ゲバルト博士によって極悪人の脳髄を移植され、悪の手先、デビル・アームとなってしまった日出人だが、婚約者・理奈のバイオリンの音色により、ゴッド・アームとしての正義の心を一時的に取り戻す。理奈の演奏がある限りゴッド・アームを完全に支配できないと悟ったゲバルト博士は、理奈を消そうと画策し、彼女を誘拐する。だが、以前誘拐された経験を持つ純は、敵のアジトの設備を利用し、テープに録音した理奈の演奏を流すことを思いつく。そうして正気に戻ったゴッド・アームによって、アジトから救出された理奈だったが、ゲバルト博士の次なる魔の手は、すぐそこまで迫っていた!
昭和30年代の大ヒット漫画であった「8マン」。 この作品以降桑田次郎氏は特撮のコミカライズを描く以外では8マンに似たデザインのヒーローを数々世に送り出しています。 その1人が東郷日出人が変身する「ゴッド・アーム」です。 原作の梶原一騎氏ならではの父や婚約者との絆、情愛、そして作画の桑田次郎氏らしいSFテイストも随所に織り込まれ凝縮されたストーリー展開がされていきました。 この作品を最後に桑田氏は少年誌からの連載からは撤退、SF・ヒーローは描かなくなるだけに8マンやXマン、ビッグ・トーリィなど桑田ヒーローの大トリ、総決算とも言える作品でしょう。 劇中では過去のヒーロー・主人公を思わせる描写もあり、知っている方なら思わずニヤリと楽しめる作品です。