理屈とか理論の知らないことを、私の体は知っている――。もっと先があるなら、きみと、あなたと、一緒に踊りたい。【次にくるマンガ大賞 2018 Webマンガ部門入賞】宝島社「このマンガがすごい!2019」雑誌編集部が選ぶこのマンガがすごい!オトコ編 第1位(ar編集部) ダンスをこよなく愛する一条紫と、白熱したダンスバトルの末、翡翠翔之助は一ヶ月の謹慎処分を余儀なくされる。思うように活動できないムラサキだったが、とめどなく沸きあがる、踊りたい衝動を抑えられずにいた。「翔之助くんのダンスを観てから、身体が落ち着かなくなってる」それは、彼女の“ある記憶”をも遡り、自分自身と対話する事になる…。わたしと世界、全ては繋がっている。表現という向こう側へ挑戦する、大いなる実験記録!! そうだ、あの時決めたんだ。人生をダンスするって。私はダンサーなんだ――。
表現力がある水準を超えるとギャグになる。前衛的な絵画を見て、ちょっと面白く見えるように。あるいはスタイリッシュさもある水準を超えるとギャグの誇張になる。これは坂本ですが?などの先駆者が証明しているように。 この作品は主人公の女の子が創作ダンス部の成立を目指す部活モノだ。流れは王道であるが、その端々はシュールで溢れている。それは言動や表現が大袈裟に大量に存在するからだ。この大袈裟な描写は一般的には多発させない。本当に重要なシーンが埋もれてしまう危険があるからと思われる。しかし、そこを逆手にとってスポ根シュールギャグ漫画に仕立てたのがムラサキだ! 一話をパラパラ捲ると、すでに2ページに一度くらいインパクトのあるコマが連なっている。初見の読者は間違いなく「なんだこれ……」となるだろう。好き嫌いは別れるだろうが、なんにせよ新しい。マンガ好きは一度は目にするといいかもしれない。