あらすじ小川今日子(おがわ・きょうこ)、通称「キョドコ」。傷つけられてもかまわない。私を一番理解してくれるのは彼しかいない。彼と繋がってさえいられれば、それでいい。そう思っていました。でも……やっぱり女として見られたい。そう願う私は身勝手でしょうか……。星名(ほしな)の呪縛からは逃れられず、吉崎(よしざき)の好意にも抗い、暴走して堕ちていくキョドコ。やはり星名に認められなければ生きていけないともがくキョドコに希望はあるのか!?
いいところがほとんどなく振り回されてばかりの主人公、もがけばもがくほど嵌っていく泥沼のようで、積み上げたと思ったら鬼(星名さん)がやってきて簡単に元通りにされてしまう賽の河原のようでもあり…こういうドロドロとした人間の内面を一切の容赦もなく描きつつ、群像劇としてもちゃんと面白い。 何よりデッサン力や表情芝居など、とにかく絵が上手いというのは大きな魅力ですね。キャラクターの豊かな表情やしぐさが心情を正確に伝えてくれるので無駄なモノローグも要らないですし、構図も多彩かつ計算されつくしていて目を楽しませてくれるし、キャラクターデザインも一目見ただけで彼らがどういうキャラなのかを物語ってくれます。