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死ぬと最初にたどり着くさびしい場所、それが「たそがれの市」。自分が死んだと気付かない“大人のおいと”を見かけた少女のおきく。おきくはおいとにまとわりつく幽霊を遮り言う。「お前は元の場所に戻りな」と。神隠しとされていたおきくは、幼馴染のおいとと谷筋でもみ合ううちに――。たそがれの市でおきくの思いを知ったおいとは……(「第一話 紅の皿」)。ほか、病で先だった母が子を思う深い哀しみを描いた「第二話 涙池」や身分違いの恋と因縁を描いた「第三話 思い出」、津波に流されて命を落とした娘を探し求めて迎えにくる現代の家族との交流の物語「第四話 津波」など。たそがれの市で、思いを残した死者と生者が交わるとき……生と死という壮大なテーマに向かい合った感動の全十一話。
死んだ人がたどり着く「たそがれの市」を舞台にした11話の短編集。 今年読んだ中でもトップクラスに面白いのだが、どういうふうに面白いかというには難しすぎる。 近藤ようこの作品との付き合いは中学生くらいからだけど、こちらの年齢が上がれば上がるほど、面白い この前20年ぶりくらいに「ルームメイツ」を読んだけど、昔に読んだ時よりもずっと面白かった。