Re:blue

20歳JKの甘い受難 #1巻応援

Re:blue 加瀬まつり
兎来栄寿
兎来栄寿

加瀬まつりさんの初連載作品。 中卒の工場労働者だった主人公が、缶ビール片手に高校に入学する方法を調べながら20歳で初めて高校に通い始めてJKになるという少し異色の設定ではありますが、別マ色全開のラブストーリーです。 自分が20歳で、何なら同級生よりも新卒の教師の方が年が近いという状況であるため自分から男女問わず一線を引いてしまうものの、それをどんどん突き崩されていく攻防に思わず顔が綻んでしまいます。 ヒロインの吉野さんは黒髪ロングの清楚系美人で見た目では20歳とは判らず、個人的に応援したくなる要素しかありません。加瀬まつりさんの作画が良くシンプルにかわいい上に、絆されていく場面のかわいさは尚更です。1話最後の表情とか、私服のときの表情とか最高ですね。 高校生の時分の1歳差って極めて大きいので、ましてや5歳差があると相当意識はしてしまうところではあると思いますが、半世紀少し経とうものなら75と70でほぼ誤差ですからね。末永く幸せに爆発して欲しいです。 良い少女マンガは脇役も良い法則から見ると、同じクラスで早々と友達になってくれる美山さんや小村崎さんら、友人キャラもいい感じです。個人的に好きなのは、若宮くんを追いかけて高校に入学した謎のオタク系ぽっちゃり男子。 初連載作品とは思えないほどの安定感があり、単行本発売を機に今後ますます人気が出ていきそうだなと感じます。今後も楽しみです。

アイドルを探せ

80年代カルチャーと花の女子大生ライフ♡

アイドルを探せ 吉田まゆみ
かしこ
かしこ

私は一応平成生まれなので80年代のカルチャーに疎いのですが(大江千里は名前だけ知ってる…くらいのレベル)、それでも面白かったのはやっぱりあの時代そのものに魅力があったのと、それを描き切ることが出来るパワーとセンスを持っている吉田まゆみ先生だからこそだと思いました。アイドルを探せを連載していた「mimi」という雑誌のことも初めて知りました。講談社から発行されてた10代後半の女性向けの漫画雑誌(主な連載作品はあさきゆめみしや白鳥麗子でございます!)で、アイドルを探せは当時大人気でドラマ化や映画化(ちなみに同時上映はLet’s豪徳寺!)もされたそうです。 「アイドルを探せ」といっても「私にとってのアイドルは誰?」という意味なので要は普通のラブコメなのですが、生まれも育ちも東京でオシャレな主人公のチカちゃんが風呂無しの木造アパートで一人暮らしするところとか、自分でも手が届きそうな夢の世界を見せてくれるので共感しちゃうんですよね。主人公は花野女子短大に入学したチカちゃんですが、漫画家志望のカンロちゃんとバスガイドをしている千明さんもアパートの入居者であり準主役です。ショートカットが可愛いチカちゃんはモテモテでいかにも主役って感じがいいのですが、地味でモテなかったカンロちゃんの恋が成就したことが何よりも嬉しかったです。番外編もカンロちゃんの話が一番好きでした。どうやら続編「夜をぶっとばせ」があるようなので、そちらも読んでみようと思います!

嫌われ令嬢は愛されたい

鈍感すぎて、でも正直で、ちょうどいい2人なのかもしれない。

嫌われ令嬢は愛されたい 鶏冠勇真 新見まにも
ゆゆゆ
ゆゆゆ

王子の言葉に傷つけられ、嫌われ者として仕立て上げられているヒロイン。 彼女を美しいと真っ直ぐに伝えるヒーロー。 素直になれない、当て馬の王子。 よくある設定なのにコミカルでおもしろいのは、ヒーローが空気を読まずに馬鹿正直なせいか、ヒーローが数少ない光魔法の使い手というヒロイン枠の能力持ちせいか。 それとも、教師陣が当て馬王子へ忖度しすぎてヒロインが割りを食い、空気を読めないヒーローが忖度して作り上げたフラグを叩き折り、ヒロインも残りのフラグを踏み潰すせいか。 学校の貴族男性陣は王子の気持ちをわかっているのに、貴族女性陣が理解していないせいで、当て馬王子のフラグが真横からも叩き割られるせいか。 こういうタイプのキャラクターが好きだよなあ、と読みながらしみじみしてしまった。 追記 当て馬王子の主人公に対する酷い言動について、外野女性陣は本心からと思っていて、外野男性陣はこじらせた恋と思っている理由。 「恋してたら好きな女の子にちょっかい出しても仕方ないよね。好きなんだもん。多少酷くても許されるよね」と外野男性陣はこころの何処かで思っていて、外野女性陣はそんな傷つけられ損の「考え方」を認めていないからでは…とふと考えてしまった。

今世は当主になります

パワー以外、強くてニューモード

今世は当主になります Mon、 Antstudio
ゆゆゆ
ゆゆゆ

翻訳縦読み系って、第1〜3話くらいでエンディング付近というか、大逆転後の今が描かれているので、途中で読み直すと「あ、この人、こういう人だったんだ」と再理解できて、二度美味しいですね。 ただ、オチのネタバレになっていることもあるので、苦手な人は苦手かもしれません。 もし、これが推理モノだったら、黒ずくめでない人物が描かれていて、その人が犯人と明らかになっているのか、もしくは殺されなかった人がわかってしまうのか。 脱線しました。 名家の子であるものの、親戚従兄弟たちから虐げられてきた転生主人公が、幼い頃へ再び蘇りやり直すお話です。 彼女とその家系を蔑ろにするクズみたいな従兄弟や親戚、王子たちに対して、10倍でやり返したり、過去の記憶で虐げられていた人たちを救ったり、敵の儲け話があれば未来を知っているパワーで正々堂々と奪っていったり。 そういえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、くじの当たりを知って大儲けする適役の話があったなと、ふと脳裏をかすめます。 作中でしばしば言われる「ロンバルディだから許される」は、漫画が違えば悪役になりそうなほど横暴な言葉だけど、その横暴さをもってティアもお祖父様も勧善懲悪していくのが痛快です。 それなら身も心も成長していく主人公ティアたちもなかなか見ものです。 大きくなります。 このままヒロインとヒーローがおじいちゃん・おばあちゃんになるまで続くんでしょうか。 どこまでティアのやり直し人生は描かれるんでしょう。