中学生くらいの頃だった。初めて1巻を読んだ時、なぜか私はそれが続きものだということを知らなかった。短編集だとばかり勘違いしたまま、数年後に続きがあることを知る。そして全巻を文庫で揃え、むさぼるように三原順ワールドに飛び込んだ。
なかでもとりわけアンジーが好きだった。アンジーはヒラヒラの服を着た髪の長い少年だ。そのわりにオラオラしている。という矛盾がまた魅力的だった。グレアムも、サーニンも、マックスもどいつもこいつも個性的で、ただかわいいだけの男の子ってわけでもなくて、訳アリの、大人びた捻くれたこまっしゃくれた浮浪児たちが、うつりゆく暮らしを描いてあるほのぼの漫画だとばかり思っていた。

そしてまさかの、事件が起きる。
突然の、数年後…というくだりは、ドキッとした。
まさかまさか、アンジーの大人になった姿が見れるとは思いもよらなかったのだ。そこには風子という、アンジーにはお似合いには一見みえない、だけどアンジーにとっては癒しであるお姉さんが現れていた。グレアムはあんなことになってるし…。マックス、忘れてるし…。

どういうことなの!?とハラハラしながらページをめくる手がとまらなかったのを覚えている。

結局、最終的には「はっきりとした結果(オチ)」はなかったので、その当時は無性にどういうことなの!?と後ろ髪をひかれる思いばかりが湧きだっていたが、いい大人になった今思えば、あれは…結果がうやむやだったからこそ、よい作品なんだな、と改めてはみだしっ子の凄みを感じるのであった。

もうほとんど、内容は忘れているのでもう一度読みたい。
しかし、心の奥底で残る、あの複雑怪奇でせつなく苦しい、そして愛おしい気持ちをほじくりかえすのには、若々しいエネルギーがものすごく必要だから、もう読みたくない。

私にとってはそういう漫画だ。
もう、読みたくない。それほどに熱い漫画であった。

るーとそろそろ

三原順さんの作品は ふだん封印されている深層心理をグサグサとえぐりだすナイフのよう とても深い。先生ご早逝された理由も公表されていないけど 描いていた深い心理洞察で疲弊され病にかかられたのでは…と 勝手に考えてしまうほどだ。
一方 ギャグのセンスにも長けていて 突然キャラクターを簡略化し4コママンガのような落ちをつける。そのメリハリとギャップが読者にはたまらない。

はみだしっ子
4人目の「花の24年組」
はみだしっ子 三原順
せのおです( ˘ω˘ )
せのおです( ˘ω˘ )
2020年3月に、三原順没後25周年として、漫画家として残したイラスト全てを収録した、『三原順 ALL Color Works』が発売されました。 私1人では三原先生を語れないのですが、これを機に、よりたくさんの人に三原先生の作品を知ってほしいので、満を持して口コミを投稿します! 少女漫画を大きく変え、またそれからの少女漫画の礎を築き上げた「花の24年組」には、よく萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子の3名の巨匠が挙げられます。 ここに4人目をあげるのであれば、私は間違いなく三原順をあげたいです。 三原先生は、1973年に別マでデビューした後、活動の場を白泉社に移し、花とゆめにて1975〜1981年にかけて、初の連載作『はみだしっ子』を描きます。 花とゆめの当時の誌面を見る限り、美内先生のガラスの仮面と並んで、読者の支持を得ていた作品のように思えます。 デビュー作から、三原先生の作品は萩尾、竹宮、大島先生とは全く異なった角度から、少年または少女の内面を描きました。 前述した3名の先生が、少女の目を通して見た世界や夢を漫画に落とし込んだのであれば、 三原先生は少年・少女が普遍的に持っている内面を具現化させました。 それはとても素直で、無邪気で、可愛らしく、 一方で、時に「ここまで彼らの弱く惨めな内面を晒すのか」と衝撃を受けるほどです。 『はみだしっ子』は、三原先生の作風を確立させた作品であり、本作で取り上げられているテーマは、以降の作品でも共通して語られています。 「愛ってなんだろうね、どこにあるんだろうね。ザマアミロ!」 社会からはみ出し者になってしまった4人の旅の行く末を、是非多くの人に見届けてもらいたいです。 三原先生は、1995年3月に、惜しくも連載中に亡くなられましたが、この後25年の間に、数々のイベントが行われています。 短編を含む全ての作品の書籍化、2015年「三原順復活祭」の展覧会、2018〜2020年の3年連続で原画展の開催、原画の整理及び保護活動etc…。 また、後期代表作『Sons』の舞台化にならび、『はみだしっ子』は近年2度に渡って舞台化されました。 これらの活動のほとんどは、当時の読者やファンによる企画・支援であり、そして成功を収めていると伺っています。 亡くなられてから25年もの時間が経ち、ここまで多くの支持を得て、数々のイベントを成功に収めてきた少女漫画がを、私は他に知りません。 先日発売された『ALL Color Works』も、数々のイベントの成功があったからこそ、発売されたものなのでしょう。 時を超えて読者を惹きつけ続ける少女漫画の名作を、是非読んでもらいたいです。
Sons ムーン・ライティング・シリーズ

Sons ムーン・ライティング・シリーズ

新月の頃、豚に変身する美しき青年トマス。事故に会い、親友トマスより輸血を受けたため、新月が近づくと狼の尻尾が生えてしまうD・D。多くのファンを魅了したあの二人が帰って来た!舞台を少年時代に移して、「Sonsムーン・ライティング・シリーズ」が文庫で誕生。少年の日の二人、運命の出会いから出生の秘密までが、いよいよ明らかに…。謎のベールが外される瞬間に、待ち受けているものは一体、何!?
三原順傑作選

三原順傑作選

独自のテーマと感性で少女まんが界に大きなインパクトを与えた、三原順の前期傑作集。強烈な個性で三原順を印象付けた「遥かなる祈り」「ラストショー」ほか別冊マーガレット時代の秀作、「祈りの鐘がひびくとも」「涙のクラウン」ほか、花とゆめ時代初期の傑作、そして'70年代後半の、代表作「はみだしっ子」の絶頂期に並行して描かれた「イン・ア・ボックスイン・ア・ボトル」「君の好きな帰り道」まで、今もファンの胸に焼き付く珠玉よみきり12編を収録。
X Day

X Day

政治家のブレーンとして挫折したダドリーは、ウォール街でも横領の汚名を着せられて辞職。兄の家の居候となった彼は、父母の農場を守るため、そして自らの過去を清算するために株式操作を仕掛ける。唯一自分が輝いていた日々を取り戻すために…。もがき続けるダドリー、彼に想いを寄せる兄の娘アデール、突然の病に冒される隣家の子供ニュートらを通して、現代に生きる誰もが抱える微妙なバランスと機器を描く著者入魂の表題作ほか、幻のコミックス未収録作品「今は静かな」を併せて収録!!
ムーン・ライティング

ムーン・ライティング

「助けに来てくれディー!!」差出人は美食家&空想家で学生時代からの親友、トマス・リブナーだ。更に手紙には「1/4に欠けた月の夜には来ないでくれ」と謎の言葉が…。疑念を抱きつつも彼の経営するレストラン“ムーン・ライティング”に車を飛ばすディー。あえて禁断の月の夜に乗り込んだ彼は、信じがたい友の姿を見ることに…!!表題作「ムーン・ライティング」その続編「お月様の贈り物」「ウィリアムの伝説」「僕が座っている場所」を完全収録!
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