あらすじ

借金返済のため、マックスは友達みんなとクレーマー家のガラス拭きのバイトをすることになった。だが、乱暴者リッチーの荒っぽい裏工作のせいで、全員がマックスから離れてしまう。そして、今度はボスのマックスにリッチーから呼び出しがかかった。縄張り争いの大乱闘…!アンジーたちもすぐ応援にかけつけた。激しいもみ合いの結果、グレアムが深手を負ってしまう…。
はみだしっ子 1巻

――自分の居場所がなくて家出したボク達は港を探してさまよっている船のよう――。いつのまにか寄り添い、旅をするようになった個性の全く違う4人の仲間、グレアム、アンジー、マックス、サーニン。親に見捨てられた子供達の早すぎる孤独は、彼らをこの世のはみだしっ子にしていた。傷ついた過去を癒してくれる誰かがきっとどこかにいるはず!愛を探すそれぞれの心が今、血の絆を超え固く結ばれる…。他界した不世出の作家、三原順の最高傑作!

はみだしっ子 2巻

グレアム達の乗ったバスが雪山で遭難。しかも、乗客には拳銃を保持したまま逃亡中の強盗がいた。救助を待ちながらもイラ立ちを隠せなくなる大人たち。怪我が悪化するグレアム。強盗犯について森へ入ったマックス。助けを求めに強行下山したサーニン。みんなを気づかうアンジー。過酷な状況のもと、乗客それぞれの心の傷が白い雪原の彼方に晒される。4人は生き残ることが出来るのか?「山の上に吹く風は」他、番外編6作収録。

はみだしっ子 3巻

雪山遭難以来、心の病に冒されていたグレアムがようやく回復し、アンジーとともに行方不明のマックスの消息を訪ねる。マックスは海辺の街の孤児院に拾われ、学校生活を送っていた。だが、大好きだったグレアムに拒まれたショックからまだ立ち直れず、その悲しみを、みなしごのバトゥの信頼を得ることで埋めようとしていた。そんな時、グレアムがかけた電話が偶然マックスにつながった――。「裏切者」他、番外編6作収録。

はみだしっ子 4巻

夏、サーニンは教会のキャンプで自閉症の少女マーシアと出会う。外界との接触を一切断ったままの彼女をクークーと名付け、淡い想いを寄せるサーニン。「ボクを独りにしないで」辛抱強く呼びかけるその声が、クークーの心に響きはじめた時、サーニン自身もまた救われる…。「カッコーの鳴く森」他、クレーマー夫妻に養子として引き取られた4人の新生活ぶりを描いた「クリスマスローズの咲く頃」等全11篇を収録。

はみだしっ子 5巻

借金返済のため、マックスは友達みんなとクレーマー家のガラス拭きのバイトをすることになった。だが、乱暴者リッチーの荒っぽい裏工作のせいで、全員がマックスから離れてしまう。そして、今度はボスのマックスにリッチーから呼び出しがかかった。縄張り争いの大乱闘…!アンジーたちもすぐ応援にかけつけた。激しいもみ合いの結果、グレアムが深手を負ってしまう…。

はみだしっ子 6巻

グレアムの孤立を一層深めた雪山事件。その憂鬱な4年間を清算しようと、彼は二度とクレーマー家に戻らぬつもりで、かつての被害者の義妹フェル・ブラウンに会いに行く。からっぽの部屋にアンジーへあてた封筒を残して…。――グレアムが死んでしまう…!?手紙から漂う暗い予感が、アンジーの胸を鋭くつき刺す。少年たちの孤独な魂はどこかへ帰り着くことを許されないまま終わるのか?読み継がれる名作の堂々完結篇!

はみだしっ子

4人目の「花の24年組」

はみだしっ子 三原順
せのおです( ˘ω˘ )
せのおです( ˘ω˘ )

2020年3月に、三原順没後25周年として、漫画家として残したイラスト全てを収録した、『三原順 ALL Color Works』が発売されました。 私1人では三原先生を語れないのですが、これを機に、よりたくさんの人に三原先生の作品を知ってほしいので、満を持して口コミを投稿します! 少女漫画を大きく変え、またそれからの少女漫画の礎を築き上げた「花の24年組」には、よく萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子の3名の巨匠が挙げられます。 ここに4人目をあげるのであれば、私は間違いなく三原順をあげたいです。 三原先生は、1973年に別マでデビューした後、活動の場を白泉社に移し、花とゆめにて1975〜1981年にかけて、初の連載作『はみだしっ子』を描きます。 花とゆめの当時の誌面を見る限り、美内先生のガラスの仮面と並んで、読者の支持を得ていた作品のように思えます。 デビュー作から、三原先生の作品は萩尾、竹宮、大島先生とは全く異なった角度から、少年または少女の内面を描きました。 前述した3名の先生が、少女の目を通して見た世界や夢を漫画に落とし込んだのであれば、 三原先生は少年・少女が普遍的に持っている内面を具現化させました。 それはとても素直で、無邪気で、可愛らしく、 一方で、時に「ここまで彼らの弱く惨めな内面を晒すのか」と衝撃を受けるほどです。 『はみだしっ子』は、三原先生の作風を確立させた作品であり、本作で取り上げられているテーマは、以降の作品でも共通して語られています。 「愛ってなんだろうね、どこにあるんだろうね。ザマアミロ!」 社会からはみ出し者になってしまった4人の旅の行く末を、是非多くの人に見届けてもらいたいです。 三原先生は、1995年3月に、惜しくも連載中に亡くなられましたが、この後25年の間に、数々のイベントが行われています。 短編を含む全ての作品の書籍化、2015年「三原順復活祭」の展覧会、2018〜2020年の3年連続で原画展の開催、原画の整理及び保護活動etc…。 また、後期代表作『Sons』の舞台化にならび、『はみだしっ子』は近年2度に渡って舞台化されました。 これらの活動のほとんどは、当時の読者やファンによる企画・支援であり、そして成功を収めていると伺っています。 亡くなられてから25年もの時間が経ち、ここまで多くの支持を得て、数々のイベントを成功に収めてきた少女漫画がを、私は他に知りません。 先日発売された『ALL Color Works』も、数々のイベントの成功があったからこそ、発売されたものなのでしょう。 時を超えて読者を惹きつけ続ける少女漫画の名作を、是非読んでもらいたいです。