あらすじ化身忍者を倒し、血車党の計画をことごとく打ち砕いてきたハヤテ。党潰滅も間近に見えてきた頃、ある寺で血車党の副首領・骨餓身丸を発見する。一つの墓標の前で涙する骨餓身丸。不審に思いながらも、対決するハヤテ。そして、骨餓身丸は、魔神斎の正体について語り出し……!?衝撃の真相がハヤテを待ち受ける!!他に、『別冊少年マガジン』掲載の「吸血紅こうもり編」と『希望の友』掲載の「変身忍者嵐」3話分も収録!!
特撮ヒーローものの原作と思い読んで見事にスカされました。「テレビと雑誌の落差が大きすぎた。テレビの視聴者は低年層、この頃雑誌は高年層化していたからである」と作者が言っているように、こちらは子供だまし要素の少ないしっかりとしたドラマ。大人の鑑賞に十分耐える内容になっています。父を殺され、化身の術の巻物を奪われたハヤテは、自らも変身忍者となり仇を討つべく復讐の旅に出る、という体裁。血車党を殲滅するため、たとえ化身忍者に子供がいても涙を流しながら斬り倒し、掟に縛られたかつての兄弟分とも闘う。孤高のヒーロー像の構築過程は心憎いもの。エピソードのモデルも凝っていて、鍋島の化け猫や葛の葉、ミノタロウスなど、怪異譚をきちんとこの世界に取り込んでいるのですから、おもしろくないわけがない。大作家に対して失礼ですが、本当に掘り出し物だと思いますよ。少しラストで拍子抜けするかもしれませんが、これもある意味、大人のラストではないでしょうか。