あらすじ

(本文より)「もし“人間共和”がいつ実を結ぶのかと聞かれたらわれわれはこう答えればよいのです。たとえば、まずあそこにひとつここにひとつ、あるいはあそこの国、ここの国といったように、世界が“人間共和”をつくりあげるような下地が出てくれば、従来の世界を支配してきた権力は、こんどは、“人間共和”によって、支配されるようになるだろう、と」
永遠の都 1巻

専制政治と教会権力の圧政に、“人間共和”の旗を揚げて起ち上がった男、デイビッド・ロッシィ。同じ数奇な運命に翻弄されながら生きる永遠の女性、ドンナ・ローマ。1900年、永遠の都・ローマを舞台に展開される愛と革命のサスペンスロマン!

永遠の都 2巻

ドンナ・ローマはロッシィを陥れようと胸像を作り始めるが、17年前の二人の過去が明らかとなり次第に兄妹愛が芽生え始める。一方ボネリィ男爵の持つ“権力の魔性”がますます頭をもたげてくる!

永遠の都 3巻

くさか里樹(前書きより)かの革命家“ディビッド・ロッシィ”がしていること、それはまさに、神の御技である――「完全燃焼」を誓ったこの作品も、もう三巻め。画力の無さに泣きつつも自己ベストを目指してひた走る日々。小さな小さな革命を繰り返しているにすぎない私の人生経験と、壮大な歴史革命とを結び合わせる作業はとてつもなく強引だけれど、誰の中にもあるはずのロッシィのタネを探すのは、とても嬉しく、楽しい。

永遠の都 4巻

くさか里樹(前書きより)恋愛中心でいくべきか、革命ものなのか、という思いは常にありましたが、考えるほどに「同じ」に思えてきて……人との「出会い」。そこにすべての鍵がある。ロッシィを革命に駆り立てたもの、それは、義父「ロッセリィ先生」との約束だけであったのではないか……とさえ思えるのです。

永遠の都 5巻

くさか里樹(前書きより)歴史をひもとくにつけ、可笑しくなるくらい、人が「権力」を欲し、しがみつきたくなる図式は同じ。古墳時代もコンピュータが普及した現代も。人々を幸せに導く使命を帯びているはずの「宗教」の「法主」とか「聖人」と呼ばれるひとが欲望の暗闇にはまり込むという傾向もまったく同じ。ロッシィの「共生」の思想は古びることがない。

永遠の都 6巻

(本文より)「もし“人間共和”がいつ実を結ぶのかと聞かれたらわれわれはこう答えればよいのです。たとえば、まずあそこにひとつここにひとつ、あるいはあそこの国、ここの国といったように、世界が“人間共和”をつくりあげるような下地が出てくれば、従来の世界を支配してきた権力は、こんどは、“人間共和”によって、支配されるようになるだろう、と」