あらすじ

瘡(かさ)に悩まされ続ける平貞盛(たいらのさだもり)は祥仙(しょうせん)と名乗る薬師(くすし)と出会う。祥仙から渡された薬を塗り続けると瘡が落ちついた。しかし、いずれまた瘡が出てきてしまうと予言される。祥仙は頭を抱える貞盛に『児干(じかん)』を薦めた…。児干とは懐妊した女性の腹を切り、赤子を取りだし、その赤子の肝を喰うことである。貞盛は御炊の女が妊娠していたことを思い出し、刀の柄を握りしめる――。
陰陽師 瀧夜叉姫(1)

累計500万部を超える人気シリーズ最長編作が、注目の新人漫画家・睦月ムンクによって、初のコミック化!! 腹を割かれ殺される孕み女…不思議な女性が率いる盗らずの盗人…そして、平貞盛の顔にできた謎の瘡(かさ)…。次々と平安の都で起こる怪異を解明するため、晴明の元に賀茂保憲が訪れてこう言った「おまえが、適任じゃ、晴明――」。晴明&博雅の新たな夜話第一幕開演!!

陰陽師 瀧夜叉姫(2)

賀茂保憲の依頼により、平貞盛邸を訪れた晴明と博雅。そこで、目にしたのは顔半分を奇妙な瘡でおおわれた貞盛だった! 瘡の治療をめぐり、あの蘆屋道満も動き出しこう言った「都が、ひっくり返るのじゃ――」。晴明&博雅の新たな夜話第ニ幕開演!!

陰陽師 瀧夜叉姫(3)

晴明は都で次々に起こる怪異がひとりの人物への繋がりとして見え始めた! これまで、関連した人物は小野好古、俵藤太、運居寺の浄蔵、平貞盛、藤原師輔、源経基と博雅が名をあげてゆく。この六人が二十年前に共通で関係している人物の名を晴明がこう言った「自らを新皇と称した平将門様――」。晴明&博雅の新たな夜話第三幕開演!!

陰陽師 瀧夜叉姫(4)

都に起こる怪異の元凶は将門であった。しかも、二十年前の「将門の乱」が原因だったと。晴明と博雅は、当時の将門の数奇な運命に悲しみを覚え、知己であった俵藤太の元を訪れることに。若き日のことを想いながら藤太はこう言った「おれは、あやつが好きだった――」。晴明&博雅の新たな夜話第四幕開演!!

陰陽師 瀧夜叉姫(5)

二十年前に起こった「将門の乱」。藤太は将門を救おうと単身説得に赴いた。が、異形に変容した将門は刃を向け藤太を追い詰める。絶対絶命のなか、将門までも救おうとひとりの女性、桔梗が現れる。彼女は将門の弱点を告げ藤太にこう言った「将門様が人として死ねます――」。晴明&博雅の新たな夜話第五幕開演!!

陰陽師 瀧夜叉姫(6)

ある人物との親交により人でなくなってしまった平将門を、盟友である俵藤太が名刀・黄金丸で首を斬った。しかし将門は首だけになっても尚、生き続ける。藤太は狂気に満ちた将門の暴走を止めるべく、かつての友の体を斬り刻んだ! 黄金丸によって斬られた傷は二十年元には戻らないのだ。その将門の体は関八州各地に埋められたが、何者かに盗まれてしまう…。あれから二十年後、陰陽師である晴明と博雅が知る武将の傷痕は、未だ癒えず、疼き続けていた――。夢枕漠氏による渾身の傑作シリーズ、第六弾!!

陰陽師 瀧夜叉姫(7)

瘡(かさ)に悩まされ続ける平貞盛(たいらのさだもり)は祥仙(しょうせん)と名乗る薬師(くすし)と出会う。祥仙から渡された薬を塗り続けると瘡が落ちついた。しかし、いずれまた瘡が出てきてしまうと予言される。祥仙は頭を抱える貞盛に『児干(じかん)』を薦めた…。児干とは懐妊した女性の腹を切り、赤子を取りだし、その赤子の肝を喰うことである。貞盛は御炊の女が妊娠していたことを思い出し、刀の柄を握りしめる――。

陰陽師 瀧夜叉姫(8)

興世王(おきよおう)の長きに渡る緻密な企てにより、二十年の時を経て、ついに復活した将門! 将門の娘である瀧夜叉は、将門に心のままに生きて欲しいと願い、将門復活に手を貸していたが、興世王は都の壊滅を目論んでいた。そのことに気付いた晴明たちは、将門の暴走を止めるべく最後の戦いに臨む――! 妻子、一族をなぶり殺された将門の無念は、死して尚、強く燃え上がっていた…!! 壮大なる怪事件、ついに完結!