空気の底

名作・佳作揃いの短編集!

空気の底 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

「オッス!おバンです ぼくは田所満男 徹夜で勉強机を前にウンウン唸っている諸君! それともグロッキーになってゴロ寝でうとうとしている諸君! 聴いてくれたまえ そして話しあおうモロモロの人生論 そして音楽を!」 の名台詞でお馴染みのカタストロフ・イン・ザ・ダークも収録された短編集です。漫画アクションやビッグコミックの好評を受けて秋田書店から刊行された青年向けマンガ誌「プレイコミック」創刊から掲載された手塚先生による短編を集めたものです。 手塚先生の青年向けマンガは長編も短編も粒ぞろいでハズレがないのですが、こちらも短編ということで小粒ながらもピリリと辛い珠玉の作品たちが収録されています。手塚先生もこのシリーズはかなり気に入られていたようですね!聖女懐妊の最後のページは神秘的で感動ものでした! 収録作品は以下のとおりです。B6版の全集とは違ってるので、そこは注意です。 空気の底シリーズ  Lジョーを訪ねた男  L野郎と断崖  Lグランドメサの決闘  Lうろこが崎  L夜の声  Lそこに穴があった  Lカメレオン  L猫の血  Lわが谷は未知なりき  L暗い窓の女  Lカタストロフ・イン・ザ・ダーク  L電話  Lロバンナよ  Lふたりは空気の底に 処刑は3時におわった おそすぎるアイツ 聖女懐妊 帰還者

あした天気になあれ

ちばてつやマジック!!

あした天気になあれ ちばてつや
酒チャビン
酒チャビン

あしたのジョーでお馴染みのちば先生のもう一つの代表作ですね(他にも多数ありますが)!小さい頃、蓄膿症だったので耳鼻科に超通院していたのですが、友達とも遊べないという罰ゲームのような通院の中、砂漠に咲いた一輪の花のように私の心の潤いとなってくれたのが、「1・2の三四郎」とこちらの「あした天気になあれ」です! さりげに「あした」で揃えていて、ちば先生の明日好きが伺えます!!この辺り何か良さげなエピソードが隠されているんでしょうか?? 大人になって、改めて懐かしみながら再読してみたのですが、あれ・・・??こんな感じでしたっけ?? あしたのジョーの時にも書いたのですが、なんか主人公(太陽)のキャラが思ってたのと違う・・・こんなにイケ好かない感じでしたっけね?? 小太りの体型と、超有名な「チャー!シュー!メーーーン!」の掛け声から、てっきり気さくで朗らかでひょうきんなキャラで覚えていたのですが。。。 と思ったら徐々にキャラ変していきましたね!それでこそ我らが太陽!! 内容の方も、ゴルフというテーマと相まって、単純な「ドカー!!バキーー!!」みたいな熱血スポーツものと一線を画し、心理戦や自分自身との戦いなど奥深く、とても面白く読めます!!!ゴルフマンガ、意外といいですね!私ゴルフやらないのですが、ゴルフマンガにハマりつつあります!!

プロゴルファー猿

A先生渾身の大長編ゴルフマンガ!!

プロゴルファー猿 藤子不二雄(A)
酒チャビン
酒チャビン

本邦初のゴルフマンガとのことですね。しかも少年誌である週刊少年サンデーで連載です。当時ゴルフは確かに親父たちには人気でしたが、子供たちにとっては、日曜夕方にゴルフ中継を見させられるので、どちらかというとムカつかれる存在だったように記憶しているので、編集部としてもかなりチャレンジだったのではないでしょうか。 ただ、ファミコンでも初代ゴルフはもちろん、マリオのゴルフなどもあって、それらは一定の人気を誇っていましたから、ゴルフ好きの子供たちもいるとのメーケティング結果もあったのかもしれません。ただ、ゴルフ好きの親に吹き込んで買わせていた友達も一定いましたが。 マンガというよりアニメの方が有名だと思います。「ワイは猿や!プロゴルファー猿や!」の咆哮とともに流れるOP主題歌は名曲だと思います。子供向けらしく「旗包み」や「岩がえし」「モズ落とし」など奇想天外な必殺技は、当時かなり子供たちの心を鷲掴みにしました!!!ただ惜しむらくは、ゴルフクラブは触ることを禁止されている家庭が多く(凶器にもなるので)、棒やバットで代用しようとしてもゴルフのようにボールが上がらないので、マネしずらいといった点がありました。。マネしやすい環境があれば、もしかするとキャプテン翼を見てサッカーが大人気になったように、プロゴルファー猿でゴルフ人気が高まるといった世界線があったかもしれません!! しかし22巻とは思ったより続きましたね。。。あした天気になあれ(58巻)にしろそれ以降のゴルフマンガにしろ、長寿マンガが多い気がします。熱烈な固定ファンがつきやすいテーマなのでしょうか。

スリル博士

サンデー創刊号からの連載作品!!!

スリル博士 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

日本初の週刊少年誌「サンデー」と「マガジン」(同日創刊)。そのサンデーの創刊から連載された看板作品です!! この際、サンデー側から専属契約を提示されたようで、手塚先生は専属自体は断ったのですが、「他の週刊少年誌には書かない」くらいの約束はされたようです。実際、そのすぐ後にマガジンから執筆の依頼があったようですが、書くことはなかったようです(その代わりクイズコーナーをやったみたいです)。 内容は「スリラー」となっていて、マイケルジャクソンに毒された私の感覚からすると「スリル」とか「スリラー」というのはなんか恐怖ものや怪奇ものを想像してしまうのですが、そうではなく、ミステリーとかサスペンスといった方が近いと思います。 序盤はそれなりにサスペンスが効いてますし、スリル博士が医者ということもあって、ちょっとブラックジャックを思わせる面白さがありました。ですが、中盤以降少しダレ気味になってしまっているように思います。もともと1話完結の形式で考えていたそうなのですが、小学館から「せっかく週刊で毎週出るのだから大長編の続きものを」との注文があったようで、そこから調子が出なくなったようです。せっかくブラックジャックっぽさがあったので、もし1話完結もので続けてたら名作になっていたかもしれませんね!!!