あらすじ” カブがあればどこまでもいける”いつもと違う小熊の夏休みが始まった。初めてのバイトに励む小熊。そんな小熊のもとにある日、礼子から自宅への誘いの電話が入る。擦り傷だらけの礼子と礼子の郵政カブに驚く小熊。礼子は自身の夏休みの挑戦を小熊に語るのだった…。
両親なし、友達なし、趣味なし。何もない日々を過ごす女の子・小熊が、中古のスーパーカブと出会い世界を広げていくお話。 ちょっと遠出をしてみたり、バイトをはじめたり、同じカブ乗りの礼子と仲良くなったり、ささやかではあるけれど小熊の日常が変化していきます。 母親がいなくなっても学校にいてもご飯を食べてもポーカーフェイスだった小熊が、目を輝かせてカブに乗っている姿がとても眩しいです。 クールな子かと思ったら意外に気が強くて負けず嫌いで、読み進めていけばいくほど小熊がかっこよく見えてきます。 適度な疾走感と爽快感。少しずつ世界が変わっていくのがとても気持ちいい作品でした。