛さん)・咲 綺麗かつ繊細で可愛い絵柄(柔らかいイラストのタッチ)とは裏腹に、イライラ・ハラハラするほどハードな分だけ考えさせられます。 登場人物達の心理描写が「わかりやすく」明確に表現されています。 甘味先生の初連載とは思えないくらいのめり込めるサスペンス漫画で、「図書館とか学校の図書室にも置いてほしい」と思うぐらい軸のブレない漫画作品でもあります。 繭以外の登場人物達の1人を主人公にしたアフターストーリー(後日談)もしくは番外編(外伝)を制作してくれることを望んでいます。 本編では断片的な部分しか明かされていない「音の過去」や「一連の事件が終結した後の繭の家族および陸」の全貌をこの目で見たいです。