前科者と保護司の一筋縄ではいかない心の交流に何度も唸らされる『前科者』
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『前科者』(香川まさひと 原作・月島冬二 作画/小学館) 『罪を犯して服役し、仮出所中の人たちを見守る保護司として活動する阿川佳代を主人公に、世の中の偏見や悪の誘惑、事件の背景なども丁寧に描き出すことで、前科者の生きづらさと彼らを見守る保護
現代日本のリアルを抉った核心的人間ドラマ 現代日本において再犯防止を考えるのは、必須の課題である。「罪を犯してしまった」者や「道を踏み外した」非行少年の社会更正の橋渡しをするのが、保護司の役目だ。保護司は法務省が委嘱する非常勤で無報酬の国家公務員であり、ボランティアである。立場の弱い人間が抱える問題に、主人公である保護司・阿川佳代は真摯に対峙する。保護司制度の存続が危ぶまれている今、保護司に求められている姿とは何であろうか? 本作は現代日本が抱える問題を掘り下げる本格ヒューマンドラマです。是非ご一読ください。