「人肌に触れないと正気でいられない……」東日本大震災からわずか1週間で、風俗店が再開した。家を流され、家族を失い、絶望のどん底に落とされた被災者たちが、温もりを求めてやってくる。みずからも被災者でありながら、客を受け止める風俗嬢たち。ホテルを一歩出れば、そこには耐えられないほど残酷な現実がある。喪失感を抱えた男と女は、肌と肌を重ね合わせなければ、立ち上がれなかった――!
「俺の記憶は”死ぬまで”消えない。」些細なことから、トラウマまで。決して忘れらない記憶に苦しむ男は、特殊清掃の現場で出会った死体から思ってもいない事件に巻き込まれていく。
【ちばてつや賞ヤング部門第89回佳作】営業成績はいつも落第点。それでも会社という檻に閉じ込められた人間たちとは違う存在だと自負する袴田。彼の唯一の楽しみは、社員たちの上っ面に隠された生態を晒し上げるブログを書くこと。そんな彼の前に会社随一の切れ者黒田が現れる。社内の人望をほしいままにする彼から、その正体を暴いてくれと依頼された袴田は‥‥。