貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔”として仕える世話係の「生き人形」。来客のない奇妙な館には、今日も煤と黄色い声が、舞う――。
来客のない奇妙な館には、見たこともないことがたくさん起きる。そして、何事もなかったように、また貴族の真似事が始まり、“お披露目”の日が近づく――
一人前になるために、“お披露目”にかけられた、五対の新人たち。彼らを見定める視線は、その数を増してゆき、“見えない表情”が綻び始める――。
成人になるための“お披露目”最終局面。“3階”から興味の眼差し。「顔のない一族」が、表情を手に入れた時、館の黒い輪郭が明らかに…!?
“お披露目”を終えて成人となった新人たちに振る舞われる“珈琲”。そしてこどもたちの目は、歓喜と狂気で満たされ、偉大なるおじい様の姿に涙する。シャドーハウスは「牢獄」―…?
“亡霊騒ぎ”の犯人探しに奔走する同期組の四対。事件の真相を求め、辿り着いた先は、館に蔓延る秘密の一角。命の価値さえ、館では歪に揺らぐ――。
“亡霊騒ぎ”は収束へ。真相を紐解く先で審らかにされるのは、すす汚れた悲しき過去。事件の傷跡も消えぬ中、大人の思惑が鎌首をもたげる――。
“視察”が開催され騒然とするこどもたち。徐々に顕現し始めるのは、“珈琲”の欠如による綻び。秩序が乱れ、洗脳が薄れゆく中、去来するのはかつての記憶。そこに眠る一つの答えとは――。
“視察”の開催によりこどもたちの棟へと紛れ込んだ大人の目。監視の間隙を縫い、開催が企てられる“深夜の同期会”。静けさに満ちた夜に互いの謀略が交錯する――。
貴族として島を統治する「ミラーハウス」 領民からも慕われる理想の館には、今日も弾んだ声が満ちる、はずだった――。
こどもたちの棟で芽吹いた反逆の意思。呼応するように動き始める大人たちの思惑。館の内外で交わされる奸策の行きつく先は――。
暴露された“すす能力”は持てる者と持たざる者を分断する。大人に翻弄され混沌とする棟を治めるに相応しい者は誰なのか――。
館の秩序を揺るがす“無能力者狩り”事件。緻密な推理は偽装された真実を紐解いていく。遂に浮かび上がる真犯人の正体とは――。
“決闘”が始まり固唾を呑むこどもたち。無傷では済まされない事件を通して、問われるのは“星つき”の在り方。洗脳が薄れ、思惑が錯綜する中、勲章に相応しいのは――。
新“星つき”の誕生で少しずつ結束していくこどもたち。だが館にはびこる悪意は分断をもたらし、犠牲を強いる。暗躍する影と光を目指すこどもたちの、たどり着く先は――。
ルイーズの突然のお呼ばれ、すすツタ事件…衝撃的な出来事の連続で揺れるこどもたちの棟。マーガレットの犠牲という悲しい事態を乗り越えて新人のお披露目の裏でルイーズとルウを奪還することを決意する。だが、新人たちもまた、大きな秘密を抱えていた――。
お披露目の裏でルイーズとルウ奪還作戦を決行するケイトたち。だが星つきと新人を仲違いさせたいエドワードの策略により、不協和音が鳴り響く…。星つき対新人の戦いの行方は…!?
新人5対が加わり、ルイーズとルウ奪還作戦はいよいよ佳境へ。刻一刻と一体化の危機が迫る中、ケイトたちはふたりを取り戻すことができるのか…? そして明かされる衝撃の事実とは――。
表情がなく、感情の起伏で身体から「すす」が出る貴族、シャドーハウス。 不思議な雰囲気と重厚な「何かある不気味さ」がある世界設定だけど、生き人形エミリコの底抜けに明るく真面目な性格で明るく明るく描かれる。 カラー版ならではの色彩と、遠近感や物の質感がわかりやすいところはとても良いけど、モノクロ版の良さというものもよくわかるという不思議な作品。 これはこれで唯一無二なのではないだろうか。
登場人物の会話や行動の可愛らしさと、謎の多い世界観や”顔のない”シャドー一族の造形とのギャップが凄まじい。だがそれがいい。果たしてこれはファンタジーなのかミステリーなのか、もしかしたら異類と暮らす日常系に近い作品なのかもしれない、それくらいまだまだ先の展開は読めない。 電書はモノクロ版とフルカラー版の2種類を販売というのも面白い試み。購入したフルカラー版は着色によって明暗が強調されていて、ページ全体から作中世界の雰囲気が感じ取れる。試し読みでモノクロ版も読んでみたけど、こちらはシャドー一族のベタ塗りでの黒さが異様に際立ってて、別の意味の不気味さがある。正直モノクロ版も別で買ってもいいかなと思う程度にはそれぞれに良さがある。 1巻まで読了。
表情がなく、感情の起伏で身体から「すす」が出る貴族、シャドーハウス。 不思議な雰囲気と重厚な「何かある不気味さ」がある世界設定だけど、生き人形エミリコの底抜けに明るく真面目な性格で明るく明るく描かれる。 カラー版ならではの色彩と、遠近感や物の質感がわかりやすいところはとても良いけど、モノクロ版の良さというものもよくわかるという不思議な作品。 これはこれで唯一無二なのではないだろうか。