ロシアンマフィア『狼男(オボロートニ)』へ潜入したナーズィニーだったが、スパイ容疑をかけられ拷問されてしまう。そこで公安の戸田とちさとは、ナーズィニー救出、タマラ奪還の為アジトへの突入に踏み切る。しかし死体を操るヴァルヴァラ、肉弾戦を得意とするナツァグドルジ、二人の魔術傭兵に行く手を阻まれてしまう。その間『姉妹の絆(シィストラ・スヤズヴェエット)』によるタマラ洗脳作業は着々と進んでしまい――!? 一方、バベル旅団は次なる計画へと静かに動き出していた……。一度は悪に染まった拳が、再び光り輝く第10巻! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
魔法少女(∋変身ヒロイン)の多様化が激しい。プリキュアで肉弾戦をやるようになり、まどマギ以降は過酷な運命を背負わされるのも当たり前になった。キューティーハニーやセーラームーンではセクシー路線が開けていたように見えますが、CCさくらやリリカルなのはを含め'10年代現在に至るまであまり主流にはならなかった模様です(高齢オタク向けの二次創作界隈では未だに人気は健在ですが) 「魔法少女まどか☆マギカ」以降、メタ的かつダークな作品が増えた印象です。そうして開けた新たな道を踏み台にしつつ、それらの作品群にありがちな『二番煎じ感』から脱却して次のステージへ…この「魔法少女特殊戦あすか」からはそんな予感を勝手に感じ取りました。 ※『二番煎じ感』の詳細は以下の通り ①魔法少女ものがもつファンシーなイメージを逆手に取った、可愛らしいパッケージとは裏腹の血みどろ展開(「結城友奈」「魔法少女育成計画」など) ②従来のクリーンでピュアな魔法少女像とのギャップを意識した、暴力的な魔法少女を全面に押し出したもの(「魔法少女オブジエンド」「間違った子を魔法少女にしてしまった」など) 「あすか」からはそれらは違い完全に開き直った『作者が描きたいものを色々ぶっこんだらこうなった』というビジュアルイメージがこの表紙に現れている気がします。こういうの好きな人がこういうの好きな人に向けて描いたらこうなったっていう、もうそれ以上言葉とか必要ないんですよね。たとえばマジカル自動小銃の先輩である暁美ほむらさんは、あの能力の設定があったからああなったのか銃火器魔法少女という最高にクールなアイデアを実現するために辻褄を合わせたのかわかりませんが、「あすか」では要らぬ心配です。軍の特殊部隊なのでw 「まどマギ」がウケたからアンチ魔法少女で二匹目のドジョウを狙おう、の時代は終わって、魔法少女の新しい時代が始まったと捉えるべきでしょう。