あらすじ「人肌に触れないと正気でいられない……」東日本大震災からわずか1週間で、風俗店が再開した。家を流され、家族を失い、絶望のどん底に落とされた被災者たちが、温もりを求めてやってくる。みずからも被災者でありながら、客を受け止める風俗嬢たち。ホテルを一歩出れば、そこには耐えられないほど残酷な現実がある。喪失感を抱えた男と女は、肌と肌を重ね合わせなければ、立ち上がれなかった――!
家族や住まいや仕事を亡くし、誰かに触れていたいと思うこと。何気ない会話や肌の温かさに癒されたいと思うこと。 そうせざるを得ない人たちが、そうせざるを得ない行動をすること。 いいとか悪いとかで判断できるわけがない。 家族を失ったばかりなのに風俗に行くなんて…と思う気持ちもなくはないけれど、全てを失って1人きりで過ごす恐怖を思えば理解できる気がした。 風俗嬢たちにも失われた日常があり、仕事をすることで自分を保っていられる側面もあるのかもしれない。 ノンフィクション作品を原作にしているのでそちらも読んでみたい。震災は創作ではなく事実なので、消費するのではなく向き合っていきたい作品。