兎山女子高校2年1組!!

女子校のゆるい空気感の良さ #1巻応援

兎山女子高校2年1組!! 清水幸
兎来栄寿
兎来栄寿

2023年も気付けば折り返していますが、卯年に読みたい作品がまたひとつ登場しました。 今の『週刊少年マガジン』はとにかくラブコメ激戦区なのですが、その中で一際異彩を放っているのがこの作品です。 女子校が舞台といえばお嬢様高校かそうでないかで分かれますが、本作は後者。気取らず飾らず等身大の女子高生たち、そして彼女たちの担任である倫理教師の水戸耕平(31)を中心として、ゆるく楽しく姦しい日常を過ごしていく姿がコミカルに描かれます。 私は、耕平に密かに好意を寄せる生徒・牧田が特に好きです。かわいかったり、少し暴走したりする牧田の言動は程よくラブがコメっていて良いです。それに対して、耕平がとてもフラットな反応なのもまた良い味が出ています。 ただ、特に何も事件が起きていなくても日常の掛け合いだけで面白いのが才能を感じさせます。生徒も教師も個性豊かなキャラクターたちが入り乱れ、10代のころを思い出す仄かなノスタルジーと、たっぷり入った笑いが心地良く毎回楽しみな作品です。 筆者自身が女子校出身で、しかもまだ10代ということでフレッシュな記憶や体験を元に描かれているという部分も大きいのかもしれません。個性的なキャラクターたちにはモデルがいそうです。 『あずまんが大王』から『女の園の星』まで、女子高生たちの若いエネルギーが生み出す笑いが好きな方にお薦めです。

異世界ウォーキング

まったり異世界系がちょうどいい

異世界ウォーキング 小川慧 ゆーにっと あるくひと
六文銭
六文銭

異世界系漫画というと、スキルを駆使して(たいてい最初は弱かったりするが)なんやかやで最強になっちゃうバトル系が多いのですが、本作はちょっと違う。(3巻時点) 主人公のスキルは「ウォーキング」という、どんなにも歩いても疲れない程度のスキルで、そんなのだから異世界を練り歩いて楽しもうとする感じがまったりして心地良いんですね。 トコトコ歩くだけで、その世界の設定や雰囲気をゆっくりと楽しむ感じが、異世界を旅行しているような気分になります。 メインも「お使い系」(どこどに〇〇を運ぶ的な)のクエストをやっている感じ。(最新刊になると、ちょっとしたバトル要素もありますが、) 歩く歩数で、レベルアップもしているので、気づけば超強くなっているとかあり得そうですが、今のところは、ひょんなことで出会った冒険者の女性2人と料理したり、イチャコラしたりでのんびり旅を続けています。 これが読んでいて、ちょっとした癒やし効果があり、血沸き肉踊るバトル系の異世界モノとは違った楽しさがあるので、異世界ジャンルは好きだけどそういう作品に食傷気味だった人におすすめしたい1作です!