いつまでもいつまでも友だちだよ――― 南海の底で、群れからはぐれた野生のイルカと出会ったナーク。そのイルカ・ゼシーは少年ジャークと心を通わせ仲睦まじく暮らしていたが、休暇で訪れた海軍中佐がゼシーの人懐こさと頭のよさに目をつけて……? イルカと少年の友情を描いた「光降る蒼海のはて」のほか、コエーという鳴き声で村人たちから災害のように恐れられる“おそろしい鳥”の物語「要石〈キーストーン〉」、ギャングたちが闊歩していた禁酒法の時代、ファサードがキューピッドとなるロマンス映画のような一幕「最高のご褒美」、獣人たちの国で狼面が王子様に!? ショート短篇「ヘーゼル」、宇宙の果てで呼んでいたのは……? ショート短篇「渡り星」を収録。何者かの見えない意志により時空を超えて彷徨い続けるファサードたちが出逢う、ときに切なく、ときに心温まる五つの物語をどうぞ。※電子限定特典として、「新書館60周年記念 新書館×アニメイト ウィングス・コミックス・フェア リーフレット」へ掲載した番外篇を収録しています。
様々な文化や芸術が花開いた、ルネサンスの時代――。「ファキエス 君は もしかして――…」時空を飛ばされ、ミケとの再会と別離を繰り返すファサード。システィーナ礼拝堂の天井画という大仕事に向き合いながら、ミケはファサードの正体に想いを馳せ……? 芸術家魂に触れるミケランジェロ篇「そこに在る君へ」完結までと、「その時 私だけは金色の狼のことを考えている すてきじゃないか?」花の都フィレンツェで、青春を謳歌している陽気で人好きのする青年ロレンツォと出会った狼面。20歳にして突然、フィレンツェの代表とメディチ家当主の座を継ぐことになった彼の心に、狼面はそっと寄り添い……? 少し時を遡ったロレンツォ篇「青き春よ 花の都」開幕の、ルネサンス期2連作を収録!