あらすじ頭の中で考えたことが、周囲に勝手に伝わってしまう奇病・サトラレ。女子高生サトラレ・海崎千景の頭の中は毒舌でいっぱい。趣味は官能小説を読むこと。そんな千景は父親と2人暮らし。父親は仕事人間で、サトラレを守る対策委員による千景の日常報告も「メールで送ってくれ」と冷たく言い放つ。親子の会話はなく、千景は愛情に飢えていた。荒れる思念の中には母親への想いも。対策委員たちがなんとか親子関係を修復させようと乗り出すがーー。
「サトラレ」って似たようなタイトルの作品があったな〜と思って読んでましたが、これスピンオフに近い作品だったのですね。私はサトラレは読んでなかったのですが、とても面白かったです。 まず、主人公のサトラレ千景ちゃんは天才だけど、多くの人には心を閉ざしていて心の中で不安であったり悪意のある罵詈雑言を日常的に周りに発信しています。 でも何か憎めないというか、思考にシンパシーを感じました。ちょっと面倒な子だけどたまに友達を心から心配する気持ちが漏れ出たときなど、かわいいところがあります。 また、サトラレを全面サポートする同世代の子たちは公務員という設定で、子供と大人の間の何とも言えない10代後半の気持ちや考え方がとてもリアルです。 新たな仲間や、思いもよらない敵対者が出てきて、千景はさらに心を振り回され始めるのですが、それが全部周りに伝わっている設定、それを優しくケアする未成年公務員たち、斬新な設定と笑いうまく取り入れた素晴らしい作品だと思いました。