あらすじ結婚して一年の優介と彩乃。マイホームは…欲しいけど中古で。子供は…一人でもできたら。人間欲張ったらダメになる。今のままでも、幸せ――二人が描く「家族像」は“そこそこ”でも充分だった。ある日、夫婦は某県の山へと出かけて日帰りトレッキングツアーに参加する。贅沢な一泊旅行はなかなか厳しいけど、小さな楽しみを大事に大事に、二人で積み重ねていきたい。今日だって、そう。……………そのはずだった。金はかくも人を狂わせる――“家族”の“絆”の…ネオ・サスペンス。
ネタバレしないように内容には触れず。 漫画には、漫画文法と映画文法があると思う。 前者は、モノローグを多用したり、コマ割りの工夫によって、内容とは関係のない部分、つまり漫画的演出によって、感情を揺さぶる。 後者は、多くを語らず表情や仕草を使う。またコマ割りでの演出は控えて、シンプルなコマ割りの中でカメラアングルによって演出する。 他にもたくさんあるが、とりあえず。 そして、この漫画は、後者よりではあるが、たまに漫画的文法による表現もある。最初の性行為のシーンなど。その融合が面白い。 この漫画の問題点は、「露悪」的な部分にあると思う。カミュの異邦人や石原慎太郎の作品群などの露悪的な作品には、人間の「自由意志」を述べることを目的としている。 この作者の露悪さが、不愉快さをただ意味もなく表現している、つまり作者のフェチズムの表現だとしたら、空っぽな物語で読む価値は無い。 今のところ、こんな暗い感じってカッコイイだろ?というただのファッションに見える。まだ始まったばかり。これからに期待したい。