あらすじ吉原「翁屋」の料理番・又次から「あさひ太夫が客に斬られた」との報せを受けた澪。出かけた吉原で障子の明かり越しわずかではあったが、友との再会を果たした。そんなある日、同じ長屋に住むおりょうの息子・太一が…? 完全漫画化シリーズ『みをつくし料理帖 花散らしの雨』の第三弾が登場!!
両親を失い、天涯孤独となった澪は江戸へ向かい、神田の蕎麦屋「つる屋」で働き始めますが、腰を痛めた店主に頼まれて、ついには雇われ店主になることに。若くして苦労人の澪ですが、いつでも健気で一生懸命、「つる屋」を守りたい、そして美味しい食事を町の人たちに食べてもらいたいという一心で料理にも取り組む姿が、作品を読んでいてとても愛おしくなります。下がり眉で、ちょっと天然な澪と周囲の人々の繰り広げるドラマの数々にも、人情に触れてジーンときたり、時には笑わされたり、憧れの人への恋心にほっこりしたり、と温かい気持ちになりました。世知辛い世の中にふと疲れた時に、美味しそうな料理と、人の心の温かみに触れられ、しばしの癒しを得られる素敵な作品です。