大阪の下町でホルモン焼き屋を切り盛りするチエちゃんは小学5年生。父親のテツは無職でケンカとバクチに明け暮れ、母親のヨシ江は家出中。そんな逆境にもめげず、大人顔負けのたくましさで奮闘するチエちゃんと、個性的な登場人物たちが大騒動を巻き起こす!
テツの恩師である花井センセの計らいで、ヨシ江さんとの同居予行演習が決行されることに。一家で金閣寺へとやってきたチエちゃんは両親の会話のきっかけを作るため、いつになく大はしゃぎするのだが…。
神社の相撲大会に出ることになったチエちゃんたち。いつもはドンくさいヒラメちゃんの意外な強さに湧く会場だったが、上級生の男子に手酷くやられてしまう。怒りに燃えるチエちゃんの闘志は大爆発!!
テツの幼馴染で警察官のミツルがついに結婚! その仲人をなんとテツとヨシ江さん夫婦が務めることになる。式当日、皆が心配し見守る中、いよいよ媒酌人・テツの挨拶が始まった…!
大阪のヤクザが集まるバクチの会「大阪カブの会」。カブに目がないテツはお好み焼き屋の百合根と共に会場へ潜入し大暴れ。馬鹿ヅキのテツたちに対し地獄組のボス・レイモンド飛田は組の存続を賭けた大勝負に出るのだが…!
テツとチエちゃんの無責任なアドバイスのおかげで歌に自信を持ってしまったヒラメちゃん。そのとんでもない歌声にひょうたん池のフナは浮き、遠足バスの車内は阿鼻叫喚の地獄と化す!
自分が顔も性格も足の速さもテツそっくりなことに気づいたチエちゃんは将来を悲観してしまう。そんな時、地区対抗父兄運動会のリレーでヨシ江さんが走ることになり…。
懲りない元ヤクザのレイモンド飛田は、テツにボクシング世界チャンピオンの素質を見出し大儲けしようと夢見る。一方ヒラメちゃんはボクサー姿のテツを写生し、見事な絵を描きあげる。
おバァの幼なじみ、レディー・幕ごはんがやってきた。彼女のお別れ渡米パーティーに招かれたテツたちだったが、いつしか会場はメチャクチャになってしまう。しかしそれは幕ごはん自身が望んだことだった…。
花井センセの息子でチエちゃんの担任、渉先生に恋人がいた!! 彼女との付き合い方に悩む渉は、テツとヨシ江さん夫婦の関係性に興味を持つ。一方、なんとか渉の力になりたいチエちゃんとヒラメちゃんは恋愛の本で勉強をはじめるが…。
渉先生の婚約者、朝子の発案で警察チーム対テツチームのラグビーの試合がはじまった。お互いに積年の恨みつらみが爆発し、ルール無用の泥試合はとんでもない結末に!?
レイモンド飛田がなんと市会議員に立候補! 地元ヤクザの応援を得て、当選のあかつきにはテツを徹底的に潰すつもりだ。そして迎えた投票日!! そんな頃、お好み焼き屋の店主・百合根を、離れて暮らす一人息子が訪ねてくる。
町でのケンカが元で決闘することになったテツ対正義の応援団長。急いでひょうたん池に走るチエちゃんたちだったが…。同じ頃、アントニオの古い友人、スフィンクスの釜虎と小鉄のバトルが始まっていた!!
アルバイト代の現金欲しさに客とのケンカを我慢したテツだったが、後日相手のヤクザたちは行方不明になってしまう。いつもと違い上機嫌のテツに、百合根やカルメラ兄弟たちは不安を抱くのだが…。
担任の渉センセが結婚! お嫁さんの朝子さんはなぜかテツの事がお気に入りの変な人。そんな彼女の提案で男女対抗ソフトボールの試合が行われることに。女性にナメられるのが嫌いなテツは闘志を燃やすのだが…。
テツの鑑別所時代の子分・勘九郎がチエの住む町へ引っ越してくるという。息子のコケザルをお供に新居探しを手伝うテツだったが、タチの悪い不動産屋相手のトラブルにおジィを巻き込んだうえ、大ピンチに陥ってしまう!!
テツが警官襲撃の容疑で逮捕!? 取り調べるのは伝説の刑事「オトシの六さん」。テツの濡れ衣を晴らすため奔走するミツルだったが…。その他、ジュニアとメキシコ猫のボクシング対決「世界ニャニャニャ級タイトルマッチ」を収録。
カルメラ兄弟が解散の危機! 兄キにクビを言い渡され、故郷へ帰って行ったカルメラ弟。彼が一週間以内に帰ってくると賭けを始めたテツだったが、その結果は…。
町内でお化け屋敷を開催することになったが、その裏ではレイモンド飛田がコケザルと組んでヤクザ相手にボロ儲けを企んでいた。秘密兵器はもちろんテツ。しかし物事はそんなに上手くいかないもので…。
カルメラ兄がついに自分の店を持つことに。どうやら一緒になりたい女性もいるらしい。そんな彼の地道な生き方におバァはいたく感動しベタ褒めするのであった。その頃、チエちゃんの前にアケミという女が現れる。彼女はテツの昔の恋人だというのだが…。
アケミに連れられ人生初の競馬に手を出したテツ。レースは大番狂わせの連続でテツの予想は冴えまくる。同じ頃カルメラ兄も全財産を賭けた大勝負に挑んでいた。そして迎えた最終レース…!
ひょうたん池でチエちゃんが拾ったのは上等な毛並みの迷い猫。テツはすぐさまペットショップに売り飛ばすが、その猫の飼い主はなんと東京ヤクザの親分だった。怒れるヤクザとテツの一銭にもならない生き残りカブ勝負が始まった!!
チエちゃんとヒラメちゃんが夏休みの宿題に選んだのは行き当たりばったりの電車旅行。ところがマサルとタカシも偶然同じルートを辿り、なぜか山道に現れたテツのせいで3人とも遭難してしまう。
カルメラ兄弟が苦労の末やっとオープンにこぎつけた餃子ラーメン店。しかしその開店資金をスリに盗られてしまった! チエちゃんたちは必死の捜査で犯人たちを追いつめるのだが…。
おジィがイカサマ師に十万円のハンコを買わされ、おバァは怒り心頭。しかしイカサマ師が次に訪ねたのはチエちゃん家だった! 儲け話のにおいをかぎつけたテツが一枚かんだ結果、百合根やカルメラ兄弟を巻き込んだ大騒動に発展する!
おバァとの大ゲンカの末、家を追い出されてしまったおジィ。慰謝料がわりに押しつけられた屋台を引き、一人でホルモンを売り歩くおジィだったが、なぜか連日の完売御礼で!?
突然のギックリ腰で動けなくなってしまったおバァにトドメをさそうとするテツ。しかしそこに現れた花井センセが知り合いの鍼治療院へ二人を連れて行く。花井の古い友人である鍼の名人・周センセはテツの天敵とも言える人物だった!
テツの不甲斐なさに業を煮やしたおバァは、幼馴染で空手のライバルだった砂利屋の玉ちゃんの元へテツを預け、住込みの強制労働をさせる。その後やっと帰って来たテツだったが、その顔は無我の境地、空虚そのものだった…。
連敗中の相撲取り・鰻谷がゲン直しでチエちゃんの店にやって来た。リハビリでホルモンを焼いていたテツは太客の獲得に上機嫌。翌日から鰻谷の連勝が始まり、店は連日、鰻谷一行の貸切状態で大儲け! しかしテツの限界はすぐそこに迫っていた…。
懲りない男、地獄組のボスが帰って来た! テツへの復讐に執念を燃やす彼は「世界カブ大会」開催の手紙でテツを誘い出す。そして世界チャンピオン、ミラクル・ハッチャー対テツの死闘が今始まった!!
令和になって、若者の間で人気が再燃しているらしい。 作者さんの子供時代の背景が含まれた漫画と考えると、「ちびまる子ちゃん」と似たような感じだろうか。 言葉が悪くても、子どもが働いて親を養っていても、よくみたら周りの大人で全うに働いている人が少なくても、身内に対する優しさが感じられる。 ちなみに私がじゃりン子チエを知ったきっかけは、ある日突然、父親が買ってきたゲーム。 なんじゃこりゃと尋ねたら、父親がこういう名前の漫画があるんだと説明してくれたと思う。 チエちゃん視点のゲームだったが、何をしたら良いかわからなくて、堂々めぐりを繰り返した。 小学校低学年には難しく、ほぼ進まなかった。 でもあのホルモン焼き屋の内装と外装、みんなチエちゃんに優しかったことと、小鉄は覚えている。 「じゃりン子チエ」についてはゲームくらいしか知識がないまま今にいたり、なんとなく読んでみたらおもしろかった。 関西弁と人情物というと「大阪ハムレット」も良かったけど、より元祖というべきこちらもとても良い。
2023年の令和にじゃりン子チエ描き下ろし短編が!! ・「チエちゃん」以前のチエちゃんの巻 ・夜のヒラメの巻 ・チエちゃんの定休日の巻 の3本立て! はるき悦巳先生からのミニメッセージも! https://www.futabasha.co.jp/book/97845757283920000000?type=1
子供の頃アニメを観ていたが、決して好きではなかった。「好きじゃないなら観るなよ」というのは今だから言えることで、当時はそれほど娯楽の選択肢が多くなく、暇を潰すにはテレビを観ているのが一番だった。 父親は暴力的で賭け事大好き、母親は別居中というのが、子供の頃の自分には恐怖でしかなかった。お父さんがああなったらどうしよう、お母さんが出て行ってしまったらどうしよう…。父親がパチンコに行くことで夫婦喧嘩になった時など、不安になったものだ。 しかし大人になって読み返すと、それぞれ口は悪いがお互いに思い合っているし、保守的な価値観に対する疑問や清濁併せ呑む態度など、生きる上で大切なことがたくさん描かれている。一般的なアニメや漫画に出てくる「普通の幸せな家庭」ではないことも、近い境遇の人達には勇気になったかも知れない。 舞台は大阪の西成区周辺をモデルにしていると思われるが、それも大人になるまでは分からなかった。今なら何故当時の大人たち(アニメの監督は高畑勲)がこの作品を子供達に観せたかったのかというのがすごくよく分かる。そしてジェントリフィケーションや格差の拡大、ポリティカルコレクトネスや自己責任論が吹き荒れる今、また読まれて欲しい作品だと思う。
令和になって、若者の間で人気が再燃しているらしい。 作者さんの子供時代の背景が含まれた漫画と考えると、「ちびまる子ちゃん」と似たような感じだろうか。 言葉が悪くても、子どもが働いて親を養っていても、よくみたら周りの大人で全うに働いている人が少なくても、身内に対する優しさが感じられる。 ちなみに私がじゃりン子チエを知ったきっかけは、ある日突然、父親が買ってきたゲーム。 なんじゃこりゃと尋ねたら、父親がこういう名前の漫画があるんだと説明してくれたと思う。 チエちゃん視点のゲームだったが、何をしたら良いかわからなくて、堂々めぐりを繰り返した。 小学校低学年には難しく、ほぼ進まなかった。 でもあのホルモン焼き屋の内装と外装、みんなチエちゃんに優しかったことと、小鉄は覚えている。 「じゃりン子チエ」についてはゲームくらいしか知識がないまま今にいたり、なんとなく読んでみたらおもしろかった。 関西弁と人情物というと「大阪ハムレット」も良かったけど、より元祖というべきこちらもとても良い。