「人肌に触れないと正気でいられない……」東日本大震災からわずか1週間で、風俗店が再開した。家を流され、家族を失い、絶望のどん底に落とされた被災者たちが、温もりを求めてやってくる。みずからも被災者でありながら、客を受け止める風俗嬢たち。ホテルを一歩出れば、そこには耐えられないほど残酷な現実がある。喪失感を抱えた男と女は、肌と肌を重ね合わせなければ、立ち上がれなかった――!
「俺の記憶は”死ぬまで”消えない。」些細なことから、トラウマまで。決して忘れらない記憶に苦しむ男は、特殊清掃の現場で出会った死体から思ってもいない事件に巻き込まれていく。
【ちばてつや賞ヤング部門第89回佳作】営業成績はいつも落第点。それでも会社という檻に閉じ込められた人間たちとは違う存在だと自負する袴田。彼の唯一の楽しみは、社員たちの上っ面に隠された生態を晒し上げるブログを書くこと。そんな彼の前に会社随一の切れ者黒田が現れる。社内の人望をほしいままにする彼から、その正体を暴いてくれと依頼された袴田は‥‥。
家族や住まいや仕事を亡くし、誰かに触れていたいと思うこと。何気ない会話や肌の温かさに癒されたいと思うこと。 そうせざるを得ない人たちが、そうせざるを得ない行動をすること。 いいとか悪いとかで判断できるわけがない。 家族を失ったばかりなのに風俗に行くなんて…と思う気持ちもなくはないけれど、全てを失って1人きりで過ごす恐怖を思えば理解できる気がした。 風俗嬢たちにも失われた日常があり、仕事をすることで自分を保っていられる側面もあるのかもしれない。 ノンフィクション作品を原作にしているのでそちらも読んでみたい。震災は創作ではなく事実なので、消費するのではなく向き合っていきたい作品。
※ネタバレを含むクチコミです。
家族や住まいや仕事を亡くし、誰かに触れていたいと思うこと。何気ない会話や肌の温かさに癒されたいと思うこと。 そうせざるを得ない人たちが、そうせざるを得ない行動をすること。 いいとか悪いとかで判断できるわけがない。 家族を失ったばかりなのに風俗に行くなんて…と思う気持ちもなくはないけれど、全てを失って1人きりで過ごす恐怖を思えば理解できる気がした。 風俗嬢たちにも失われた日常があり、仕事をすることで自分を保っていられる側面もあるのかもしれない。 ノンフィクション作品を原作にしているのでそちらも読んでみたい。震災は創作ではなく事実なので、消費するのではなく向き合っていきたい作品。