あらすじ勉強のためにしばらく一緒に帰れなくなったというそうし。めぐみは快く聞き入れたけれど、どこか冷たいそうしの態度が気になって落ち込んでしまう。有田先生に相談しても答えが得られず悩み続けるめぐみに、美樹とたいようがアドバイスをして、めぐみはそうしに話をしにいくことに…。そして、お互いに意識し合いながらも、美樹と微妙な距離感を保ってきた橘。中学時代にいじめられていためぐみを知っている彼の心の中には、秘めてきた想いがあり…?中学時代のめぐみを救った橘の知られざる本心も明かされる、第9巻。
優等生女子とヤンキー男子恋愛というシンプルなテーマでありながら、ラブコメあり、シリアス展開あり、と振れ幅大きく展開する作品。私は作者のりべるむさんのコメディ面、シリアス面両方の感性が凄く自分好みで、毎巻楽しく読ませて頂いています。 個人的にこの作品の魅力は「登場人物に100%は共感できない、けど共感できる」所かなと思っています。 めぐみは一点の曇りもない優等生だし、そうしはめぐみに対してはデレるけど基本はヤンキーだし、というか登場人物はかなりヤンキーというかガラの悪いタイプが多いし。(そういう意味では一番"自己投影"しやすいのは橘かもしれない。真面目さとチャラさのバランス的に) でも、登場人物の全てに共感できないからこそ、共感出来る部分があると思いっきり入り込むことができる。日常回で共感性を下げてコメディ寄りにすることで、特に"恋愛"という殆どの人間に共通に内在するテーマで読者の共感をがっちり掴む、そういう多層的な構造を生み出している作品だと感じています。 結果、ラブコメとしても良い、高校生のシリアスめなドラマとしても面白い、絶妙なバランスが保たれている作品として成立しているのではないかと思います。 7巻まで読了