あらすじ

1年半ぶりに轍平が日本に帰国した!オリンピック本選での全日本メンバーとして、日本サッカー協会に呼び戻されたのだ。空港に降り立った轍平は思いがけなく大勢のマスコミに囲まれて戸惑ってしまう。ACミランのトップチームに昇格したことが日本で話題になり、轍平は一躍時の人になっていたのだった。凱旋帰国ともてはやされるなか、昇格はしたが何の結果も残せていないという思いでいっぱいの轍平は浮いた気持ちにはなれなかった…。
ファンタジスタ 1巻

都立水本高校サッカー部は、坂本琴音という女性監督率いる弱小チーム。彼らの今日の対戦相手は、強豪・帝東高校だ。スター選手ぞろいの帝東高校相手に善戦する水本高校だが、先制点を入れられた途端、集中力を失ってしまう。そこへ、遅れてやって来た坂本轍平が加わり、瞬く間に同点ゴールを決めた!!

ファンタジスタ 2巻

練習中に倒れてしまった琴音。本当は胸を患っているからなのだが、部員に心配をかけたくないため、ダイエットのしすぎと嘘をつく。練習を再開した轍平は、馬場との連係プレーを磨く。馬場の素晴らしいヘディングに感動した轍平は「もう一度見せてくれ」と言い、自ら最高のボールを上げるのだった。

ファンタジスタ 3巻

インターハイに優勝した強豪中の強豪・福岡天神高校との練習試合。水本高校は予想外の大健闘を見せ、後半途中まで2対2の同点という展開になった。他の運動部員たちも大勢応援に駆けつけ、試合が行われている水本高校の校庭は大変な盛り上がりに。そんな中、轍平と沖田の勝負はますますハイレベルになっていく。

ファンタジスタ 4巻

選手権東京都予選地区大会の決勝に進んだ水本高校。相手はパソコンを駆使し、鉄壁の守備を誇る金町高校だ。その試合を前に、FWなのにこれまで公式戦では1点も取っていない馬場は、悔しさがつのっていた。試合当日、轍平はそんな馬場に「今日はどっちが多く点取るか競争ばい」と声をかけ、勇気づける。

ファンタジスタ 5巻

福島県のJヴィレッジで行われている日本ユース代表選考合宿は、二日目を迎えた。この日行われるのは、ドリブル禁止、5秒以上ボールを持ったら失格という変則ルールの練習試合。近藤にJリーガーの実力を見せつけられ、自分は得意のドリブルが使えないという厳しい状況の中、轍平は「オレが1点取っちゃる!!」と果敢にパスを要求する。

ファンタジスタ(6)

三角形のピッチで3チームが入り乱れて戦う変則サッカー…。このゲームを仕掛けた監督の意図は!?そのとき、てっぺいの閃きが戦局を一変させる!これが…てっぺいの持つ特別な能力なのか!?

ファンタジスタ(7)

日本ユース代表選考合宿5日目。最終人員の18名を決める試合が続いている。ハーフタイムなしで60分以上が経過し、選手たちの体力は限界にきていた。そんな時、轍平は監督の意図している事に気づく。それは「各自がコーチングをしっかりして、パスをつなぐことに集中する」ということ。体力での勝負ができなくった時にこそ、それが重要になる。そこに気づいた轍平たちオレンジチームは、一気に攻撃のリズムが良くなり、岡田がゴールを決めて同点に追いついた。そして、それと同時に試合終了の笛が鳴る。

ファンタジスタ(8)

JY杯(ジャパンユースカップ)で、メキシコと戦う日本代表チーム。テクニックでは一枚上手の敵の戦略的ファールに苦戦を強いられ、1対2とリードされたまま前半が終了した。ハーフタイムにヨハンは「勝つために攻めろ!!攻めきって勝て!!」と選手たちに檄を飛ばす。そして前半は控えに回っていた轍平に声がかかり、出場のチャンスがやってくる。

ファンタジスタ(9)

JY杯(ジャパンユースカップ)で、メキシコと戦う日本代表チーム。後半から交代出場した轍平の活躍で日本は4対2と逆転し、見事勝利を収める。応援に来ていた水本高校の仲間たちは轍平に突き動かされ、試合終了を待たずに練習のため学校へ。メキシコのエデルは、このままでは終わらないと決意を新たにする。そして轍平自身も、またユースのチームメイトたちもそれぞれの闘志にさらなる火を付け、また一つ上の世界へと臨んでいく。

ファンタジスタ(10)

JY杯(ジャパンユースカップ)決勝で、イタリアと戦う日本代表チーム。轍平は左サイドで先発出場し、慣れないポジションながらも健闘。前半20分、近藤からのパスを受けた轍平は、再び左サイドからの突破を試みた。彼の前に立ちはだかるのは最強のディフェンダー、ファビオ。轍平とファビオの、ライン際での激しい攻防が続く。

ファンタジスタ(11)

JY杯(ジャパンユースカップ)決勝で、イタリアと戦う日本代表チーム。試合は後半30分を過ぎても依然として2-0と、イタリアが優勢のまま。ファルコーニとマルコに翻弄される日本は、防戦一方。残り時間は15分となり、日本の勝利はほぼ絶望的と思われる。だがそんな中でも、轍平と近藤はまだあきらめてはいなかった。

ファンタジスタ(12)

JY杯(ジャパンユースカップ)決勝で、イタリアと戦う日本代表チーム。試合は既に後半のロスタイムで、スコアは3-2とイタリアがリードしている。残り時間がほとんどない中、日本は組織的な攻撃で最後のチャンスを作る。森川、轍平とつないだボールを近藤は思い切ってシュート。最後の最後で日本は同点に追いつくのか!?

ファンタジスタ(13)

久しぶりに部活が休みなので、森川は憧れの琴音をデートに誘うため、直接轍平の家へ出向く。だが結局森川は、琴音、轍平、そして遊びに来ていたしおりと夕飯を食べただけで帰宅。森川を送る帰り道、轍平は2次リーグで水本が、名ディフェンダー・西郷が率いる昨年の代表校、丞南高と同じブロックになったことを知る。

ファンタジスタ(14)

全国高校サッカー選手権・東京都予選2次リーグ。Bブロックdグループの水本は、初戦で木場商に完勝したもの、2戦目は丞南に3-1で敗退。しかも轍平はレッドカードを受け、次の試合は出場停止となってしまった。決勝トーナメント出場を賭けた堀川学園戦。水本イレブンはエース不在の危機をどう乗り越える…!?

ファンタジスタ(15)

全国高校サッカー選手権・東京都予選Bブロック準決勝。水本高は、左サイドのスペシャリスト・山波を擁する陵東高と対戦。後半17分の時点で、2対0とリードする。劣勢の陵東。だが山波は、これまでの3年間の全てをこの試合にぶつけ、諦めずにチームを引っ張っていく。水本は轍平の絶妙なパスから、さらに追加点を挙げるが、そこから陵東の怒濤の反撃が始まる…!

ファンタジスタ(16)

全国高校サッカー選手権・東京都予選Bブロック決勝。水本高と、7年連続全国大会出場を果たしている名門・丞南高との熱戦が続く。残り時間もわずかとなった後半37分、馬場は轍平からの絶妙のパスを外してしまった。そして、気落ちしてしまった水本に、これまで守備に徹していた丞南が突然牙をむき、猛攻を始める!

ファンタジスタ(17)

轍平がACミランのプリマヴエーラに入団して1年。チーム内では熾烈なFW争いが続いていた。新たに優秀なFWが加入するため、今いるFW4人の中から1人がチームを去らなければならない。そのテストの場となるのは、リーグ戦第5節のブレッシア戦。ピエトロ、ロデオ、マッシモ、轍平の4人が生き残りをかけて、この試合に望む。

ファンタジスタ(18)

轍平たちACミランとインテルのダービーマッチ。ミランは先制点を奪ったもののチームワークは最悪で、その後立て続けに3点を返されてしまった。ハーフタイムでトトは、チームメイトたちに文句を言いまくり、それを聞いた仲間たちの不満も爆発。しかしヴァレンティノ監督は、トトが代えろと言った選手を本当に交代させてしまう。これによりお互いの溝はますます深くなってしまうが、そのとき轍平は…。

ファンタジスタ(19)

ヴァレンティノ監督の提案により、トップチームと対戦して、負けた方がチームを去るという驚くべき試合をすることになったミラン・プリマヴェーラの面々。一週間後の試合に向けて、厳しい合宿が始まった。その二日目の日没後、暗闇となったピッチで選手たちは黒いジャージを着せられ、夜光ボールが手渡される。ヴァレンティノの意図するものは果たして…?

ファンタジスタ(20)

現トップチームとの対抗戦もいよいよ佳境!!奮闘を続けるテッペイに、最強のファンタジスタ・バイエビッチが、いぶし銀のディフェンダー・グロッソが次々と牙をむく!大興奮のイタリア編、ついにクライマックス!!

ファンタジスタ(21)

1年半ぶりに轍平が日本に帰国した!オリンピック本選での全日本メンバーとして、日本サッカー協会に呼び戻されたのだ。空港に降り立った轍平は思いがけなく大勢のマスコミに囲まれて戸惑ってしまう。ACミランのトップチームに昇格したことが日本で話題になり、轍平は一躍時の人になっていたのだった。凱旋帰国ともてはやされるなか、昇格はしたが何の結果も残せていないという思いでいっぱいの轍平は浮いた気持ちにはなれなかった…。

ファンタジスタ(22)

アテネ五輪の本戦前の壮行試合で、ミスを連発した轍平は本戦のスタメンを外されてしまう。だが、代わりに起用された沖田の活躍で、日本は本戦決勝トーナメントに進出。しかし、初戦の相手は皮肉にも沖田がリーグでプレーしていたパラグアイ。キックオフ後、沖田がドリブルで攻めあがると、沖田と深い因縁を持つMF・ガマーラがマークしてきた。沖田の脳裏にパラグアイ時代の辛い記憶が蘇ってくるが…。

ファンタジスタ(23)

アテネ五輪・準決勝で南米の王者・ブラジルと対戦した日本チームは、敵フォワードのコンビネーションプレーに翻弄され前半15分で早くも2失点していた。そしてやっと訪れた反撃のチャンス、沖田は敵のフィールドに深く攻め入りながらもなぜか苦悩していた。パラグアイ戦で、轍平とプレーのイメージをシンクロさせたことが忘れられなかったのだ。そのことにより、轍平に敗北感を感じた沖田は、自分のプレーで点を返すことに固執し、強引な個人プレーをくり返すが…。

ファンタジスタ(24)

アテネ五輪・準決勝の対ブラジル戦。足のケガで退場した沖田に代わりピッチに復帰した轍平は、0-2の逆境から自らの2得点で試合を振り出しに戻す。さらに試合終了間際、強風という不利な要素を逆に利用した起死回生の逆転ゴールを決め、ついに王者ブラジルを下す!!そんな轍平のプレーをスタンドで観戦していたマルコたちイタリアチームは…。

ファンタジスタ(25)

アテネ五輪サッカー決勝・日本―イタリア戦。1対1の均衡の中、ついにボールが“イタリアの至宝”マルコの元に渡った。FWでありながらなぜか自陣の深い位置にいたマルコは、そこから前方に向けて高々とボールを蹴り上げる。フィールド上にいる誰もが意味のないプレーと受け止める中、轍平はその弧が描くファンタジーを予感し、激しく戦慄する…。