あらすじ

昭和16年、太平洋戦争がついに始まる。毎日ブラブラして本を読んでいたしげるのところへ、召集令状が来た。しげるは汽車で鳥取に行き入隊した。軍隊では、はじめの二、三日はバカに親切だったが、すぐに毎日殴られるイジメがはじまった。そして遂に来たるべきものがきた。南方の第一線へ出陣である。どのような運命が待ちかまえているのか、そこにはいわゆる極限状態が待っていた…。
水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 1巻

武良家の次男に生まれたしげるは、とりわけ元気がよく人なつっこい子供だった。それにどうしたわけか胃が丈夫で、少々くさったものでも平気だった。子供の頃は「ズイタ」すなわち、なんでも食べるあさましい者という意味のあだ名を頂戴していた。万物は食べられると思っていた。頭の中で自問自答するクセがあり、四歳までしゃべれなかった。巨匠・水木しげるが波乱万丈な半生を漫画で綴る!!

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 2巻

朝はいつも眠くて起きられない。はじめは親兄弟で起こそうとするが、一年もするとあきらめた。九時に起きてゆっくりご飯を食べ、学校に行くといつも算数の授業は終わっていた。高等小学校を出ると、勉強が出来ないしげるは製版屋に勤めるが、油絵を描いていたらクビになった。次の製版屋もクビになったので、精華美術学院という学校へ入るが、一年の大半は休みといったぐあいだった。

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 3巻

昭和16年、太平洋戦争がついに始まる。毎日ブラブラして本を読んでいたしげるのところへ、召集令状が来た。しげるは汽車で鳥取に行き入隊した。軍隊では、はじめの二、三日はバカに親切だったが、すぐに毎日殴られるイジメがはじまった。そして遂に来たるべきものがきた。南方の第一線へ出陣である。どのような運命が待ちかまえているのか、そこにはいわゆる極限状態が待っていた…。

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 4巻

水木二等兵は、ラバウルからズンケンへ。そこはパパイヤがたくさんあって天国みたいなところらしい。しかし、そこは天国ではなく「天国に行ける場所」だった。敵の弾だけでなく、マラリアとか空腹とかワニとか超重労働とか色々と「天国へのいざない」にみちみちていた。バイエンでは、あっという間に部隊が全滅、一人生き残った水木二等兵の生か死かのドラマの幕が切って落とされた!

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 5巻

バイエンから一人生き残り命からがら軍に戻った水木二等兵だったが、誉められるとばかり思っていたら敗残兵扱いをされてしまう。おまけにマラリアを発病、無理な行動がたたって症状が重くなり、足腰が動かなくなってしまった時、空襲で左手に弾を受けてしまう。一生で一番かんじんなときに自分の血液型を忘れてしまった水木二等兵は輸血ができず、左手を切断する事になってしまう…。

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 6巻

左手を失い、マラリアに皮膚病も併発した水木二等兵だったが、現地の「森の人」とすっかり仲良くなり、体力が少しづつ回復、ついに終戦を迎え内地へ戻った。空には爆音もない、明日だって明後日だって生きられると思うとムチャクチャにうれしかった。さて、仕事をしようにも仕事がない。たどり着いた神戸の水木通りのあやしげな旅館で、紙芝居を描きはじめ「水木しげる」が誕生した。

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 7巻

水木先生は「墓場の鬼太郎」や「河童の三平」を描くが、紙芝居業界全体がジリ貧だった。このままだと餓死は時間の問題だった。筆五本と染料を持って東京行の汽車に乗り、貸本漫画家へ転向しても、食うや食わずの生活が続く。しかし、ある時「金霊」が空を飛んでいるのを見た!それからというもの千客万来、「鬼太郎」が大ヒットし、寝る時間も無く、多忙も苦しいものだとかみしめる。

水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ 8巻

「森の人」たちと20年ぶりに再会、水木先生は一ヶ月も滞在していた。南方へ思いはつのるばかり、家族全員でニューギニアに移住しようと考えるほどであった。その後も水木先生の冒険旅行はまだまだ続き、世界中の精霊や妖怪を見て回り、何百点と絵にしてきた。そして、あの世に関する興味も果てしない。調査をして、僧侶や学者に話を聞いても、これはわからない、ということらしい。