死にたがりと雲雀

死にたがりと雲雀

朽木(くちき)――過去にいわくありげな、一人の浪人。雲雀(ひばり)――家に居つかぬ父を待つ、長屋の少女。朽木が荒れ寺に開いた寺子屋に、雲雀が通いはじめ、二人は次第に心を通わせるようになる。だが、雲雀の父が起こした事件によって事態は急転。雲雀は朽木に罪をかぶせようとするが……!?俊英・山中ヒコが描く、欠けたる者同士が寄り添って生きる、江戸・下町の人情譚。

あかく咲く声

あかく咲く声

同学年の「無口な少年」・辛島に想いをよせる国府佐和は、彼の誕生日に告白を決意。プレゼントを買って帰る途中、偶然にも人気のないビルに忍び込む辛島を目撃!少しでも彼に近づきたい佐和は後を追うが、そこには信じられない光景が…!?

世界でいちばん優しい音楽

世界でいちばん優しい音楽

もうわたしには、家族がふたりいる――。スウこと高原菫子(たかはら・すみれこ)はシングルマザー。両親を亡くしてひとりぼっちだった時に皓(あきら)と出逢い、大恋愛の末に赤ちゃんを授かった。しかし彼もまた、スウと生まれてくる子供の幸せを願いながらも、この世を去ってしまう……。3歳になるのんのんとの毎日は、ちょっぴりハードだけど素敵な発見もいっぱい。スウとのんのん、そして皓の、あたたかな愛のシンフォニー。

魔法使いの猫

魔法使いの猫

猫をかばって交通事故にあった理央が目を覚ますと、そこはまったく知らない世界だった。しかも、猫の姿になっていたのだ…!猫の姿は魔法使いの使い魔の証。理央は、自分を助けてくれた魔法使いターニャに「お前は私の『猫』だ」と告げられて――…!?喜久田ゆいが描く、エゴセントリック・ファンタジー。ここに開幕!※著者あとがきは収録しておりません。

よろしくメカドック

よろしくメカドック

F1マシンの設計を夢見る風見潤は、チューニングショップ「メカドック」で働く敏腕チューナー!でもいい車を見るとついつい客の注文以上にやりすぎてしまうことも…。おかげで「メカドック」は赤字続きで、経理担当の中村一路から大目玉を喰らう毎日。でも全ては車が好きだからこそ!!楽しい仲間と車に囲まれて、「メカドック」は今日も絶好調営業中!!

試し読み
鬼切丸

鬼切丸

はるか昔、鬼のしかばねより少年の姿をした鬼が生まれた。彼は純血の鬼でありながら同族殺しを天命とし、名前はなく、頭にはえない角のかわりに、鬼の角から削りだした神器名剣の太刀で鬼を殺す。人はそれを鬼切丸と呼んだ――。そして、黒い学生服に身を包んだ彼は、老いることなく、相棒・鬼切丸と共に現世にうごめく鬼を捜し続ける。すべての鬼を切り殺せば、人間になれると信じて、今日もさすらう!!

サウダーデ

サウダーデ

マナーの悪い客に注意する。カフェラテにブルーベリーシロップは入れない。5人以上の団体客は断る。近所の子供と対等に口ゲンカする。カップ麺の比較表作りが趣味。店先のアザレアの鉢植えを大切にしている。“郷愁”の名を持つ喫茶店――「サウダーデ」。心からのくつろぎを求めて、今日も数少ない人々が訪れる。待ちわびた誰かが現れる所。大切な誰かを待つ所。そして一途な店主・芳乃(よしの)もまた、あの人を……。

星の案内人

星の案内人

旅先で人生にも道にも迷ってしまった糸子さん。彼女が見つけたのは「小宇宙」と名前がついた建物。その扉を開けると、そこには私設のプラネタリウムが広がっていて…。プラネタリウムを舞台に繰り広げられる人と空の優しい物語。

はみだしっ子

はみだしっ子

――自分の居場所がなくて家出したボク達は港を探してさまよっている船のよう――。いつのまにか寄り添い、旅をするようになった個性の全く違う4人の仲間、グレアム、アンジー、マックス、サーニン。親に見捨てられた子供達の早すぎる孤独は、彼らをこの世のはみだしっ子にしていた。傷ついた過去を癒してくれる誰かがきっとどこかにいるはず!愛を探すそれぞれの心が今、血の絆を超え固く結ばれる…。他界した不世出の作家、三原順の最高傑作!