あらすじW杯出場を懸けた、正念場、サウジアラビア戦。アジア最大の強敵に、鷹・北村・伊達がポストプレーを駆使して善戦する。ところが思わぬアクシデントが日本代表にふりかかる。キープレーヤーの伊達が相手選手と接触のさい、骨折し、リタイヤを余儀なくされてしまったのだ。動揺を隠せないイレブンに容赦なく、サウジの波状攻撃が襲いかかる。ただ一人、冷静なGK富永は日本代表の望みをつなぐため、捨て身でたちむかうが…!? 電子書籍版特典として当時を振り返る作者自身によるあとがき収録!!
Jリーグ黎明期の、プロ自体が珍しかった時代、世界で戦うのが夢のまた夢だった時代に、世界で戦う主人公を中心とした架空の話です。架空の話ですが、きちんと取材していて、作者がどれだけサッカーが好きなのかがわかります。困難を押しのけて、みんなで一つになって戦って目的を達成する、という少年漫画の王道中の王道ですが、女性の作家でここまで少年の気持ちがわかるのか、といい意味で驚きでした。日本のサッカー関係者が世界で戦うぞ、と熱い気持ちを持っていた時代の息吹を感じさせてくれます。