あらすじ瘡(かさ)に悩まされ続ける平貞盛(たいらのさだもり)は祥仙(しょうせん)と名乗る薬師(くすし)と出会う。祥仙から渡された薬を塗り続けると瘡が落ちついた。しかし、いずれまた瘡が出てきてしまうと予言される。祥仙は頭を抱える貞盛に『児干(じかん)』を薦めた…。児干とは懐妊した女性の腹を切り、赤子を取りだし、その赤子の肝を喰うことである。貞盛は御炊の女が妊娠していたことを思い出し、刀の柄を握りしめる――。